キャベジンは胃腸を守る上でとても有用な成分です。そんな優秀な成分は私たちの身近にある食品に含まれているんです。今回はその食品と効果的な摂り方についてご紹介します。
キャベジンを摂ると良い理由
キャベジンの別名は「ビタミンU」ですが、ビタミンではなくビタミンのような働きをする成分です。揚げ物などの脂っこいものを食べ過ぎたり、お酒を飲みすぎたり、忙しいと早食いをよくしてしまい、胃が不調だなと感じる方にはとてもいい成分です。たんぱく質を作るのを助ける働きがあるので、酷使した胃の粘膜を修復するためには有効な成分です。
またキャベジンには
- 胃酸が出過ぎないように助ける働き
- 肝臓に脂肪が溜まりすぎるのを防いでくれる働き
もあります。胃腸に肝機能に嬉しい優秀成分キャベジンですが、私たちの体内にもともとある成分ではないため、食品から取り入れる必要があります。
キャベジンの効能についてはこちら⇒キャベジン(ビタミンU)の効能と働き
キャベジンを含んでいる食品といえば
キャベジンを含んでいる食品はと聞かれて真っ先に思いつくのはキャベツかもしれません。それもそのはず、キャベジンという名前も1954年にアメリカでキャベツを搾った汁から発見された事に由来しています。
キャベツには100gあたり約350μgのキャベジンが含まれています。トンカツなどの揚げ物を注文したときに一緒に添えられてきますが、あれは見た目を良くしたり、ボリューム感を出したりするためのものではなく、胃腸のための理にかなった組み合わせなので残さず食べたいですね。
ただし、あまりキャベツを食べていないという方もおられるかもしれません。ご安心ください、実はキャベジンはキャベツ以外の食品にも含まれているのです。
たとえば
- ブロッコリーには100gあたり約590μg
- アスパラガスには100gあたり約400μg
- 大根には100gあたり約260μg
- ピーマンには100gあたり180μg
のキャベジンが含まれています。ブロッコリーやアスパラガスに名前の由来となったキャベツよりも多くのキャベジンが含まれているのはちょっと意外です。
ほかにも
- トマト
- レタス
- セロリ
- たまねぎ
- ケール
にも含まれています。ケールは青汁の原料としても有名ですね。
比較的アブラナ科の野菜が多いです。また、牛乳や卵などの食品にも含まれています。
しかしもっと意外な食品にもキャベジンが含まれているのです。それは「青のり」です。焼きそばやたこ焼きなどにササッとふりかけるアレです。あまりメインの食材として注目されることが少ない青のりですが、キャベジンの含有量はキャベツの60~70倍はあるのではないかと言われています。
キャベツたっぷりのお好み焼きに青のりをプラスして、まさに胃にとってはベストな組み合わせではないでしょうか。歯にはさまることが理由で「青のりなしで」と避けられがちな青のりも、日の目を見られる日は近いかもしれません。
キャベジンの効果的な摂り方
キャベジンが体に良い働きをし、キャベツだけではなくいろいろな食品に含まれていることはわかりましたが、それを効果的に摂るためにはいくつかのポイントがあります。それはキャベジンの特性と関係があります。
その特性とは
- 熱に弱く
- 水に溶けやすい
ということです。特にキャベツやブロコリーなどを食べるときに、たくさん食べるために茹でて蒸し野菜にするかもしれませんが、その場合キャベジンは茹で汁の中へ溶け出てしまいます。
もし、かさを減らしたいので加熱する場合はスープにするなどして、せっかくの栄養を逃がさない摂り方をしましょう。炒め物にしたいという場合も、最後に加えてササッと炒めるようにするのがおすすめです。
ただし一番おすすめの摂り方は、生で食べるということです。千切りにしてサラダとして食べたり、ミキサーにかけてジュースにしたりして飲むのもキャベジンを逃がさず摂れる方法のひとつです。
さらにある研究では
キャベツを冷蔵庫で冷やして保存しておくとキャベジンの含有量が増えた
というデータもあるので、キャベツを買ってきたらひとまず冷蔵庫に入れておくと良いです。またキャベツの場合外側よりも中の葉のほうがキャベジンが含まれる量が多いというデータもあります。
摂取する量などは決められていません
胃腸にも良くて、いろいろな食品に含まれているキャベジンですが、現在必須栄養素には含まれていないため一日これくらいは摂りましょうといった基準は明確には定められていません。
ただ、中には一日75mg程を摂ると良いとする報告もあります。キャベジンは現在も研究途中の更なる可能性を秘めた成分であるといえます。ですので普段の生活であまり好き嫌いをせず上記で触れたような食品を摂るように心がけると良いといえます。また、どうしても不足しがちだという場合は必要な成分が配合されたサプリメントなどで補うようにすると良いでしょう。
キャベジンの配合されているサプリメントもありますが、表記される場合、
キャベジンのもう一つの別名である「メチルメチオニンスルホニウム」略して「MMSC」といった名前が記載されている場合も多い
ので注意してみてください。キャベジン自体に摂取量は決められてないとはいえ、もちろんサプリメントなどを摂取される場合はそこに記載されている用法用量にしたがって服用してください。
キャベジンの不足や過剰摂取の影響についてはこちら⇒キャベジンの不足や過剰摂取について
キャベジンは胃腸に嬉しい栄養素【含まれる食品とその摂り方】のまとめ
キャベジンは私たちの身近にある食品に含まれている成分です。年末年始は一年の中でも特に、食事の量やお酒の量が増えて胃腸を酷使してしまう時季です。そんな働き者の胃腸のためにも普段から意識してキャベジンが含まれている食品を積極的に摂りましょう。