コバルトと言われると化学を勉強したことがある人はすぐに、元素記号にあるものだということに気が付けると思いますが、このコバルトが栄養面で役に立つことはご存知だったでしょうか。そこで、今回はコバルトとは一体何かを紹介します。
コバルトっていったい何なの?
コバルトとは、遷移金属族元素の一つで原子番号27の元素です。元素記号として記載すると「Co」となり、おそらく学生の頃は覚えさせられたものではないでしょうか。このコバルトの純度が高いものは銀白色の金属となって具現化しており、鉄よりも酸化しにくいため塩や酸に対して強いとも言われております。
そんなコバルトですが、人間の体を構築するために必須なミネラルの一つなのです。化学的な視点からこのコバルトを語った場合まるで人体には関係ない成分と感じてしまいますが、栄養素としては実は不可欠なものだったのです。ただし、このコバルトは単体では働かないため注意が必要です。通常はビタミンB12を摂取するときに、一緒に取り込むことが大切です。
コバルトってどんな働きをするの?
コバルトはビタミンB12を構成する成分となっておりそこから摂取されることが主体なのですが、体内では15%がビタミンB12として働くために存在しているとされており残りの85%のことははっきりと解明されていません。酵素の成分になるといった効果があるとは言われていますが、いまだ解明できていない部分が多い成分ともいえるでしょう。
今のところ分かっているこのコバルトの働きは赤血球のヘモグロビンの生成に必須であること、そのため、造血作用に不可欠なミネラルで貧血防止に役に立つ成分であるということ。そして、人体内では神経線維の保護を行う作用があり神経機能を正常に働かせる作用もあると言われています。
実際に、コバルトが騒がれるようになったのが羊や牛が貧血や筋委縮をひき起こして死亡するという病気が多発してしまった時のことで、原因を調べた結果コバルトが不足していたと判明したのです。コバルトが発見されたのは1935年なので、当時の学者がこの事実を突き止めたというのはやはりすごいことと言えますね。
コバルトが不足するとどうなるの?
コバルトは血液を作るうえで不可欠な成分なので、不足すると血液が足りなくなるので貧血が間違いなく起こりやすくなるでしょう。それ以外にも酸素を効率よく運べなくなるので食欲が低下して手足のしびれといった症状も出るようになるでしょう。
さらには神経の働きを正常にするという作用もあるので、それが無くなった場合、神経過敏になってしまったり、集中力低下や記憶力低下といったトラブルに悩まされることになるかもしれません。ただし、過剰なダイエットをしない限りは欠乏することは少ないので、これらのトラブルに遭遇することは一般的な生活をしていればほぼないでしょう。
コバルトは何に含まれているの?
コバルトはビタミンB12の構成成分なのでビタミンB12が含まれている食品には一緒についてくると考えることができます。具体的には、肉類・魚介類・乳製品・レバーといったところでしょう。コバルトは特殊な微生物によって合成されるものと言われているので、動物性食品に含まれているのが基本なのです。例外的に、もやしや納豆にも含まれているようですが、あくまでこれは例外と捉えてください。
これらの含まれている商品を見ていただけると解ると思いますが、糖質制限ダイエットや摂取カロリーを大幅に制限するダイエットを行っている場合は不足することが多々あります。あとは、菜食主義の方は不足することが多いのではないでしょうか。基本的に無茶な食生活をしていない限りそこまで不足するものではないということを覚えておきましょう。
コバルトの摂取量目安はあるの?
色々な文献をあさりましたが、食事摂取基準として定められてはいないようです。さらには過剰摂取した場合にどうなるかといったものも明らかにされていないと言われています。いわゆるまだまだ研究が足りていない成分ということで分からないことが多いのでしょう。いつかの未来で国から正式な発表があるかもしれませんが、今のところは不足しないように何となく気を付けるといった方法しかないのかもしれません。
基本的な考え方としてビタミンB12の摂取基準を守るようにすれば問題ないのではないでしょうか。このビタミンB12の摂取量目安は成人された男女なら2.4μgと言われ散るので肉類・魚介類・乳製品・レバーといったものを摂取してこの目安量は摂るようにしてください。ちなみに、アサリ100g中にだいたい60µgが含まれていると言われているので、意識すれば不足することはありません。
「コバルトの人体への効果はどんなもの?」のまとめ
コバルトが人体を構成するのに役立つと知っている人は少ないと思われますが、知らない間に摂取している成分だということは理解していただけたでしょうか。大切な成分なので、できる限り摂取するようにしてください。