ナトリウム

[監修済] ナトリウムの摂り過ぎの弊害はこうして起きる

一般的に栄養素というものは、少なすぎても摂り過ぎても、結果はあまり良くないものです。最近はナトリウムの摂り過ぎが指摘されており、大きな健康被害をもたらす事も、次第に明らかにされています。

ナトリウムとは

ナトリウムは、毒物として劇物取締法により劇物に指定されているもので、単体固形物は銀色をした金属なのです。医薬学や栄養学などの分野では、この物質を「ソジウム」と呼んでおり、工業分野では化合物に添加されるもので、「ソーダ」と呼ばれて石鹸や洗剤の助剤として利用されています。単独では非常に高い反応性を示す金属で、酸や塩基に侵されるほか水と激しく反応するという性質を持っています。大気中でも酸化しやすく、保存するには灯油などに漬けこむ事で酸化を防ぐという手法で保管します。

熱伝導率がとても良いという特性があり、高温でも液体で存在する為、単体としては原子力発電所の高速増殖炉の冷却材として用いられているほか、車など熱伝導を向上させる用途に使われ、電池に利用されるなど工業製品では大活躍を見せています。人間の体内においては「ナトリウムイオン」として活躍しており、体液の浸透圧維持には欠かす事に出来ない必須ミネラルとして、大事な栄養素のひとつになっています。その働きは、神経伝達速やかに行い筋肉の収縮を制御する働きがあります。

ナトリウムの効能と塩

ナトリウムは、人間が必要とするミネラルの中でも、特に重要な必須ミネラルで、不足すると生命維持にも支障が出て来るほど大事な栄養素です。健康体では、必要な栄養分を摂る事で、一般的に不足する事はありませんが、腎機能に障害が起こると多くの弊害がもたらされる事になります。滅多に不足する成分ではありませんが、酷暑の時期に外出して大量に汗をかいた時や、病気による激しい嘔吐が続くなどした場合や、同じく下痢による脱水症状などによって、ナトリウムが大量に対外へと出てしまった場合には、不足する危険性が増します。

栄養素としてのナトリウムと塩を同一して、混同されている方がいますが、全くの別物です。塩の中の成分のひとつとして、含まれているのがナトリウムであって、ナトリウムイコール塩ではありませんので、栄養価表などを見る場合には気を付けなければなりません。塩分摂取量はその昔男性で10g、女性で8g程度とされていましたが、2016年現在では男性で8g未満、女性で7g未満とされています。これは昔よりも、汗をかかなくなったせいでもあるでしょう。

ナトリウムの摂り過ぎの悪影響

ナトリウムの摂り過ぎは、いったい人体にどのような影響を及ぼすのでしょう。実は摂り過ぎると、ナトリウム過剰症という病気に罹る事が懸念されています。この過剰症は、食生活の問題が良く指摘されており、生活習慣内で起こる習慣病の中に含まれるものです。症状は、塩分に多く含まれていますので、高血圧になり易いという事が言えます。高血圧になりたての頃は、症状が直ぐに元に戻るという特徴もあり、本人が気づかないまま症状が悪化する危険性があります。また肥満との寒冷性も指摘されており、運動不足も高血圧を招く原因とされているのです。

ナトリウムの摂取のし過ぎと併用して、野菜の摂取量が少ない場合、胃ガンや鼻咽喉ガンのリスク増大が指摘されています。特に塩漬けや酢漬け、燻製などには塩分が多く、その発がん性が指摘されているのです。また、ナトリウムの摂り過ぎは細胞浮腫を招き、手足などのむくみが起こりやすくなることが多く、水分の不足もこうした事態を招く恐れがあります。高ナトリウム血症もそのひとつで、体内の水分量が減って、ナトリウム濃度が高くなる事でその危険性が増すのです。

ナトリウムを多く含む食品

意外と気を付けなければならないのは、酢を使った料理です。野菜の酢漬けはあまり塩分を使いませんが、種類によっては塩分の多いものがあります。酢は蛋白質を固めるという効果もあり、塩味を目立たせなくする作用もあるのです。日本料理を召し上がるとき、お刺身やてんぷら、ざるそばなどに直接塩を付けて食べる事がありますが、これも危険と言えるでしょう。これは味噌も同様の事が言えます。ただし、味付けは料理の満足度に比例していますので、家庭で病院食の様な味付けは、かえってマイナス効果を生み出す事になります。

野菜の栄養素には、ナトリウム排出能力の高いカリウムなどが含まれていますので、こうした食事を同時に摂る事で危険度を低くしてくれます。ナトリウムを多く含む食品は、保存食と呼ばれるものが多いのが特徴です。梅干しを始め塩辛やつくだ煮などには特に多く含まれており、オイスターなどの濃縮調味料も多く含みますが、基本的に薄めて使うものなので問題ありません。そのまま直接口に入るものが危険で、生ハムや明太子、漬物類などには注意しなければならないでしょう。

「ナトリウムの摂り過ぎの弊害はこうして起きる 」のまとめ

ナトリウムの摂り過ぎは、生活習慣病を呼び込むばかりでなく、内臓に甚大な損傷を及ぼす事もあります。これを予防する為には、カリウムを多く含む野菜を多くとり、水分補給を小まめに行う事が重要なのです。

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