テアニンはアミノ酸の一種ですが、サプリメント等に興味のある人でなければあまりなじみのない成分かもしれません。テアニンとはいったいどのようなものでしょうか?
テアニンとはどの様な成分なのか?
テアニンとは主にお茶の中に含まれるアミノ酸のひとつです。お茶に特有のうま味や甘味成分のもととなる物質です。
お茶に含まれるアミノ酸には、
- グルタミン酸
- アスパラギン酸
- アルギニン
- セリン
があります。お茶のうま味にはこれらのアミノ酸に加えて、有機酸やポリフェノールなど複数の成分が総合的に寄与しています。
テアニンは二番茶よりも一番茶、一番茶でも初期の若い芽に多く含まれ、成熟した芽では極端に減ります。また、玉露のように日光を当てないで栽培すると、アミノ酸からカテキンへの生成が抑えられ、茶葉中にテアニンを豊富に含んだままの状態となります。テアニンは、
- 緑茶
- ウーロン茶
- 紅茶
など、すべてのお茶に含まれています。お茶の中でも、抹茶に含まれるテアニン量が最も多いことが分かっています。高級なお茶ほど多く含まれていて、抹茶には番茶の12倍のテアニンが含まれています。
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湯飲み1杯当たりのテアニン量は
- 番茶3mg
- 煎茶10mg
- 玉露34mg
- 抹茶36mg
と言われています。
テアニンの過剰摂取・欠乏症の場合
テアニンの過剰摂取、欠乏症の問題は報告されていません。経口摂取で短期間であれば、安全性が確認されています。テアニンを1週間に1回200 mgを摂取した場合、3か月まで安全であったという報告があります。ただし、安全性については、人間に関する信頼できる情報が十分にないことから、今後の更なる研究報告が待たれます。なお、妊娠中や授乳中の安全性に関しては、残念ながら信頼できる情報が十分にありません。このため、妊娠中や授乳中の使用は避けた方がよいでしょう。
一方、研究報告としては過剰摂取によって
- 頻尿
- 下痢
- 不眠
- 不安感
- 胸やけ
- イライラ
を引き起こすと言う研究報告もあります。更に注意すべき点は、医薬品との相互作用です。テアニンは血圧を下げる効果があるため、高血圧を治療する目的で利用されることがあります。
そのため、血圧を下げる
- カプトプリル
- エナラプリル
- ロサルタン
- ゼルチアゼム
- アムロジピン
- ヒドロクロロチアジド
- フロセミド
などの医薬品を利用している場合は、血圧が下がりすぎることがあります。
但し、あまり敏感になり過ぎず、テアニンの目安量を守れば問題のない安全な成分と言えます。
テアニンの効能・効果は?
テアニンの効能と効果を以下に纏めました。一部は既に触れましたが、大きく5つの効果があります。
カフェインによる興奮作用を抑制
お茶を飲むと「心が和む」というようなことを感じると思います。これまでの研究で、テアニンにはヒトの脳などに働きかけ、お茶に含まれるカフェインの興奮作用を抑制する効果があることが明らかになっています。カフェインには、ご存知の通り興奮作用や覚醒作用があります。カフェインを飲用した際に出現するβ波 (興奮状態時に出現する脳波)が、テアニンにより抑制されることが研究により確認されています。
学習能力、集中力を向上
ラットにテアニンを投与すると、記憶力や学習能力が高まることが確認されています。これは、投与されたテアニンが脳内に入り、神経伝達物質であるドーパミンやセロトニンの濃度を変化させるためと推測されています。また、健常被験者に対して100mgのテアニンと50mgのカフェインの相乗効果を調べた結果、テアニンとカフェインの組合せ (2:1)が職務においてパフォーマンスを改善するのに有益であることが明らかになりました。
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リラックス効果
人間がテアニンを摂取した際の脳波の変化について検証したところ、テアニンを200mg摂取後、30分以降にα波の出現が活発化することが確認されました。α波は、リラックス時に出現する脳波として知られており、これによって、テアニンのリラックス効果が証明されました。また、不安傾向が低い人の場合でも、約50mgのテアニンの摂取でα波が出現するようです。テアニンの濃度が高いほどα波が強く現れることから、リラックス効果はテアニンの量に比例すると言えます。
睡眠改善効果
テアニンには、脳の興奮を抑えて神経を沈静化する効果があるため、快適な睡眠が得られるという効果があります。健常な男性に、テアニンを200mg含む錠剤を6日間、就寝1時間前に毎日服用させたところ、睡眠途中で起きてしまう時間が短くなり、起床時のリフレッシュ感が高いことが確認されました。また、寝つきに関してもテアニンを摂取した場合の方が良いことが確認されています。
月経前症候群(PMS)、更年期障害の症状の改善
テアニンは、女性特有の悩みであるPMSや更年期障害の症状を和らげるという報告があります。
具体的には
- イライラ
- 憂鬱
- 集中力の低下
- 疲れやすい
- むくみ
といった症状を改善します。同様に、更年期障害によるほてり、動悸、イライラ、不安感といった症状も軽減します。
テアニンの接種方法は?
テアニンを効果的に摂るためにはお茶が最も効果的です。毎日何度も茶葉でお茶(煎茶、玉露など)を入れる人は、飲むだけでも摂取できます。しかし、目標の摂取量200mgを摂取する為には10杯以上の摂取が必要になります。また、お茶の種類によって含有量も変わるので注意が必要です。抹茶でも6杯以上の摂取が必要です。となると、サプリメントでの摂取が一番効果的かもしれません。
サプリの選び方
上記で上げた様な食品を積極的に取っていくことが好ましいですが、サプリメントを利用しながら積極的に取っていくことが好ましいと思います。テアニンのサプリは含有量や価格に幅があり、どれを選んでいいのか分からない方も多いと思います。そこでテアニンサプリの選び方を紹介します。主には以下の4つの観点が重要です。
テアニンの含有量
サプリで重要な点はその含有量です。あくまでテアニンが何g含まれているかを確認しましょう。1日あたりの目安量は200mg程度です。お茶のみで摂取しようとすると10杯以上も飲む必要がある為、サプリメントを有効に活用しましょう。
テアニン以外の有効成分
テアニンは他の成分と一緒に摂取するほうが相乗効果を発揮する場合があります。例えば、例えばカフェイン、GABAが該当します。その為、これらの成分が一緒に配合されているものを選択しましょう。特に、GABAはテアニンと同様の効果を持ち、その効果作用が異なる為に併用して摂取するとより有効にテアニンを役立てられます。
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安全性
毎日飲むものなので、安全性の高いものを選びましょう。日本製品は品質管理がしっかり行われているので、日本製品から選ぶ方がより安全です。
1日あたりの価格
サプリを選ぶ大事なポイントとして継続して飲み続けられることが重要です。サプリメントは薬と違って、飲み続けることで徐々に効果を実感できます。最低でも3ヶ月は続けるとしたら”続けやすい価格”であることが重要です。目安として1日200円以下が望ましいでしょう。
テアニンの効能と効果について【効率よい摂取方法】のまとめ
テアニンはアミノ酸の1種です。効果としてカフェインによる興奮作用を抑制、学習能力、集中力を向上、リラックス効果、睡眠改善効果、月経前症候群(PMS)、更年期障害の症状の改善が期待できます。食事での摂取でも好ましいですが、継続するにはサプリメントを利用することが好ましいでしょう。