マンガン

[監修済] 健康な生活に必要なマンガンを多く含む食品や効率的な摂り方について

マンガンは人間が健康な生活を送るうえで必要不可欠なミネラルのひとつです。微量な摂取で十分ですが、マンガンが含まれている食品は効果的な摂り方にどのようなものがあるのか考えます。

バランスのとれた食生活でマンガンを摂取

人間の体内にはマンガンは12~20㎎程度しか存在していない微量ミネラルといえます。また、その25%は骨に、その他には肝臓、すい臓や腎臓、毛髪などに多く含まれています。マンガンを摂取すると胃液によってマンガンイオンに変えられいったん小腸で奇襲されます。その後は肝臓へと運ばれ、その大部分は胆液や膵液として消化管へ排出されます。摂取量と排出量がほぼ同じであることから通常の生活を送っていればマンガンが欠乏したり過剰になったりすることはないでしょう。しかしこれはあくまでもバランスのよい食習慣がある場合の話です。

普段の生活でビタミン不足や鉄分不足には敏感であってもマンガン不足を気にする方はあまりいないでしょう。確かに普通の食生活を送っていればそれほど不足や欠乏を気にする必要はありませんが極端に偏った食生活が続くと高血糖や糖尿病などの血糖異常、骨格異常や骨粗鬆症、皮膚や髪の毛の不調などといって症状が引き起こされてしまう可能性もあります。マンガンは様々な食品に含まれている栄養素であり、比較的摂取しやすいのでバランスのよい食事を心がけることが大切です。

マンガンの摂取は単純ではない

マンガンは動植物に必要不可欠なミネラル成分であるため、人間が摂取するあらゆる食品に含まれているといえます。大変微量なミネラルであるとともに吸収された後にすぐ消化管へ排出されてしまいます。吸収率が低いうえに肝臓から腸へ直接排泄されてしまうこともあり、鉄分を多く含む食品を多く摂取しているとさらに吸収率が悪くなるといわれています。食べ合わせや食品の摂り方にも留意が必要です。

不足と過剰の幅が非常に狭いことでも知られているマンガンは、摂取量と排出量がほぼ同量となるため排出量を超えるマンガンを摂取するとパーキンソン病などの中枢神経系の障害を引き起こすリスクが高くなるともいわれています。意識して積極的にマンガンを摂取する方はその摂り方に留意しないと体の健康をサポートするはずの栄養素が逆に体に害を及ぼすことになってしまうこともります。微調整が非常に難しそうに思えますが、普段からバランスのよい食事を心がけている人は特別に意識する必要はないといえるでしょう。

マンガンの摂り方

体内に微量にしか存在しないマンガンですが、その一日の摂取量の目安は成人男性で4㎎、女性で3㎎程度といわれています。鉄もマンガンも人間の体に必要不可欠なミネラル分ですが、マンガンの吸収率は鉄と反比例します。これはマンガンと鉄が同じような経路をたどって体内に吸収、活用されるためであって、食品に含まれる鉄の量が多いとマンガンの吸収率が悪くなってしまうのです。貧血状態が続いたり妊娠中であったりする女性は鉄分の補給も重要となるのでその摂り方については医師に相談した方がいいでしょう。

マンガンは野菜や豆、穀類や海藻、茶葉などの植物性食品に多く含まれているため、摂取するのに苦労することはありません。100gあたりのマンガンの含有量でみると、種実類のくるみやくりなどには3㎎を超える量が含まれておりとても豊富です。また、モロヘイヤやあしたば、油揚げやゆでひよこ豆などにも1ミリグラムを超えるマンガンが含まれており、普段の食事で料理する食品から簡単に摂取することができるのも魅力です。

食品から手軽にマンガンを摂取

マンガンは土壌に広く存在するものであり、野菜や果実などのような植物性の食品に多く含まれていることがわかっています。しょうがや青のり、ひじきやきくらげ、干しエビやしじみ、アーモンドやブラックペッパー、干し柿やパイナップルなどマンガンを含む食品は多岐にわたるため限定された食材からしか摂取することができない栄養素と比べると大変楽に摂ることができるといえるでしょう。

栄養素によっては一緒に摂取することによって相乗効果が得られるものがあり、効率的な摂り方が存在するものもたくさんあります。しかし、マンガンにはその栄養素の吸収や働きを高めたりする相性のいい食品は特にありません。逆に吸収を阻害してしまう鉄分の摂り過ぎだけに注意すればいいでしょう。普段の食事だけで必要量が摂取できるためサプリなどで補給を考えているひとは摂り過ぎに注意が必要です。また、昔から井戸水を飲用している方はマンガンを人よりも多く摂取している可能性があるため摂り過ぎに注意しましょう。

「健康な生活に必要なマンガンを多く含む食品や効率的な摂り方について」のまとめ

微量ミネラルとして健康を様々な面でサポートしてくれるマンガンは、植物性食品を中心として様々な食べ物から摂取することができます。欠乏と過剰の幅が狭いことから摂り方には注意が必要となります。

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