昆布

昆布の胃腸環境を整える効果【その理由と正しい摂取方法】

昆布はダシや煮物など様々な料理に活用できる食材です。この昆布の消費量が非常に多い富山県は、日本全国の中でも昆布好きとして知られています。実は、富山県は胃痛や腹痛が少ない県としても有名です。この富山県民が愛する昆布、胃腸にとって優秀な効果を発揮することが分かっています。

昆布のアルギン酸が胃腸の粘膜を守る

昆布胃腸の働きを手助けしてくれると言われる理由は、昆布に含まれている豊富なアルギン酸のおかげです。元々、昆布を筆頭に、ひじきやワカメ、もずくといった海藻類にはたくさんのアルギン酸が含まれています。もっと分かりやすく言うと、昆布などを茹でた際に出るぬめり成分、これこそがアルギン酸の正体です。

アルギン酸は食物繊維の1種で、昆布が漂っている海中の塩とミネラルで形成され、ぬめり気のあるゼリーのような状態で昆布の細胞と細胞の間に存在しています。他の海藻類にも含まれているアルギン酸ですが、その中でも昆布には群を抜いて多量に含まれています。

昆布から抽出された良質なアルギン酸は、日本において食品添加物やサプリメントとしても利用されていますが、「胃腸の働きを整える食品」としても厚生労働省より認められています。

天然の食物繊維であるアルギン酸には、便秘を改善したり善玉菌が住みやすい腸内環境をつくり出す働きがあります。元々、人間の体内には100兆個以上もの腸内細菌が住んでおり、約100種類もの悪玉菌と善玉菌が勢力争いを繰り返しています。

善玉菌は健やかな胃腸を保つ為に必要な存在ですが、反対に、悪玉菌は腸内で有毒物質を発生させます。その為、善玉菌が活性している時は胃腸の健康状態も最良ですが、悪玉菌が活性している時は胃痛、腹痛、便秘、肌荒れといった様々な体調不良を引き起こします。

アルギン酸は、不規則な生活やストレスといった要因から腸内に溜まった老廃物を体外へ排出し、悪玉菌が住みにくく善玉菌が住みやすい腸内環境へと導きます。また、腸のぜん動運動を手助けする作用にも優れており、これによって腸内で固まっていた便もスムーズに排便されやすくなります。

便秘が改善されることで、胃痛や腹痛はもちろん、肌荒れなどの美容面にも良い効果が見られます。

どのような昆布製品を取り入れればいい?

おしゃぶり昆布

昆布天然の食物繊維が含まれる安全な食品です。その為、赤ちゃんが食べても安心だと言われています。実際、離乳食の中に「おしゃぶり昆布」を取り入れる方も多くいます。歯ごたえがあってずっと噛んでいられる「おしゃぶり昆布」は、まさに赤ちゃんの為の無添加のおやつです。

人間は噛むことがストレス発散にも繋がることが分かっているので、その意味でも「おしゃぶり昆布」はイライラからくる胃痛や腹痛、ストレス発散にピッタリの食べ物です。

また、昆布は低カロリーである為、ダイエット中の間食にも調度良く、便秘になりがちなダイエット期間も胃腸の働きを手助けしてくれます。昆布のカロリーは10gあたり約14キロカロリーだと言われているので、誰が食べても栄養満点で太りにくいというメリットだらけの食品です。

ただし、塩昆布などは塩分の過剰摂取になる可能性がある為、おやつとして取り入れるのはオススメできません。あくまで、塩分のない「おしゃぶり昆布」を取り入れるようにしましょう。

昆布茶

さらに、昆布茶も効果的に胃腸の働きを手助けしてくれます。アルギン酸が凝縮された昆布茶は、胃腸を整えるだけでなく、

  • コレステロール値の低下
  • がんの予防
  • がん細胞の抑制

など、非常に優れた効能を発揮します。昆布茶は古くから「健康茶」として親しまれてきましたが、その理由がよく分かります。

また、お茶と言えばカフェインをイメージする方も多いですが、昆布茶にはカフェインが含まれていません。その為、妊娠中の方や小さな子供でも気軽に口にすることができるのです。

昆布の過剰摂取による副作用。ヨウ素に注意

昆布には、アルギン酸の他にも有効な成分が豊富に含まれています。例えば、ヨウ素と言われるミネラルは人間の身体から不足すると、甲状腺ホルモンに異常をきたしてしまいます。とはいえ、このヨウ素は、過剰摂取しても甲状腺の機能を低下させてしまう原因になる為、非常にバランスが難しい成分だと言えます。

昆布は、海藻類の中でも飛びぬけて多量のヨウ素を含んでおり、昆布を食べすぎることでヨウ素の過剰摂取に陥るリスクが懸念されます。たとえば、同じ海藻類の海苔であれば100g当り1,400μgのヨウ素しか含まれていませんが、昆布には200,000μgも含まれています。それだけ、昆布には桁外れのヨウ素が含まれているのです。

しかしながら、和食文化である日本人は幼い頃から昆布ダシはもちろん、色々な形で食卓に昆布を取り入れてきました。その為、ヨウ素を過剰摂取した場合でも、本来は異常をきたしてしまう甲状腺を素通りし、尿として体外へ排出させる能力が備わっているのです。これは、昆布に慣れ親しんでいない海外の方には考えられない能力ですが、日本人にはある程度ヨウ素に対する耐性ができていると言えます。

ですが、だからといって毎日のように昆布をダシとしてではなく昆布をそのまま食べるといったことを続けてしまっては、甲状腺に障害が出ないとも限りません。そのまま食べる場合は摂り過ぎにならないよう週に2回程度に止めておきましょう。

また、昆布ダシばかりでは甲状腺が心配という方は、合わせダシで昆布のアルギン酸も摂取しつつヨウ素の摂取量を抑えるといった利用法も一考です。

1日における昆布の最適な量

では、昆布の1日当たりの摂取量はどれくらいなのでしょうか。ヨウ素の副作用も踏まえて考えると、

  • 「おしゃぶり昆布」であれば1日1~2g程度
  • 「酢昆布」なら1日3~5g程度
  • 昆布アメであれば1日30g

まで大丈夫です。

昆布茶であれば1日1杯程度が良いとされていますが、とろろ昆布や昆布チップなどはヨウ素を含む量が多い為、食べすぎに注意しましょう。

昆布の胃腸環境を整える効果【その理由と正しい摂取方法】のまとめ

昆布は、日本人の食卓に馴染みのある食品ながら、荒れた胃腸を癒してくれる健康食品でもあります。過剰摂取に注意して、昆布茶などを取り入れてみませんか。

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