アルギニンはナッツや肉などの食品に含まれていますが、普段の食生活からは不足しやすい栄養素です。アルギニンは必須アミノ酸の一種で、健康や美容に効果をもたらすといわれています。毎日少しずつでも摂取することが効果的です。アルギニンの効果には、疲労回復やアンチエイジング、血液循環や動脈硬化などの予防に効果が期待されるといわれています。食品から摂取できるので副作用はほとんどなく安心して摂取できます。またサプリメントでも飲む量を守れば問題ありません。
アルギニンの効果とは?
アルギニンは、子供の時は体内で合成できないので必須アミノ酸になります。しかし、大人になると体内でグルタミンから作られるので非必須アミノ酸となります。アルギニンは体内で作られますが、それでも不足しがちなのでちゃんと摂取する必要があります。アルギニンは、肥満の改善や生活習慣病の予防に効果があるといわれています。それは、アルギニンに血管の老化防止効果がある為です。
アルギニンが、血管内で一酸化窒素(NO)の生成を高める働きをします。この一酸化窒素が、動脈を広げたり血管内を掃除するので、動脈硬化や脳梗塞、高血圧や心臓病の改善ができるのです。
さらに、アルギニンは疲労回復や成長ホルモンの分泌にも関係しています。また、アルギニンはコラーゲンを作るのにも関係しているので美肌効果もあるといわれています。
アルギニンが含まれる食品は?
アルギニンはアミノ酸なので、タンパク質を多く含む食品には割合多く含まれていますが、同じタンパク質でもアルギニンの含有量は違います。
アルギニンを多く含む食品は、
- 肉
- マグロ
- エビ
- 大豆
- 落花生
- アーモンド
- ゴマ
などです。
それから、あまり大量に食べたり頻繁に食べる食品ではありませんが、
- 豚ゼラチン
- 干しゆば
- かつお節
- 高野豆腐
などにもかなり多くアルギニンが含まれています。
ですが、現実的にこれらの食品から必要量を補うのは少し無理がありますね。同様に、ナッツ類はアルギニンの含有量が多いですが、食べ過ぎは脂肪を摂り過ぎてしまうのでよくありません。普段の食事からアルギニンを摂るには、肉や魚介類と大豆食品を中心に食べればよいでしょう。
副作用はある?
アルギニンの食事での過剰摂取による副作用は、ほとんどありません。けれども、アルギニンはタンパク質食品に多く含まれているので、アルギニンをたくさん摂りたいからとこれらの食品を食べ過ぎると、タンパク質の大量摂取に繋がりカロリー増加や脂肪が増える原因になり、体の為にはよくない結果を招きます。
健康維持の為には、アルギニンの摂取量にこだわらずバランスの取れた食生活を送ることをおすすめします。
それから、サプリメントでの過剰摂取では副作用が起こることもあります。
下痢の症状が出たりするそうですが、この場合もサプリメントごとの一日の摂取目安量などをきちんと守ればあまり気にすることはありません。成長期の子供にとっては、アルギニンは必須アミノ酸になるので摂取する必要があります。
他にも、
- けがなどをしている人
- 筋肉の弱い人
- 精子が少ない男性
- 運動をしたり筋トレをしている人
などにもアルギニンの摂取は適しています。反対に、ヘルペスができた人や統合失調症の人は、アルギニン摂取を控えた方がいいです。
身長を伸ばすには成長ホルモンが大事?
身長が伸びる要素の一つとして、成長ホルモンの分泌が十分であることが大切です。この成長ホルモンの分泌に、アルギニンが係わっているのです。ところが、成長期の子供は体内でアルギニンを作ることができないので、食事から摂取する必要があります。アルギニンの働きで成長ホルモンの分泌が促進され、結果的に成長期の子供は身長が伸びるといわれるのです。
また、成長ホルモンは夜の睡眠中に多く分泌されるので、成長期の子供には十分な睡眠も大事になります。それから、成長ホルモンは、傷ついたり老化した細胞の修復を助けたり筋力を維持したり、肌をきれいにする働きもあります。
しかし、この成長ホルモンも加齢によりどんどん減少していきますので、成長期の子供の身長を伸ばすには、アルギニンは必要な成分です。だからといって、大人になってからアルギニンの摂取で身長が伸びるとは、はっきり断定できないのが現状です。
高野豆腐に多く含まれる?
アミノ酸の一種であるアルギニンは、タンパク質食品に多く含まれています。肉や魚、大豆食品やナッツ類に含まれているので、毎日の食事に一つは取り入れて食べましょう。ところで、豆腐を凍らせて水分を飛ばした高野豆腐も、アルギニンがとても多く含まれています。
豆腐からたんぱく質と脂質を抽出させた物なので、アルギニンもギュッと詰まっているのです。高野豆腐と肉類を100gでのアルギニンの含有量を比較すると、4~5倍も多く含まれています。そんな高野豆腐ですが、100gの高野豆腐を水で戻したら恐ろしい量になってしまい、とても食べ切れるものではありません。
けれども、高野豆腐10gでエナジードリンクと同じくらいのアルギニンが摂取できるそうです。
高野豆腐だけで目標のアルギニンを摂るのではなく、ダイエットなどを考えている人は食品意外にサプリメントを利用した方がいいです。高野豆腐は植物性の良質なタンパク質で、アルギニンの他にもいろいろな健康効果が期待できる食品です。ぜひ、積極的に食べてほしい食品です。
精子の量を増やす効果も!?
