フッ素

[監修済] 虫歯予防に重要な役割のフッ素と骨の関係性

歯科医にかからない方は居ないほど、口腔内のトラブルは多いものです。特に若い頃の虫歯は、大人になっても影響が出る事が多く、その虫歯予防に多く利用されているものがフッ素で、骨との関係性も調べていきます。

フッ素とはいったい何?

天然には鉱石として存在しており、蛍石や氷晶石などに含まれているものです。蛍石は紫外線を当てると蛍光発光し、また加熱によって発光する鉱物です。主な用途はレンズに用いられるほか、フッ素の貯蔵にも用いられます。単体では存在しない元素で、電気分解によって取り出す事ができますが、短時間で深刻な中毒を起こす事が知られています。フッ素は非常に猛毒で、その化学的反応性が非常に強力だという事が言えます。単独ではガラスやプラチナさえも侵してしまう為、現実的にその保存は出来ないものとされています。

保存には化合物という形で保存されると共に、特別製の容器で保存されています。単体で利用することはなく、その用途は化合物によってなされており、フッ化カルシウムと硫酸から生成できる、「フッ化水素」という化合物で、その利用が行われています。用途は工業用に使われる事が多く、エキシマレーザーや屈折率の制御に利用されており、ロケット燃料の酸化剤としても利用されています。一般では「フッ化カルシウム」の形で歯科治療に利用されているほか、歯磨き粉にも利用されています。

フッ素の効能

フッ素には歯の再石灰化を促進する作用があるとされており、歯のエナメル質を丈夫にする働きがあり、虫歯菌がつくる乳酸による溶解作用から歯を守護する役割を果たしてくれています。口腔内には、虫歯の原因菌となっているミュータント菌が住み着いており、糖を栄養分として乳酸を作り出しているのです。したがって食べ残しが残されていると、この食べかすを栄養源として乳酸を出すと共に、その繁殖率も高まって行くと言う仕組みが、口腔内に形成されてしまうのです。

フッ素はエナメル質にカルシウムと一緒に吸着すると言う性質がありますので、歯がカルシウムやリン酸を効果的に取り込み易いようにする役目があります。しかし、長時間食べかすが残されている状態になると、再生が追い付かなくなり、虫歯ができやすくなりますので、口腔内はいつも清潔に保つ必要があります。また、フッ素には骨密度にも影響を与えており、経口摂取によって骨粗鬆症に対して、改善されると言う有効性がわかっています。これは出産によって、カルシウム不足に陥りやすい女性や、カルシウム不足のお年寄りにも有効な手段となります。

フッ素不足と過剰摂取について

フッ素は健康体の人体中にも存在している元素で、地球上に存在しているほとんどの動植物が、持ち合わせている成分のひとつです。特に動物では、骨や歯の成分である象牙質などの硬組織に存在しており、栄養学的にはフッ素の不足による弊害が無いとされています。しかし、不足による症状が実験においては見られ、動物実験では成長阻害や寿命抑制作用がみられます。過剰摂取にには大きな弊害が予測されています。

急性中毒としては胸がムカムカする事で吐き気のする事や嘔吐などの症状があり、腹痛や過度の唾液分泌に流涙や脱力といった症状がみられます。重度になると肺障害が心不全に痙攣や感覚障害、麻痺に昏睡下痢などを伴う事がありますので、注意が必要と言えるでしょう。慢性状態では、骨格フッ素沈着症などが見られ、関節のこわばりや慢性関節痛が起こる事があり、さらには骨粗鬆症や筋肉消耗に、神経学的欠陥などがみられます。ただし、1日の摂取量が3mg以下であれば、安全に使用できるとされています。

フッ素副作用について

現時点では推奨されているフッ化物涼であれば、摂取しても腎臓や消化器などにはダメージが出ないとされており、遺伝子毒性や発がん性のリスクを増大させるという事は無いとされています。ただし、過剰な摂取などには大きな副作用が指摘されており、1日3mgという安全基準であっても、10年以上という長期にわたっての摂取で骨のフッ素沈着が報告されています。また、経口摂取でフッ素を規定量以上摂取した場合に吐き気や嘔吐、消化管出血に圧迫骨折が起きた例も報告されているのです。

また症状にも個人差があり、アレルギー反応を起こす事がありますので、そうした症状を持っているお子さんには、注意が必要と言えるでしょう。その症状としては蕁麻疹や剥脱性皮膚炎がみられるほか、アトピー性皮膚炎や胃炎に消化管症状に異変が起きる事が報告されています。こうした事から、経口摂取による危険度はありますが、歯磨き粉などで用いるほか、歯科的処置で用いられる量であれば、妊婦や授乳中であっても安全に使用可能であるとされています。

「虫歯予防に重要な役割のフッ素と骨の関係性」のまとめ

フッ素は虫歯になりにくい派を作ると共に、骨密度を上げる効果があります。世界の国では、虫歯対策でこのフッ素を水道水に添加する国もありますが、日本ではその安全性から水道水には入れられていません。

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