モロヘイヤは「王様の野菜」として古くから多くの人に食されてきた緑黄色野菜です。モロヘイヤには健康や美容をサポートする多くの栄養成分が豊富に含まれています。モロヘイヤに含まれている成分が不足したり、過剰摂取したりすることの影響を考えます。
モロヘイヤの過剰摂取
モロヘイヤは緑黄色野菜のひとつであるため、モロヘイヤ自体が体に不足したり過剰摂取の状態になったりすることはありません。しかし、多種多様なビタミンやミネラルを含んでいるため、それぞれの栄養成分の不足や過剰摂取が体に与える影響があることは確かです。特に、生命維持や栄養分の代謝、美容などに大きく関わる成分は、過剰摂取よりも不足することで様々な弊害をもたらすことが多いといえるでしょう。
モロヘイヤを過剰摂取することによって異常が生じることをあげるとすれば、
家庭菜園で栽培したモロヘイヤを食べることで毒素である「ストロファンチジン」を体内に取り込んでしまう危険性がある
ということでしょう。種子や枝の部分に含まれた毒成分を完全に取り除くことは難しいため、モロヘイヤを野菜として摂取する際にはスーパーなどで安全に処理されたものを購入することをおすすめします。また、モロヘイヤに含まれるシュウ酸は過剰摂取すると結石をつくる原因となるのでアク抜きをしっかりすることも大切です。
ビタミンB群の不足
モロヘイヤはビタミンの宝庫ともいわれる野菜であるため、摂取しないことでビタミン不足となることも考えられます。モロヘイヤには、ビタミンのなかでも特にB群を多く含んでいます。
ビタミンB1が不足すると、糖質を分解することができずに乳酸などの疲労物質が蓄積され、疲れやすくなるとともに
- 手足のしびれ
- むくみ
- 食欲不振
などの症状がでることもあります。
また、ビタミンB2が不足すると、粘膜を保護する機能が低下して
- 口内炎
- 口角炎
- 肌荒れや
- 目の粘膜異常
などの症状がみられることもあります。
ビタミンB6が不足すると、神経過敏な状態となり、
- 湿疹
- 蕁麻疹(じんましん)
を発症しやすくなるとともに貧血になりやすくなるといわれています。また、ビタミンB6を摂取せずに脂肪分を多く取っている場合には、脂肪肝になりやすくなります。
妊娠中はビタミンB6の必要量が増すため、
胎児の成長にも不足してはならないビタミン
といわれています。
ビタミンB群以外でもパントテン酸が不足するとストレスに弱く疲れやすくなり、かぜや感染症にかかりやすくなるなどの体の不調が表れます。モロヘイヤにはこれら必要なビタミンB群を豊富に含む野菜なのです。
ミネラルの不足
モロヘイヤにはビタミンとともにミネラルも豊富に含まれていることから、摂取しないことによってミネラル不足となることも考えられます。
ミネラルについてはこちら⇒ミネラルは身体の必須元素!
リンの80%が、体内でカルシウムやマグネシウムとともに骨や歯をつくる働きをします。20%は筋肉や脳、神経などの組織に含まれており、リンが不足することによって、エネルギーや脂質の代謝がうまくできずに生活習慣病を引き起こす原因になることもあります。
また、マグネシウムは体内に存在する300種類以上の酵素の働きをサポートする役目を担っているため、不足すると三大栄養素の代謝によってエネルギーをつくりだすことができなくなってしまいます。
必須ミネラルのひとつである鉄は赤血球を構成する成分であり、体内の細胞や組織に酸素を送る働きがあります。不足するとヘモグロビンを形成することができなくなり、貧血状態となってしまいます。
また、カルシウムは骨自体を貯蔵庫として蓄えられていますが、不足することで骨から遊離してしまうため、骨粗しょう症を発症するリスクが高まります。
マグネシウムとカルシウムの働きについてはこちら⇒カルシウムとマグネシウムで骨と歯を丈夫に!
さらに、カリウムが不足すると、体内にあるナトリウムが排出できなくなり、高血圧症を発症することにもつながります。
その他の栄養成分
モロヘイヤにはポリフェノールの仲間であるフラボノイドの一種、ケルセチンが含まれています。クルセチンは血管をしなやかなにするとともに抗酸化力を発揮して活性酸素の発生を抑制してくれるため、不足すると動脈硬化や心筋梗塞などの血管系の疾病の発症率が高くなってしまいます。
ケルセチンについてはこちら⇒ケルセチンの効果はアレルギー改善!
このようにモロヘイヤには、
- ビタミン
- ミネラル
- フラボノイド
など多種多様な栄養成分が含まれており、モロヘイヤを摂取するだけでも多くの有効成分を取り入れることができます。
バランスよく摂取することが大切
どんな栄養成分でも適量やバランスを考えて摂取することが大切です。ビタミンB群は互いに助け合って機能するため、一種類だけ過剰摂取すると他のビタミンの欠乏をまねいてしまうことになります。なかでもビタミンB1、B2、B6は同時に同量を摂取することが望ましいといわれているため、バランスが重要となります。
モロヘイヤを野菜として摂取する方法として、青汁やサプリメントで摂取する方法もあるので、食事が偏りやすい方などはサプリメントによる摂取がおすすめといえるでしょう。
モロヘイヤの利用法についてはこちら⇒モロヘイヤはビタミン・ミネラルの宝庫!
モロヘイヤに含まれる栄養素の不足や過剰摂取について【バランスよく摂取しよう】のまとめ
モロヘイヤは食卓に並ぶ野菜のひとつであるため、モロヘイヤ自体の不足や過剰摂取という状態は考えにくいものです。しかし、様々な栄養成分が含まれているため特にそれらの成分が不足することの問題は多いといえます。