フィチン酸

[監修済] 自然界では存在していないフィチン酸の真実

フィチン酸は自然界には存在していない物質ですが、分解作用によって作り出す事のできるものです。この成分の存在は昔から知られていましたが、その効能は分析が進んだ現在、数多くの効能がある事がわかってきました。

フィチンとフィチン酸の違い

ネットでも多く取り上げられるフィチン酸ですが、間違ったことを書いているブログなども多く見かけ、その多くはフィチン酸とフィチンを同一視している事です。フィチンは自然の食品中に含まれている栄養素のひとつで、フィチン酸はフィチンが分解される過程で出来るものです。フィチンはカルシウムやマグネシウムを含んだもので、胃酸によって分解されミネラル分かれる事で体内に吸収されて行きます。また、フィチンがミネラルと切り離される事によって、他のミネラルに対して強いキレート作用を示す事がわかっています。

そのため重要なミネラルの吸収を阻害されるとありますが、体内ではそのような事が起こらない事が実験でも証明されています。キレート作用とは、物質によってその作用の過程が違いますが、吸収されにくい成分などを吸収されやすい形にする事で吸着したりする事です。一方、デトックス効果などは、有害物質を排出し易く変化させ排出する作用で同じくキレート作用と呼ばれます。フィチン酸の場合は吸着効果はありますが、体外に排出する効果で体に支障が出ることはない事が研究で証明されました。

フィチンの効能

フィチン酸はビタミン様物質で、体内でも存在している成分で、母乳などにも含まれているものです。過去において、フィチン酸に強いキレート作用がある事から、体内のミネラルを排出して危険なのではないかとの指摘があり、一時危険視されましたが、研究の結果逆に吸収率が良くなる事がわかっていますので、安全に摂取する事ができる栄養素です。その効能は、カルシウム結晶の生成を抑える働きがあり、高カルシウム尿症や結石の予防に効果があるとされ、赤血球に作用する為に貧血を予防する効果や、関連性のある慢性的な症状を緩和する作用があります。

ミネラルバランスに変調をきたすと、これを排出する作用があり、血液中のミネラルバランスを正常化すると共に、コレステロール値を下げる働きが認められているのです。このおかげで、生活習慣病による血液不調を改善する効果が期待され、高脂血症や糖尿病の予防に、効果があるのではないかと研究されています。また最近の研究では、抗がん作用もある事がわかっており、抗腫瘍作用などにも期待されている成分なのです。

フィチンを多く含む食品

フィチンは穀物を含む、多くの種の成分の中に含まれている成分で、ごまや大豆を始めココアやトウモロコシに多く含まれているもので、玄米にも含まれています。外皮や胚芽の部分に多く含まれており、米や小麦粉は精製されると多少残る程度で、ほとんど残る事はありません。逆を言えば玄米から生成された米ぬかには、このフィチンが多く残る事になり、農薬の問題が無ければぜひ利用したいものです。もともと、植物の種子やナッツ類などは栄養価が高く、同時に色々な栄養素を摂る事ができます。

最近の研究では、イノシトールと同時に摂る事で、特に吸収率の向上が認められており、料理の献立には両方入れたもの口にする事で、相乗効果が認められます。イノシトールは抗脂肪肝ビタミンとも呼ばれ、ビタミンB群に属しているものです。母乳にも含まれており、人工ミルクにも添加されています。イノシトールを多く含む食品には、果実ではオレンジやグレープフルーツといった柑橘類やメロンに含まれており、大豆などの豆類にも多く含まれています。また栄養ドリンクなどにも添加されています。

フィチン酸の利用方法

フィチン酸が、食品中に含まれているイノシトールと同時に摂る事で、さらに吸収率がアップする事がわかっていますので、同時に摂取したいものですが、玄米にも含まれていますので、発芽玄米など食べやすくする事で、消化吸収もさらに良くなります。玄米は白米と同じ様に焚くと、炊きあがったご飯の色が黒くなるだけではなく、固くてぼそぼそしてとても食べにくいものです。しかし、発芽玄米にする事で多少食べやすくする事ができます。

発芽玄米は独自の香ばしさと、歯切れのいい食感やモチモチ感が味わえますので、本来のお米の味を楽しむ事ができる食べ方と言っても良いでしょう。ですが、これも好みの問題もあり、やはりこれが毎日ともなると、家族に不満が出る可能性もあります。そこで全て発芽玄米にしまわずに、3割程度混ぜてしまうととても食べやすくなります。発芽玄米の作り方は至って簡単で、玄米を軽く洗ってボウルに入れて水をたっぷり注ぎこみ、ラップしてそのまま2,3日常温に放置します。見た目で発芽がわかりますので、使う分量を取り後は水切で冷蔵庫に保存しておきましょう。

「自然界では存在していないフィチン酸の真実」のまとめ

フィチン酸は、食品でもとる事が可能ですが、サプリメントも発売されていますので、これを利用するのも良いでしょう。イノシトールも、同じくサプリメントで販売されていますので、併用も可能です。

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