インドでは約二千年も前から民間薬として親しまれてきたギムネマ。「ダイエットによさそう」というイメージをもっている方もおられるかもしれません。では具体的にはギムネマを摂取すると体に対してどんな働きをするのか、どんな効能を期待できるのかについてご紹介します。
食べすぎを防ぐ助けになる
デスクワークや家事の合間に、口寂しさからついつい甘いお菓子や飲み物に手を伸ばしてしまい、食べ過ぎてしまうという方もおられるのではないでしょうか。
人間の舌には酸っぱさやしょっぱさ、苦いや甘いといった味を感じる機能がありますが、ギムネマに含まれるグルクロン酸という物質が舌の甘味を感じる部分に働きかけ、一時的に甘さを感じさせなくするという作用があります。ギムネマには「グルマール」という別名があり、これはインドの方の言葉で「砂糖をこわすもの」という意味があるようです。ギムネマの効能を知るとそう呼ばれる所以も納得です。口の中に広がる甘さが魅力のお菓子などからその甘さを感じられなくなると、続けて食べようという気にはあまりならないものです。甘いお菓子などを食べだしたらとまらなくなるのが心配だという場合は、食べる前にギムネマを摂取されるといいかもしれません。
血糖値の上昇を抑える
健康維持のためには血糖値も気になる項目の一つだと思います。血糖値とは血液にブドウ糖がどれくらい含まれているのかということを数値で表したものです。本来ブドウ糖は私たちが活動するエネルギー源となるので良いものなのですが、もし血液中に含まれているブドウ糖があまりにも多い状態が長く続くと血管が傷ついてしまい、結果健康に悪影響を及ぼしてしまいます。そこで役立つ働きをしてくれるのが、ギムネマに含まれているギムネマ酸という成分です。
私たちの体は食物を食べた後消化吸収を行います。小腸にはブドウ糖を吸収するレセプターがあり、そこに吸収されたブドウ糖は毛細血管へと運ばれていきます。ギムネマ酸はそのレセプターをふさぐ働きをします。それにより、ブドウ糖を過剰に毛細血管へ入らせないという効能があるのです。
年末年始、ケーキやお酒やお餅など、ちょっと炭水化物や糖質の多いものをとり過ぎて血糖値が気になるという場合は、食事の前にギムネマを取り入れることでその作用を期待できます。
その他にも期待できる効能
ほかにもギムネマの効能として便秘解消があげられます。便秘になると、口臭がきつくなったり、肌があれたりと、特に女性にとっては悩みの種となりえます。そんな便秘を解消するのに役立つといえば、腸内のお掃除の役目も果たす食物繊維もその一つですが、ギムネマ酸がレセプターをふさぐことによって、そこに入れなくなったブドウ糖が食物繊維のような働きをするようになるのです。
また虫歯を予防する働きをもつとも言われています。虫歯は虫歯菌が糖からグルカンという物質を作り、それが食べかすなどから歯垢を作ることが原因となります。ギムネマにはそのグルカンの合成を抑制するという働きもあります。
加えて、ギムネマ酸の糖分を吸収しにくくさせて体外へ排出させるという特性から、糖が中性脂肪となるのを防ぎ、肥満を予防する効果も期待されています。現在は血中のコレステロールを下げる働きもあるのではないかと研究されている、なんとも奥が深い植物です。
摂取量や副作用など注意すること
体にうれしい効能のあるギムネマ。サプリメントやお茶や粉末状のものなど、さまざまな形態で販売されています。
手軽に手に入りますが、気になるのが摂取量や副作用など。摂取量などそれほど厳しく定められてはいませんが、ある研究によると、400mgを一年間毎日摂取したことにより、血糖値が下がったというデータもあるようです。もちろん、用法や摂取量がパッケージ等に記載されているならば、それにしたがって摂取する必要があります。中にはギムネマを摂取して、お腹が張ったり、おならが出やすくなったというケースもあるようですが、一ヶ月ほどすれば収まるようです。
注意する点として、ギムネマには糖の吸収を抑えるだけでなく、鉄分の吸収も抑える成分も含まれています。したがって、鉄分を必要とされている方や妊婦さん、授乳中の方は摂取には気をつける必要があります。また血糖値を下げるお薬を飲んでおられる方や何らかの薬などを服用されている方は特に、ギムネマを摂取する前に医師に相談してください。
「ギムネマの体にうれしい働きとその効能とは」のまとめ
ギムネマの成分には、甘味を感じないようにさせる働きや、糖の吸収を抑えてくれる働きがあるので用い方次第で、ダイエットや健康維持に良い効能を発揮してくれます。ギムネマのお茶の苦味などが苦手という方でも、ギムネマの成分が入ったサプリメントを摂取することができます。食事の30分前くらいに摂取するのが良いです。副作用などに注意しつつ美容と健康のためにギムネマを取り入れていきましょう。