最近では男女ともに美しい体を作る際に、ただ痩せるのではなく筋肉を身につけることを考えるようになっています。そこで、ここでは筋肉を身につける時に欠かせないナトリウムについて紹介をしていきます。
ナトリウムの役割
ナトリウムというのは食塩に多く含まれている無機質です。食塩自体は摂取をしても体内で直接のエネルギーとはなりません。しかし、体内を循環している体液の中に食塩に含まれるナトリウムイオンと塩素イオンが溶けており、これらは他のものには置き換えられない重要な仕事をしています。
ナトリウムは血しょうと細胞外液中にある主要なミネラルとなっています。神経や筋肉の働きを整えたり、食物の消化でもタンパク質を溶かしたりアミラーゼを活発にしたりする働きをしています。塩分の摂りすぎは悪いとして食塩の摂取を控える人もいますが、控えすぎるとこれらの働きが悪くなります。体内にナトリウム不足が起こると筋肉のけいれんを起こしたり、血圧が下がりすぎてしまったり、場合には倒れてしまったりすることもあります。
ナトリウムと筋肉の関係
ナトリウムは体の中で筋肉やたんぱく質とも関わりがあります。筋肉をつけるとなると、多くの人は鶏肉や大豆といったたんぱく質を多く摂取する食事を連想するものです。しかし、たんぱく質だけを摂取すれば良いわけではなく、たんぱく質を中心としてバランスよく栄養を摂取することが必要です。そして、その摂取が必要な栄養素の中の一つにナトリウムのあるのです。
私たちの血液の中にはナトリウムが一定量必要であり、体の中ではナトリウムの過不足によって水分量を調整して体内の浸透圧を調整しています。塩分の摂りすぎで体がむくむのはこれが原因であり、体内にある塩分の濃度を抑えるために水分が必要であるために体内に水分を蓄えることでむくみが起こるのです。
ナトリウムがこの浸透圧の調整をする際には筋肉細胞の外にあるナトリウムが細胞の中へと移動をしています。脳からナトリウムの移動を促されると筋肉細胞は緊張して筋肉が収縮をします。逆に、ナトリウムを放出させる際には筋肉が弛緩します。そのため、筋肉を動かすために用いられているのです。
なぜボディビルダーやアスリートはナトリウム摂取量の制限がされるのか
このような筋肉を動かすために必要であるはずのナトリウムなのに、ボディビルダーやアスリートは徹底した栄養管理を行いその際に塩分量の調整をするようにします。ここで勘違いされるのが、塩分が体に悪いから摂取を控えると言うことです。先に述べた通りにナトリウムが体に不足をすると悪影響が起こりますから摂取が必要なものです。もちろん過剰摂取は良くないですが摂取をすることで得られる効果はあるので適量の摂取は体に悪いことではないのです。
では、それなのになぜナトリウムの摂取量を控える必要があるのでしょうか。これは、アスリートやボディビルダーだからこその問題なのです。私たちがダイエットの際に筋肉をつけようと考えた場合には特に塩分の調整は必要ないとされています。人並みの摂取であれば十分問題ないとされています。しかし、アスリートやボディビルダーが行うトレーニングというのは私たちの筋肉トレーニングとは異なるフィールドのものであるためにこのような細かな塩分調整の必要が出てくるのです。
先に述べた通り、私たちの体内には塩分を摂取しすぎると体内の水分量を増やして浸透圧の維持をしようとする性質があります。そうすると体がむくみを起こします。ボディビルダーの場合には筋肉の美しさを競うために、私たちでは特に気にならないようなむくみでも見た目に影響が出るとして塩分の摂取量を調整するのです。
また、アスリートも自分のコンディションや体の動きというのは私たちとは比べ物にならないレベルの細かな調整を行なっています。そのため、少しでもむくんで体が重たくなるといつもと同じパフォーマンスができないことがあるのです。そのために常に同じ体の状態を維持するためにも塩分調整をして体内の水分のレベルまでの調整を行なっているのです。
しなやかな筋肉を身につけるには
そのため、私たちの生活ではアスリートやボディビルダーのように細かな塩分調整をする必要はありません。しかし、やはり細マッチョと呼ばれる細くしなやかな筋肉を身につけるためにはむくみは大敵です。そこで少し塩分量の調整をしておくことが望ましいと言えます。
塩分は控えているのにむくみやすいという人は他のものからナトリウムを摂取していることも考えられます。特に無意識のうちに摂取しているのが亜硝酸ナトリウムです。亜硝酸ナトリウムは食物の発色剤として用いられているものです。ハムやベーコンといった加工肉や明太子の色素調整に用いられることが多いので、これらを摂取することでもナトリウムの調整ができます。
「しなやかで美しい筋肉を身につけるために大事なナトリウム」のまとめ
筋肉をつけるのにナトリウムの制限の必要はないですが、ダイエット効果を得るためやむくみ防止のためにはナトリウム量の調整が必要です。