アミノ酸は筋肉や骨をつくったり筋肉を維持するのに必要なタンパク質を構成する栄養素です。いわば、タンパク質はアミノ酸の集合体ともいえるのです。そのため「効率的に筋肉をつける」「筋肉を維持する」ためにはアミノ酸を摂取することが必要になるのです。そのようなアミノ酸のなかには、必須アミノ酸EAAといって体内で作ることができないアミノ酸があります。必須アミノ酸であるEAAのうち「ロイシン・バリン・イソロイシン」はBCAAと呼ばれており、サプリメントなどでも注目されています。EAAとBCAAの違いを知っておきましょう。
EAAにBCAAは含まれる。どちらも必須アミノ酸
身体の筋肉を構成する栄養素といえばタンパク質ですね。そのタンパク質を構成しているのがアミノ酸で、アミノ酸は全部で20種類あります。そのなかでも体内で合成することができない9種類のアミノ酸を必須アミノ酸EAAといいます。
必須アミノ酸EAAは”Essential Amino Acids”の略で、
- トリプトファン
- リジン
- メチオニン
- フェニルアラニン
- トレオニン
- バリン
- ロイシン
- イソロイシン
の9種類の総称です。他のアミノ酸(非必須アミノ酸)は体内で合成されますが、必須アミノ酸は体内で合成されないため食品やサプリメントなど外部から摂取することが必要になります。
EAAについてはこちら⇒EAAの効能と効果
そして必須アミノ酸であるEAAの中の
- バリン
- ロイシン
- イソロイシン
の3つをBCAAといいます。BCAAとは分岐鎖アミノ酸”Branched Chain Amino Acid”の略であり、フリーフォーム、いわゆるバラバラなかたちで構成されているアミノ酸です。
EAAとBCAAの働き。筋力への効果は?
必須アミノ酸のEAAを摂取することによってタンパク質の合成が促進されます。そのため、筋肉量が増加したり、筋肉のコンディションを調整しやすくなるのです。
加齢によりタンパク質は徐々に減少していきます。そのため、筋肉をつけたり筋肉量を維持するためには、タンパク質を分解することで作り出されるアミノ酸を摂取することが必要です。そして、タンパク質ではなく最初からアミノ酸として摂取したほうが吸収もよくなります。
特に、必須アミノ酸EAAの働きに筋肉を作り出すことがあるので、EAAは筋力トレーニングをする前や筋力トレーニングの最中に摂取するとより効果的に新たな筋肉を作り出すことが可能になります。このようにEAAは肉体の維持に有効に働くのです。
一方で、
- バリン
- ロイシン
- イソロイシン
の3つのアミノ酸をBCAAといいます。9種類ある必須アミノ酸にはそれぞれ人体に有効な働きがありますが、このBCAAは特に筋肉をサポートする働きがあります。
そのなかのバリンには、
- 筋肉の成長促進
- 血液中の窒素バランスの調整
- 肝機能の向上
という働きがあります。
そして、ロイシンには
- 筋肉の維持
- タンパク質の分解と再合成
- 筋肉グリコーゲンの合成
- 酵素の活性の促進
という働きがあります。必須アミノ酸のなかでもBCAAは、特に、
- 筋肉の維持
- タンパク質の分解・再合成
に大きな役割を果たし、疲労回復に大きく関わるのです。
EAAとBCAAの摂取。筋トレの前?後?
EAAとBCAAはどちらも筋肉の生成維持に欠かせないアミノ酸です。しかし
EAAが筋肉を新しく作り出すことを助けてくれる
のに対し
BCAAは筋肉の維持や疲労回復に貢献する
など、働きに大きな違いがあります。
この働きの違いから、筋トレの場面では
EAAはトレーニングの前やトレーニングの最中に摂取
することが良いのに対し、
BCAAはトレーニングの後に摂取
することがより効果的と言えます。
EAAのなかにBCAAが含まれているのだから一緒に摂取すればいい
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、EAAに含まれているBCAAの量はとても少なく、吸収される時間にも違いがあります。
BCAAが筋肉に働くのは摂取してから30分後、血中濃度が上がってきてからです。そのため、緩やかに効果があるということです。逆にEAAは短時間で効果を表します。
そのため、サプリメントとして摂取するなら、EAAとBCAAを別々に摂取したほうがよい効果が現れます。このようなところに、EAAとBCAAの違いがありますので、摂取するならばそれぞれ別々に考えたほうが良いのです。
最近ではサプリメントにもEAAとBCAA、それぞれ別になった商品もあるので、トレーニングの前や後と使い分けるのにも便利です。
タンパク質の分解・再合成の働きを持つアミノ酸が含まれているので、プロテインなどと一緒に摂取するのもおすすめです。
アミノ酸EAAとBCAAの違い【どちらも筋肉増強に必要】のまとめ
EAAは必須アミノ酸の総称で、そのなかでもバリン、ロイシン、イソロイシンの3つのアミノ酸のことをBCAAといいます。EAAは筋肉を作り出すことに効果がありますし、BCAAは、筋肉の疲労回復に効果があります。ですので、筋力トレーニングを行う前やトレーニングの最中にEAAを摂取し、筋力トレーニングを行った後にBCAAを摂取することが、筋力強化のためには望ましいです。