ラブレ菌は、昔から京都で食されてきた伝統的な漬物であるすぐき漬けに由来する植物性の乳酸菌です。生きたまま腸内に届くというラブレ菌の特徴や効能、摂取の仕方などについて考えます。
ラブレ菌の特徴
ラブレ菌は、京都の漬物でお土産としても人気のあるすぐき漬けから発見された植物性の乳酸菌です。すぐき漬けは、かぶの一種であるすぐき菜を塩で漬けこんで作られる京都に昔から伝わる漬物です。ラブレ菌を発見した研究所の所長は、世界的な長寿の地域では古くから家庭で手作りされた伝統のヨーグルトという発酵食品を普段から摂取していたことに目を付け、京都の男性の長寿率が全国的に高いことから京都伝統の漬物について研究を始めたということです。ヨーグルトと乳酸菌の関係はよく知っていても、日本古来の漬物に由来する乳酸菌があることを知らない方は多いのではないでしょうか。
ラブレ菌は酸や塩分にとても強く過酷な環境のもとでも生存するとても生命力の強い乳酸菌であり、生きたまま腸に到達できるのが最大の特徴といえます。腸内に留まって乳酸菌を増殖させる働きがあることから悪玉菌を減少させて腸内環境を正常に整える効果があるといわれています。また、ラブレ菌には免疫力を高めて体内でインターフェロンの生成を促進することもわかっており、ウイルスやがん細胞を攻撃する細胞の活性化が促進されることも期待されています。
ラブレ菌と腸内環境
ラブレ菌は通常乳酸菌が胃に存在する酸によって死滅してしまうところを生き抜き、腸まで届くことができるため腸で乳酸をつくりだして腸内環境を整える働きが顕著であることが知られています。腸には100兆個以上の細菌が存在しており善玉菌とともに悪玉菌や日和見菌などがそれぞれに作用しています。通常はそのバランスを保つことで健康を維持していますが、体調を崩したり、疾病を抱えてしまったりすると腸内の悪玉菌が増殖してしまい大量の毒素を発生させてしまいます。この毒素が腸にダメージを与えることで、便秘や下痢、大腸がんなどの病気の原因となることが多いといわれています。
ラブレ菌はもともと人間の体内には存在していない乳酸菌ですが、腸内で乳酸をつくりだすだけでなくビフィズス菌をはじめとする善玉菌を増やしてくれる効果があり、人間の体にとってとてもよいものであることが明らかとなっています。酸化が体に悪いとされるため腸の中が酸性になるというと悪影響がありそうですが、実は腸は正常な状態が酸性であり悪玉菌が繁殖するほどにアルカリ性に傾きます。ラブレ菌は善玉菌を優位にして腸内を酸性に維持する働きもあります。
ラブレ菌の様々な効能
ラブレ菌は他の乳酸菌と同様に血中のコレステロール値を下げる働きがあります。体内にコレステロールや中性脂肪が蓄積されると血管の柔軟性を失い、血管が細く硬くなると同時に血栓ができやすくなることがよく知られています。これが動脈硬化と呼ばれる状態であり、この状態が長く続くと心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な病気を発症させるリスクが高まります。ラブレ菌の摂取により血液や血管を健康に保つ効果があるため、不規則な生活や喫煙などの動脈硬化の要因に心当たりがある方は積極的に摂取することをおすすめします。
腸内環境が乱れると便秘や下痢を起こしやすくなります。特に便秘は肌の調子と深い関係があり、便秘が長く続くことで老廃物や有毒物質などをうまく排出することができなくなることで吹き出物などの肌荒れが起こってしまいます。ラブレ菌の腸内環境を整える働きは、美肌作りにも大きく関係しているのです。また、体の免疫機能のバランスが崩れてしまうことによって起きるアレルギーですが、アレルギー体質の方のほとんどが腸内の悪玉菌が多いという事実もあるようです。このことからラブレ菌の働きによって免疫バランスの正常化も期待され、アレルギー症状の緩和にも効果があるといえるでしょう。
ラブレ菌の摂取について
植物性乳酸菌のなかでも突出した働きが認められているラブレ菌は発見元となった京都の漬物であるすぐき漬けに多く含まれています。したがってラブレ菌を効率的に摂取するにはすぐき漬けを食べるのが最も手っ取り早い方法となります。しかし、京都以外で購入するのはなかなか難しいこと、塩漬けの漬物なので塩分濃度が気になることなどもあり、毎日すぐき漬けを食べるのは現実的に無理があるかもしれません。そのような際には、ラブレ菌を配合したヨーグルトなどの加工品を摂取することをおすすめします。人体には存在しない乳酸菌であり、できれば毎日摂取したほうがよいためヨーグルトなどで手軽に摂取できるのは魅力です。
ラブレ菌の効果を実感できるまでの期間は人によって違いがあります。翌日にすぐに便通がある方もいれば効果がでるまでに1週間ほどかかる方もいるでしょう。とにかく毎日少しずつでも便通が改善されていればラブリ菌の効果があったということなので初めて摂取する際にはすぐにあきらめずに継続して摂取することが大切です。最近では、ラブリ菌を生きたま腸に届けることができるサプリも開発されているので手軽にカプセルを飲んでラブリ菌を摂取することも可能になっています。
「京都の伝統的な漬物から発見されたラブレ菌の特徴や効能などについて」のまとめ
すぐき漬けから発見されたラブレ菌は、胃酸の影響を受けることなく生きたまま腸に到達して善玉菌を増殖させるとともに悪玉菌を減らす効果がある腸内環境を整えるのにはとても魅力的な乳酸菌です。
