健康食品コーナーでも、最近よく見かけるカプサイシンですが、いったいどんな成分で、どんな働きがあるのか、またどのような効能があるのかを、しっかり把握しておかなければ、かえって体調をくずす事にもなりかねません。
カプサイシンとはいったい何?
カプサイシンはアルカロイドのうち、カプサイシノイドと呼ばれる化合物のひとつで、主に唐辛子に含まれている物質で強烈な辛みを伴うのがその特徴と言えるでしょう。性質は疎水性で、水などには溶けにくい物質ですが、油との相性が良く脂溶性を見せるために、アルコールなどにも非常に溶けやすい性質を持っています。刺激性が高い物質としても知られており、なめると激しい辛みと同時に、実際に高熱を発したかのような、激しい灼熱感を引き起こすのがこのカプサイシンの特徴ですが、服用する事でも実際に体温が上がり、酷くなれば汗も噴き出してきます。この働きは、この物質の成分が脳に運ばれて内臓感覚神経に働きかける為に、副腎のアドレナリンの分泌を活発にさせる事で、発汗作用や強心作用を生み出すもので、同じ辛さでも和からしやマスタード、またはワサビなどの辛さとは別物なのです。生き物の受容体で反応する為に、皮膚に付いても刺激を受ける事になり、痛覚神経を刺激し痛みを生じさせたり、発熱作用をもたらす事でも知られています。
カプサイシンの働きとその効能
カプサイシンは唐辛子の主成分となるもので、そのおよそ90%が辛みの働きを持っています。この辛みの特徴は効能ともなっているもので、食べると舌を刺激し食欲を増進させる効能や働きが、全世界に広まった理由とも言えるでしょう。また食べる事で得られる効能は大きく、中枢神経を刺激しますので、この中枢神経から得られるホルモンの分泌により、エネルギー代謝が高まり体内での脂肪を分解させる働きもあるのです。吸収が非常に速いという特性があり、効果が直ぐに現れるのもその特徴で、一定の量を食べると体内の活性化によって代謝が早まり、体に熱を帯びる事で発汗作用を促してくれます。この状態はちょうどスポーツなどを行っている状態と同じで、体内に蓄積されている脂肪をエネルギーに変えて、体内で燃やしている状況がと言うわけなのです。同時に疲労物質も燃やしてくれる効果がありますので、疲労回復にも役立っています。また、防虫効果や殺菌効果があることも昔から知られ、米びつに入れたり漬物などにも良く利用されています。発熱作用もあり、冬山では欠かせないもののひとつでもありました。
カプサイシンの入った食品
カプサイシンは唐辛子の主成分で、香辛料としても優秀なこともあり世界に広まってきましたが、海外と日本ではその利用法は少し違っているようです。例えば海外では煮込み料理や炒め物、ピクルスなどに使う程度で、調味料として使うタバスコがある位で、日本での唐辛子の使われ方は少し違っているようです。和食には酢の物や漬物に利用する程度で、ほとんど唐辛子を使ったあまり料理が見られませんが、家庭料理では結構使われている食材と言えるでしょう。一味唐辛子を始め七味唐辛子は、世界に誇る調味料と言えるほどで、七味唐辛子には麻や陳皮のほか、芥子の実や白胡麻、黒ゴマに山椒や青海苔、紫蘇、海苔、生姜、菜種といったものが混ぜられており、七味を店先で調合してくれるお店も存在します。日本には江戸時代からこの七味唐辛子が売られており、七味売りの口上は大道芸にもされていたほどで、現在でも東京の一部のお店でこの口上を聞く事ができます。殺菌力が高い事から、日持ちが必要な食品にも使われる事が多く、酢漬けを始めとする漬物にも欠かせないものとなっています。
カプサイシンを使った食品レシピ
日本の家庭では、中華料理のように唐辛子を使った料理はさほどなく、アクセントや調味料としての使い方がほとんどです。七味や一味は日本の家庭であればどの家庭でもあり、うどんなどの麺類を始め、漬物やみそ汁、餃子や焼き魚に掛けたりと、自分の好みで辛さを調整できるの良いところです。中には強者も居て、カレーや御飯に振りかけるものもおり、マイ唐辛子を持参して外食でも利用する人がいるほどです。一味唐辛子は唐辛子の粉末ですので一番辛く、量を間違うと大変な事になりますが、七味は他の材料を使っている手前、さほど辛みが無いのがその特徴です。また若い唐辛子は香りが良く、みそ汁に入れるととても美味しいのですが、これを年中食べられるようにしたものが、柚子胡椒と言われるものです。九州の大分特産のもので、中身は青ゆずと青唐辛子、そして塩を使います。冬場に熟成した黄色い柚子を使う事もありますが、それぞれ香りと風味が違っており、両方を使い分けると言った利用方法をする場合もあります。また、日本料理では赤唐辛子と大根をおろしたものを混ぜた、もみじ卸がありフグ料理やちり鍋には欠かせないものとなっています。
「カプサイシン働きとその効能を探求してみる 」のまとめ
唐辛子の辛さは、個人によって耐性があり、特にお子さんのように年齢の低い方の多くが、苦手にしているものです。しかし、この辛さは病みつきになるもので、一旦はまるとなかなか辞められないものです。