キチンキトサン
はじめに
今回はキチンキトサンと言う成分について紹介致します。キチンキトサンとはカニの甲羅やエビの殻に存在する多糖類の一種です。しかし、サプリメント等に興味のある人でなければ、キチンキトサンとはあまりなじみのない成分だと思います。キチンキトサンとはいったいどのようなものでしょうか?
キチンキトサンとはどの様な成分なのか?
キチンキトサンとはカニの甲羅やエビの殻に存在する多糖類の一種です。甲殻類の他に、昆虫の外皮やキノコの細胞壁などにも含まれています。これらの生物によって年間約1千億トンものキチンキトサンが地球上でつくられています。それは、地球の自然環境や、動物、植物などの生態系を保つ上で欠かせない成分です。キチンキトサンとはキチンとキトサンと言う成分が合わさったモノです。キチンは、甲殻類の殻からたんぱく質やカルシウムなどの成分を取り除いて精製されます。キチンを加熱した濃いアルカリ溶液に浸して、化学処理を施すことによってキトサンへと変化します。この処理の工程で、キチンとキトサンが混じり合った状態になります。その為、この混合物は2つの物質名は合わせてキチンキトサンと呼ばれています。キチンは水や酸に溶けない性質を持っていますが、キトサンに変化すると、水には溶けないままで、酢や胃酸には溶ける性質を持つようになります。その為、吸収が容易になるという特質があります。
キチンキトサンの副作用
キチンキトサンは過剰摂取すると下痢、便秘などの副作用があります。これは、キチンキトサンが食物繊維の一種、動物性食物繊維の一種であるため、過剰に摂取すると腸に負担がかかってしまうからです。これは植物性食物繊維と同じ原理で、便秘を治そうと生野菜を大量に食べると下痢になってしまうことと同じです。食物繊維は腸の状態を改善させますが、あまり大量に摂ってはいけません。また食物繊維は一緒に水分を摂取しないでいると、腸の中で留まり上手く排出されなくなってしまう為に注意が必要です。この様に腸に留まった場合には、便秘を改善するどころか、便秘の原因になってしまいます。
特に油分の多い食べ物を摂取した際に、下痢や便秘の原因になりやすく、キチンキトサンの副作用が出やすくなってしまいます。これを回避するためには、コップ1杯の水を飲んで適切に便が排出されるようにしなくてはいけません。
又、病気にかかっている時、胃腸の調子が悪い時も腸への負荷がかかりやすい為に、チキンキトサンの摂取は控えた方が良いでしょう。更に、ワーファリンという医薬品を一緒に飲むと、キチンキトサンの副作用が起こりやすくなります。ワーファリンとは血液を凝固させにくくする医薬品で、同時に摂取すると効果を強めてしまい、血が止まりにくくなってしまいます。
他にはカニやエビの食物アレルギーがある場合、強いアレルギー反応が懸念されます。それ故、アレルギーがある人は、摂取しない方が安全です。
キチンキトサンの効果は?
キチンキトサンの効果を以下に纏めました。一部は既に触れましたが、大きく5つの効果があります。
- コレステロール値を下げる
コレステロールは、肝臓で生成される胆汁酸の原料です。胆汁酸は脂肪を吸収しやすくする働きを担っており、通常は小腸の一部で回収され、肝臓に戻って再利用されます。しかし、プラスの電気を帯びているキトサンは、小腸でマイナスの電気を帯びている胆汁酸と結合し、そのまま体外へと排出されます。このため肝臓は新たな胆汁酸を生成しなければならず、その材料として血液中のコレステロールを用います。結果として、血中コレステロールの減少につながります。
- 血圧の上昇を抑える
高血圧の原因の1つは、塩分摂取過多の食事により血液中の塩分濃度が上がってしまうためです。塩分濃度が上昇すると、体は濃度を下げるために血液中に水分を取り込もうとします。その結果、血圧が高くなります。キトサンは、体内に摂り入れられた余分な塩分を吸着し、便として体外へ排出する作用を持っています。この働きにより血液中の塩分濃度は一定に保たれ、血圧の上昇を防ぎます。
- デトックス効果
キトサンが吸着してくれるのは、塩分だけではなく、プリン体やコレステロールなどの体に悪影響を及ぼすもの、人体に有害な食品添加物や重金属といった様々な毒素も同様に吸着し、体外への排出へと導いてくれます。
- 免疫機能を高める
人体を病原菌や異物から守る働きをする免疫細胞の1つに、マクロファージというものがあります。プラスの電気を帯びたキトサンは、体内に摂り入れられると、マイナスの電気を帯びた重金属やウィルス、発がん性物質などと結びつきます。マクロファージはこの有害物質と結合したキトサンを異物であると認識し、免疫細胞を増やして活動を活発化します。その結果、体の免疫力が向上し、病原菌に対する抵抗力や自然治癒力が高まることにつながります。
- がん抑制効果
免疫細胞の1つであるNK細胞やT細胞は、がん細胞を攻撃して消滅させる働きを持っています。これらの免疫細胞は弱アルカリ性の状態で活発に働きますが、がん細胞の周りは酸性に傾きやすく、NK細胞やT細胞の効果が十分に発揮されません。キトサンは、継続的に摂取することでデトックス作用から腸内環境を整え、腸内をアルカリ性に変化させることができます。これによりNK細胞やT細胞が活発に働ける環境が生まれるため、がんの抑制に効果があると言われています。
キチンキトサンの接種方法は?
