クルミは皆さんにおなじみの食材ですよね。クルミは必須脂肪酸を豊富に含んでいたり、ポリフェノールが豊富だったりと美容に役立つ成分がぎっしり詰まっています。ただ摂るときに注意しないと逆効果になる事もあります。今回はそんなクルミの長所と短所をふまえた効果的な摂り方をご紹介します。
クルミは必須脂肪酸を多く含んだ食品
必須脂肪酸とは私たちが体内で作り出せない、または作れたとしても必要な量に届かないので食品から取る必要がある脂質のことです。クルミにはそのリノール酸が豊富に含まれています。
リノール酸には血液中にあるLDLコレステロール、通称悪玉コレステロールを減らす働きがあります。しかし摂りすぎると血管の中の悪玉コレステロールを取り去ってくれる善玉コレステロールまでもを減らすので逆効果になってしまうので、注意が必要です。
またクルミには他のナッツなどの食品と比べて、α‐リノレン酸も多く含まれています。α‐リノレン酸にも血液のなかの悪玉コレステロールを減らす働きがあります。またα‐リノレン酸にはEPAやDHAに変換されるという特徴があります。これらの成分は食品で言えば、青魚の中に多く含まれています。特にDHAというのはよく耳にするかと思います。DHAは脳の中の情報伝達の役目をするニューロンという神経細胞に含まれています。それでDHAが足りなくなってしまうと、情報のやり取りがうまくいかなくなり、脳や神経の成長に影響を及ぼすので、学習能力や記憶能力が低くなってしまう危険性があるのです。
さらに、DHA等には善玉コレステロールを増やしてくれる働きもあります。悪玉コレステロールが増えてしまうと血管が狭くなり血が流れにくくなるので、悪玉コレステロールを回収してくれる善玉コレステロールを増やすことは、血管を傷めないためにも大切なことです。血管を守り、頭を働かせるために必要なDHAを不足させないためにも、変換できるα‐リノレン酸が含まれたクルミなどの食品をとると良いでしょう。
他にもα‐リノレン酸には摂りすぎると悪影響を及ぼすリノール酸の影響をおさえる作用もあります。
クルミにはポリフェノールもたっぷり
クルミの薄皮部分にはクルミポリフェノールが含まれています。ポリフェノールは今注目され始めているファイトケミカルの一種で、強い抗酸化作用が特徴です。
体の中の活性酸素は増えすぎると皮膚のしみやしわなどの原因となります。また血管も同じように影響を受けるので弾力がなくなり老化しもろくなってしまいます。ポリフェノールはそういった活動をする活性酸素を封じ込め無害化する作用をもっているので、血管の老化を防ぐ効果を期待できます。
ポリフェノールで有名なのは赤ワインですが、中にはクルミポリフェノールは赤ワインに勝る量が含まれているとの報告もあります。ですのでワインが飲めないという方でもクルミからポリフェノールを摂る事ができます。
血管の健康は体の健康にとって重要ですし、血管が健康だとお肌も美しくなります。クルミの薄皮は食べると苦味があるので、とって食べていた方もいるかもしれませんが、ポリフェノールの作用を期待するなら剥かずに食べたほうが良いといえます。
クルミポリフェノールについて詳しくはこちら⇒クルミポリフェノールの効果・効能がすごい!
そもそもポリフェノールとは?
最近耳にすることの多いポリフェノールですが、このポリフェノールとは
ほとんどすべての植物に含まれる、植物特有の色素や苦み・渋み成分
を総称したものです。その種類は5000を超えるともいわれています。
ポリフェノールにはこんなにもの種類が!⇒ポリフェノールの驚きの種類!
ビタミンも含まれている
クルミには他にもビタミンB1やビタミンE、ビタミンCなどといったビタミン類も含まれています。ビタミンB1は足りない状態が続くと手足がむくんだりしびれを感じたり、動悸や息切れがおこる場合があります。また神経の機能に重要であるといわれているので、足りなくなると忘れっぽくなったり、気持ちが落ち気味になったり、いらいらしたりと感情にも影響します。
心と体のバランスを保つためにもビタミンB1が不足しないように気をつける必要があります。
クルミの効果的な摂り方
クルミの摂り方はいろいろあります。それぞれの摂りたい成分によって摂り方を変えることができます。例えばビタミンは熱に弱い性質を持っているので、生のまま食べるほうがビタミンが失われにくいといえます。またα‐リノレン酸は酸化しやすいという弱点をもっています。熱を通すと酸化が進みやすいので、こちらも生のままの状態で摂取したり保存したほうが良いです。特に殻がついたままの状態のほうが長持ちします。
逆にクルミポリフェノールは火を通すと2倍近く増えるといわれています。ポリフェノールの効能を期待するなら薄皮をつけたままローストして食べることをおすすめします。またクルミを食べる際しっかり噛んで食べると唾液がでて、クルミの脂質を吸収しやすくなります。
このようにそれぞれの成分の特徴にあわせて摂り方を変えてみてください。
クルミは栄養満点の健康食品!【クルミの働きと効果的な摂り方】のまとめ
クルミにはコレステロールを少なくする働きがあるα‐リノレン酸や抗酸化作用のあるポリフェノールやビタミンも含まれている優秀な食品です。それぞれの成分にあわせた効果的な摂り方をしましょう。