健康ブームが続いている日本において次々と有効な成分が発見され、サプリメントとして扱われることが良くあります。その中の一つにカルノシンという成分があるのですが、今回はこのカルノシンとはいったい何なのか、どのような効果があるのかをお伝えします。
カルノシンの種類
カルノシンは簡単に説明するとアミノ酸のβ-アラニンとヒスチジンの2つが結合したイミダゾールペプチドです。このカルノシンには、L-カルノシンとD-カルノシンの2種類が存在しておりますが、自然物にあるものは基本的にL-カルノシンのほうになります。そのため、今話題になっているほとんどのカルノシンはこのL-カルノシンのことでしょう。
ちなみに、カルノシンをアミノ酸が合体したジペプチドと評する人もいますが、それも事実でイミダゾール基を含むアミノ酸なのでイミダゾールペプチドと呼ばれています。呼び方はどちらでもいいでしょう。
また、このカルノシンは様々な動物の骨格筋に多く含まれているので、筋肉がある魚や動物には多く含まれています。実際にマグロや鰹の活動範囲や行動範囲が広いのはこのカルノシンの作用もあるのでしょう。渡り鳥が長時間飛び続けるのが可能なのもこのカルノシンの作用が関係していると言われていますし、このカルノシンが大量に含まれている馬はフルパワーでスタートダッシュを決めることができるのです。いわゆる、運動パフォーマンスに関わる大切な成分で、スポーツを愛する方々なら摂取する必要がある成分ともいえるでしょう。
カルノシンの効果は?
ここでのカルノシンはL-カルノシンとして解説していきます。L-カルノシンに含まれるイミダゾールペプチドはアミノ酸の一つとして知られています。これは私たちの体の中から作り出されるアミノ酸に該当します。このアミノ酸は活性酸素を抑える働きがあり抗酸化作用があるので老化防止や疲労回復を高める効果があると言われているのです。
これは筋肉の中で作り出されるアミノ酸なのでこのL-カルノシンが多ければおいほど筋肉が疲れにくくなって力を発揮できる時間を長くすることができるのです。また、疲労の原因となる乳酸を抑える作用もあるので疲れにくくする作用もあるでしょう。そのため、スポーツを愛する方には是非ともお勧めしたい栄養素と言えます。
それ以外にも糖化によって作られるAGE(糖化最終産物)の形成を抑制する効果があるので、糖化抑制に役立てることもできます。糖化は皮膚に悪影響を及ぼす以外に色々と悪い作用をもたらすので、それを防ぐことができるのは大きいと言えるでしょう。体内で糖化したタンパク質が増えるのは危険と最近の研究では騒がれるようになったので、より存在が際立つ成分だと言えます。
カルノシンは何に含まれている、適量は?
カルノシンが含まれている食べものは主に肉類が中心で鶏肉・豚肉・牛肉・マグロ・鰹といった動物性食品の筋肉組織内にたくさん含まれています。もう少し具体的に数値で記載すると鶏が赤身肉100gあたり294mgで鰹が66mg、牛が226~452mgで豚が270~475mg、馬が770mgといったものでした。
効率的に考えるとどのお肉も効率がよさそうですが、多めに食べると考えた場合太りにくいもののほうがよいので鰹といったものも良いでしょう。馬が非常にたくさん含まれているのでおススメとなりますが馬肉は金額的にも高めなことが多いのであまりお勧めできません。また、一日の目安といったものも特に決まりはないようでできる限り摂取したほうがいいものに該当するのでしょう。例えばサプリメントで摂取するといった場合はだいたい1日400~500mgとなるように量が定められているのでその量に従うようにすればいいでしょう。
カルノシンの副作用はあるの?
カルノシンのようなイミダペプチドは医薬品ではなくあくまで、健康補助飲料の一種なので健康を損なう副作用は無いと言われています。ただ医薬品ではない=副作用が無いという意見に首をかしげてしまう人もいると思いますので、詳しく解説します。
まず、サプリメントを主体としてお話させてもらいますが、イミダゾールジペプチド入りのサプリは機能性表示食品として扱っているところもあります。これは実際に健康な人に対して過剰摂取をしたらどうなるのかを試してみて問題なかったという資料を提出している証でもあるのです。実際に1日1200mgという非常に多い量を4週間摂取するという実験を試みたところ、問題は無いという試験結果が出たのでそこまで心配することは無いのでしょう。
ただし、他の栄養素と一緒に体へ取り込んだ場合、副作用が出る可能性もあると言われているのですが、サプリメントとして発売されたものを併用してもほとんど出ることは無いという記載があるので、そちらの心配をする必要は薄そうです。しかし、通常の薬との併用に関しては明確なことは言えないという意見も多くあるため、薬との併用に関しては医師と相談したほうがいいでしょう。
「カルノシンとはいったい何なのか?」のまとめ
カルノシンは健康を気にしている方にもスポーツを愛する方々にも役に立つ成分で、是非とも摂取していただきたいのですが、食生活での摂取が毎日は難しいという方はサプリメントといったものに頼りましょう。