生きていくために大切なエネルギー生成に深く関わるコエンザイムQ10は関節痛の改善にも深いつながりといわれています。具体的にどのような効果があり、適切に摂取するにはどうしたらいいのかについて考えましょう。
変形性関節症による膝痛や関節痛
ご両親が膝痛や腰痛などに悩まされているということはないでしょうか。加齢や肥満が原因となって関節の軟骨が変形や摩耗することで生じる変形性関節症から発症する膝痛や関節痛があります。これは、関節と関節の間で潤滑油のような役割をしてくれる軟骨がすり減ってしまい、骨同士が直接こすれるようになって生じる痛みです。本来、関節の軟骨には、コラーゲンやヒアルロン酸、コンドロイチンやグルコサミンなどが存在しており、それでクッションのような役割を果たせています。
加齢や肥満によってこれらの軟骨成分が減少するために痛みが発症するのですが、コエンザイムQ10を適切に摂取することによって軟骨細胞を活性して軟骨生成の働きが促進され、軟骨の材料となるコラーゲンやグルコサミンが効率よく吸収されることによって膝痛や関節痛の改善が期待できます。また、コラーゲンとの併用により、カルシウムの吸着を促して骨粗鬆症の予防にも効果があるといわれています。丈夫な骨、骨と骨とを円滑に動かす軟骨は健康な生活に必要不可欠なものといえるでしょう。
コエンザイムQ10の減少による関節痛を防ぐために
コエンザイムQ10は、赤血球以外の体のあらゆる細胞のなかに存在しており、人間が生きて聞くためには不可欠な栄養成分です。特に心臓や腎臓、呼吸器などに多く存在しており、生命維持のためのエネルギー生成に深くかかわっているといえるでしょう。体内でのコエンザイムQ10の生成は20代にピークを迎え、40代以降に急速に減少するといわれています。これも中高年から多く発症する関節痛の原因のひとつと考えられており、減少するコエンザイムQ10を効率よく摂取する必要があります。
加齢だけでなく食生活の乱れや様々な病気によっても体内のコエンザイムQ10の量が減少してしまうのでバランスの取れた食事や適度な運動で健康的な生活を維持することが大切です。もともと吸収されにくいうえに微量しか食物に含有されていないため、コエンザイムQ10の不足を普段の食事で補おうとするのには無理があります。関節痛などの痛みを伴う症状がある場合には通常よりも多くのコエンザイムQ10が必要となるため、サプリメントを効果的に活用することをおすすめします。
コエンザイムQ10の摂取について
コエンザイムQ10は、いわしやさば、まぐろやかつお、いかなどの魚類や豚肉や牛肉、大豆やブロッコリー、ホウレンソウやごま油など含まれている食品が多いので特に食べ物の種類を限定して摂取する必要がありません。また、コエンザイムQ10は熱に強く油にもよく溶けるので、茹でたり炊いたりというよりも炒め物や揚げ物で食べた方が効果的に摂取することができます。このように特に気を付けなくても普段の食事から気軽に摂取できますが、食物に含まれるコエンザイムQ10の量はとても微量であるため必要量の全てを食事で補うのは難しいといえるでしょう。
健康を維持や美容を目的としているのであれば摂取量は少なくていいのですが、関節痛などの症状の改善のためには多く摂取する必要があります。通常の状態で1日の摂取量の目安が30㎎~60㎎程度といわれるため、いわしなら約6匹程度、牛肉なら1㎏程度を食べる必要があり、食物から摂取するには無理があるといえるでしょう。サプリメントで効率よく摂るのが望ましいといえますが、油物の食事が終わった後にすぐ飲むと吸収率もよくより高い効果が期待できるでしょう。
コエンザイムQ10の欠乏症と過剰症
人間が生命を維持するためのエネルギーの生成に深く関わるコエンザイムQ10が欠乏すると途端にエネルギー不足となり疲れやすくなるとともに疲労回復もしにくくなります。骨を丈夫につくったり、軟骨をつくったりする働きを促すこともできなくなるため関節痛や骨粗鬆症などが症状として現れるようになり老化も進むことになります。加齢によって減少していくため中高年の方で欠乏状態になると事態が深刻なものにもなってしまいます。
コエンザイムQ10は食品に微量にしか含まれていないとともに吸収されにくいため普段の食生活から摂取する限りにおいては過剰状態になる可能性は低いといえるでしょう。ただし、高濃度のコエンザイムQ10が配合されたサプリメントを一気に服用した場合にはその限りではありません。吐き気や食欲不振、嘔吐や下痢といった消化器系の異常や、低血圧、アレルギー性皮膚炎などの症状を引き起こすこともあります。サプリメントを服用する際にはくれぐれも適量摂取に留意することが必要です。
「コエンザイムQ10が関節痛と深くかかわりがある理由とは」のまとめ
コエンザイムQ10は、加齢や肥満が原因となって生じることの多い関節痛の改善に効果が期待できます。食物には微量にしか含まれず吸収されにくいため、サプリメントで適切に補給して症状の緩和につなげましょう。