キャベジンは市販の胃腸薬の名前にもなっているおなじみの栄養素です。キャベジンはキャベツ由来の成分であり、体に必須ではないものの胃腸を守ってくれるビタミン様作用物質です。キャベジンの不足や過剰摂取による影響について考えます。
キャベジンとビタミンU
キャベジンは胃腸薬として成分そのままの名称が付けられた商品があるので、誰もが耳にしたことのある言葉かと思います。しかし、キャベジンが別名「ビタミンU」とも言われていることはあまり知られていません。ビタミンUは正式なビタミンではなく、ビタミン様作用物質であるとされています。ビタミンは、生命を維持するために必要な代謝をサポートして、健康を維持するために大切な役割を担っています。毎日必要となる量はわずかであるため、微量栄養素と呼ばれることもありますが、それぞれ不足すると様々な欠乏症の症状が起きることが明らかになっています。
現在、正式にビタミンとして認められているのは13種類で、そのうちの9種類が水溶性、4種類が脂溶性のビタミンです。
ビタミンの定義として、
- 人間の体内で合成できないか合成されてもその量がわずかであること
- 必要量は微量でも健康維持に葉不可欠で不足すると欠乏症が起こること
が挙げられます。
ビタミンUは、これらの条件にあてはまらないものの、ビタミンと同じような働きをする栄養素として認められています。他にもビタミンP(ルチン)やビタミンQ、コリンなどサプリでお馴染みの栄養成分もあります。
ルチンの効能についてはこちら⇒ルチンの効能と効果
キャベジンの成分と性質
キャベジンが、キャベツから発見された栄養成分であることはよく知られています。ビタミンUのUは英語で潰瘍を意味する言葉の頭文字を取ったものであり、潰瘍を防ぐ働きのあるビタミン様作用物質であることがわかります。
胃腸は栄養成分を効率よく分解、吸収する大切な臓器であり、正常に機能しないと
- 免疫力
- 体力
が低下するばかりでなく、
- 食欲不振
- 膨満感
- 便通異常
などの様々な症状が出て体調を壊してしまいます。
キャベジンはそんな時に穏やかに働いてくれるビタミン様作用物質で、まだまだ研究発展途上であるため、今後さらに驚くような効果が発見させる可能性もあります。
キャベジンの効能についてはこちら⇒キャベジン(ビタミンU)の効能と働き
キャベジンは発見の元となったキャベツのほか、
- トマト
- レタス
- 青のり
などにも含まれていますが、水溶性で熱に弱いという特性があるため、加熱することなく生で食材を取ることが望ましいとされています。
野菜に多く含まれているため、野菜嫌いの人はキャベジンが不足することも考えられるため注意が必要です。どうしても野菜が苦手な人は、りんご果汁などで甘みを加えた野菜ジュースなどから摂取するとよいでしょう。
キャベジンの積極的な摂取
口内摂取された食べ物のほとんどは胃の中で胃酸により消化、吸収されます。口の中で咀嚼しても、大きくて分厚い肉はそれほど細かくならずにそのまま胃へと運ばれます。胃の中でかなり強力な酸を分泌することによって固くてかさのある食物でも消化されます。胃の内側は粘液で守られているため胃が溶解することはありませんが、胃酸が過剰に分泌されると胃粘液だけでは胃の内壁を守りきることができなくなるため胃の粘膜が傷つけられてしまいます。
よく「胃が荒れる」という表現をすることがありますが、胃酸の分泌過多によって
- 胃のもたれや痛み
- 胸やけ
などを起こす状態のことを指します。そのまま放置すると胃炎や胃潰瘍などを発症する可能性も高くなるので、キャベジンを摂取して胃酸の分泌を抑制することが大切となります。
キャベジンの摂取量は特に決められていないので不足するということはあまりありませんが、
- 普段からお酒をよく飲む人
- 胃の痛みやもたれの自覚症状がある人
- 潰瘍性疾患の予防をしたい人
などは、積極的に摂取することをおすすめします。
キャベジンの効率よい摂り方についてはこちら⇒キャベジンは胃腸に嬉しい栄養素
キャベジンの摂取
キャベジンはビタミン様作用物質として、体内で合成することが可能な成分であるため特に不足して欠乏症になるということはありません。また、多くの野菜に含まれているため、日頃の食事で簡単に摂取することができます。ただ、普段から胃を酷使する傾向のある人は胃の内壁の修復に時間がかかることを考えて積極的に摂取するといいでしょう。
また、過剰摂取を心配する方がいますが、
キャベジンは水溶性であるため、過剰摂取しても溶けて排出されてしまうことから過剰症になることはない
と言われています。
キャベジンは生命維持のために必須となるビタミンではなく、体内でも合成することができることから不足や過剰摂取を心配する必要はありません。キャベジンは、他に様々な成分が配合されている胃薬とは違い、副作用の心配はないと言われています。
ただ、排出能力の限界を超えた際に何らかの症状となって表れることもあるので、極端に多く摂取することのないようにしましょう。
また、キャベジンが他の薬の作用を弱めてしまうこともあるため、薬との飲み合わせにも注意するようにしましょう。
キャベジンの不足や過剰摂取について【それによる悪影響は?】のまとめ
キャベジンは胃酸の過剰分泌に働きかけて胃を正常に保ってくれる成分ですが、体内で合成することができるため不足による欠乏症はありません。また、水溶性で排出されやすいことから過剰摂取の心配もありません。