キチンキトサンは、甲殻類の殻、キノコの細胞壁、チーズに含まれています。キトサンを食事から摂取する場合は、桜エビや沢ガニなど殻まで食べられる種類の甲殻類を食べるか、エビを殻ごと食べられるように丸揚げして食べる必要があります。キノコに含まれるキトサンはごく微量であり、きのこから摂取することは難しいと言えます。チーズでは、特にカマンベールチーズなどの菌類に覆われた種類に多く含まれますが、日本では一般的ではありません。キチンキトサンは食事から摂取する方法は、摂れる食材や調理法が限られてくるため、あまり現実的ではありません。サプリメントでの摂取が好ましいでしょう。
サプリの選び方
上記で上げた様な様々な食品を積極的に取っていくことが好ましいですが、キチンキトサンは食事だけでとっていくことは難しいので、サプリメントを利用することが好ましいと思います。キチンキトサンのサプリは含有量や価格に幅があり、どれを選んでいいのか分からない方も多いと思います。そこでキチンキトサンサプリの選び方を紹介します。主には以下の4つの観点が重要です。
- 高分子量と低分子量のキチンキトサンが含まれていること
分子量が10万〜100万以上である高分子キトサンは、食物繊維の効果として脂質や毒素の排出やコレステロール値の低下に効果があると言われています。また、分子量が10万に満たない低分子キトサンは、腸内細菌が持つキトサンの分解酵素によって腸管吸収によりキトサンを体内に取り込み、免疫系に作用すると言われています。効果によって選び分けても良いですが、両方のキトサンを含むサプリメントを選ぶことで、効率よくキトサンの効果を得ることができます。
- キチンキトサンの含有量
サプリで重要な点はその含有量です。あくまでキチンキトサンが何g含まれているかを確認しましょう。1日あたりの目安量は2g程度です。
- キチンキトサン以外の有効成分
キチンキトサンは水分を保持する作用が強く、水分が不足すると便秘につながります。その為、一緒に水分を摂ると良いといわれています。更に、脂溶性のビタミン類であるビタミンE・ビタミンA・ビタミンD・ビタミンKの吸収を妨げるため、キチンキトサンを摂取する際には、合わせて脂溶性ビタミンや必須脂肪酸を補う必要があります。こういった成分が配合されているものを選びましょう。
- 1日あたりの価格
サプリを選ぶ大事なポイントとして継続して飲み続けられることが重要です。サプリメントは薬と違って、飲み続けることで徐々に効果を実感できます。最低でも3ヶ月は続けるとしたら、”続けやすい価格”であることが重要です。目安として1日40円以下が望ましいでしょう。
「キチンキトサンについて」のまとめ
キチンキトサンとはカニの甲羅やエビの殻に存在する多糖類の一種です。効果としてコレステロール値を下げる、血圧の上昇を抑える、デトックス効果、免疫機能を高める、がん抑制効果が期待できます。食事での摂取では限界があるので、サプリメントを利用することが好ましいでしょう。