ダシをとるのによく使われる、日本人にはなじみ深い昆布。その昆布には女性には特にうれしい美肌に役立つ成分が含まれています。今回は昆布のどんな成分が肌のきれいをサポートしてくれるのか紹介します。
ヨウ素で肌の新陳代謝をアップ
最近肌がかさかさする。その悩みの原因は空気が乾燥しているからというだけでなく、もしかしたら甲状腺ホルモンの不足からきている場合もあります。甲状腺は喉と器官の間にある蝶々のような形をした場所でホルモンを分泌する器官です。この甲状腺から分泌されたホルモンは、私たちの体を作る基本となる栄養素の炭水化物、脂質、たんぱく質が体内で変換されていくのを助け、細胞を育てていくのに役立つ成分です。細胞の入れ替わりが頻繁に行われるところでは特に必要になります。肌も細胞の入れ替わりが頻繁に行われる場所であると言えます。
肌の新陳代謝は平均すると29日で行われます。これは加齢やホルモンのバランスが崩れることで遅くなることがあります。アラフォー世代は45日かかるとも言われています。肌の代謝がスムーズに行われないと、くすみがなかなか抜けない、シミが消えないなどの肌の悩みを抱えていくことになります。水分を保つバランスも崩れてごわつくような肌になることもあります。肌にとって細胞の新陳代謝に役立つ甲状腺ホルモンは大切な存在ですが、それを構成しているのが昆布に含まれている成分のヨウ素です。このヨウ素は昆布だしにも含まれています。昆布からダシを取って、料理によく使う日本人にとっては不足の心配はあまりありません。逆に「過ぎたるは及ばざるが如し」というように、いくら肌にいいからと言っても摂りすぎると逆効果になるので注意が必要です。
アルギン酸とフコイダンで腸元気
昆布にはアルギン酸とフコイダンという成分も含まれています。アルギン酸は昆布などの海藻のヌメヌメ感を出している成分で食物繊維の一種です。腸の調子を良くする成分として知られています。腸の中で老廃物が溜まっていくと悪玉菌がどんどん増えていきます。悪玉菌は毒素を出すのでそれが全身をめぐると、肌の調子も悪くなってきます。食物繊維の一種であるアルギン酸は、害となる要素が腸から体に吸収されないように包み込んで排出させる作用があります。また腸が活発に動くように刺激してくれるので、便秘を解消するのにも役立ちます。また、コレステロールを包み込んで排出させる働きもあるので、過剰なコレステロールが血液をドロドロにしていくのを防ぐ働きを期待できます。血液のきれいさは肌のきれいさと比例していくので、肌のためにも良い働きをしてくれると言えます。フコイダンは昆布に含まれている成分として、なじみのある名前かもしれません。
フコイダンは昆布のネバネバを作り出している成分で水溶性の食物繊維です。ですからフコイダンもゲル状になって老廃物などを包み込んでいきます。また水溶性食物繊維なので腸内の善玉菌を増やしてくれる作用も期待できます。「肌は内臓を映す鏡」とよく言われるように、胃腸の状態も肌に影響を与えます。悩まされている吹き出物も化粧品のせいではなく、胃腸の環境が悪いことが原因になって出てくる場合があります。その場合はアルギン酸やフコイダンといった食物繊維が豊富に含まれている昆布が助けになってくれるかもしれません。
カルシウムとマグネシウムでストレス対策
人間関係や仕事などで、何かとストレスのかかる現代社会。そんなストレスはお肌にも悪影響を与えてしまいます。特に女性にとってはイライラしたり、ホルモンバランスの乱れを引き起こしたりすることで、肌のバリア機能も低下していき肌トラブルを抱えやすくなってしまいます。昆布には精神を安定させるのに役立つカルシウムとマグネシウムが含まれています。イライラにカルシウムが良いというのは聞いたことがあるかもしれません。しかし昆布にカルシウムが含まれているというイメージはあまりないかもしれません。
一般的にカルシウムといえば牛乳や小魚のイメージが強いかもしれません。しかし昆布にもカルシウムは負けず劣らず含まれていて、その量は牛乳の6倍ともいわれています。カルシウムには神経伝達をスムーズにし、イライラを抑え、自律神経を安定させる作用を期待できます。ただそのためにはカルシウムだけでなく、カルシウムと共同して働くマグネシウムも摂る必要があります。マグネシウムはストレスがかかると消費されていき、不足すると神経機能に支障がでてきます。ですから肌をボロボロにするイライラに対処するためにも、カルシウムとマグネシウムをセットでとる必要があります。昆布はそのどちらも含まれている優秀食材なのです。
肌に良い昆布の摂り方
昆布にはほかにもきれいな肌を作るビタミンB2なども含まれています。女性にとっては特にうれしい食材ですが、そんな昆布の摂り方はいろいろあります。最近では昆布と水を一緒にいれて、しばらく置いてから飲む昆布水なるものも注目されています。また普通にお味噌汁などのダシを取る方法や、佃煮やふりかけとして活用することもできます。またサプリメントの形で摂ることもできます。その際はヨウ素の摂りすぎにならないように注意してください。
「身近な食材昆布に含まれる美肌に役立つ成分とは」のまとめ
私たち日本人になじみのある昆布には肌をきれいに保つのに役立つ、ホルモンの材料のヨウ素や、腸から肌へと毒素が回るのを防ぐ食物繊維、ミネラルなどの成分が沢山含まれています。過剰摂取には注意しながら、肌の健康のためにこれからも昆布を摂り入れていきましょう。