アルギニンは、成長ホルモンの分泌疲労回復や肌をきれいにする効果など、健康維持に重要な役割をしています。実は、このアルギニンは精子の量を増やす効果もあるといわれています。元々精液中の成分の8割がアルギニンで作られています。しかも、精子の生成にもアルギニンが使われていて、精子の量だけでなく精子の質にも関係している大事な成分なのです。
おたまじゃくしのような形の精子の頭の部分にDNAが存在しています。その肝心の頭の部分を健全に作りだす働きをアルギニンはしているのです。アルギニンは、精子を増やして受精しやすくさせるだけでなく、質のよい精子を作って健康な子供が生まれるようにしてくれています。
ただし、アルギニンの摂取だけが精子の量を増やすのではなく、他にもさまざまな環境が影響してきます。それでも、アルギニンが精子の生成に関係していることは間違いありません。
成長ホルモンに欠かせない
アルギニンには、成長ホルモンの分泌を促進する効果があるといわれています。子供の成長に欠かせない成長ホルモンを活発化させる為に、アルギニンは成長期の子供の必須アミノ酸になっています。この成長ホルモンは加齢と共に減少していき、筋肉や骨が弱くなったり、関節痛や肌の衰えなどの老化の原因の一つと考えられています。このことから、成長ホルモンを増やせば若返り効果があることがわかってきました。
しかし日本では成長ホルモンは医薬品であり、子供の低身長症などの余程の問題が無い限り、成長ホルモンの投与はできません。それ以外の理由で仮に医師の了解のもと、成長ホルモン注射の治療を受けたとしても、保険適用外となり高額の医療費を支払わなくてはなりません。
この現実的ではない方法の代わりとなるのが、アルギニンを摂取して成長ホルモンの分泌を促す方法なのです。アルギニンは、タンパク質を含む食品から簡単に摂取でき、副作用もほとんどありません。アルギニンをサプリメントなどでより効果を高めたい時は、就寝前に摂取するのがおすすめです。
効果的な飲み方は?
アルギニンはタンパク質に多く含まれているので、規則正しい食生活でバランスのとれた食事ができればある程度は摂取できる成分です。ですが、老化が気になる人や、美肌効果を得たい人やスポーツ選手などは、もっと積極的に摂取する必要があります。食事以外での摂取は、アルギニンのサプリメントがおすすめです。
アルギニン単体の製品は、アルカリ性なので摂り過ぎると胃や食道を痛めてしまう恐れがあります。単体で摂取する時は、クエン酸などの酸を同時に摂取して中和しなければならず、あまりおすすめできる飲み方ではありません。最近では、最初から安全性の高い酸で中和されている、安心して飲めるアルギニンサプリメントが出回っているので、そちらの製品を摂取しましょう。
それから、アルギニンを摂取したからといってすぐに効果が出るわけではありません。半年から一年くらいは様子を見ながら摂取していきます。また、効果が出たからといって摂取するのをやめればすぐ以前の状態に戻ってしまいます。自分に合ったアルギニンサプリメントの種類や飲み方を見つけて、継続して摂取してください。
ヘルペスの際は注意!
ヘルペスとは、ヘルペスウィルスというウィルスによる感染症です。皮膚や粘膜に感染して、ただれたり水ぶくれになります。唇によくできますよね。
ヘルペスは、ウィルスが残っている場合が多く、再発しやすいのが困ったところです。再発の原因としては疲労やストレスがありますが、アルギニンを摂り過ぎてもヘルペスにはよくないようです。
アルギニンが、ヘルペスのウィルスを活発化させて再発原因になることがわかっています。アルギニンはアミノ酸の一種でたんぱく質食品に含まれています。特にアルギニンを多く含む食品は、チョコレート、レーズン、ナッツ類です。
ヘルペスになったら、これらの食品は避けた方がいいでしょう。それから同じアミノ酸でリジンという成分は、逆にヘルペスウィルスを抑える効果があります。そのリジンをアルギニンより多く摂取できれば、ヘルペスの再発を抑えることができます。
リジンを多く含む食品は、牛肉や鶏肉、チーズ、卵、野菜や果物などです。
アルギニンは若返り効果がある?【副作用なしで食事から摂取】のまとめ
アルギニンは疲労回復効果があるので、毎日仕事などで疲れが取れないという方は寝る前に摂取してみてはいかがでしょうか?