あまり耳に馴染みのないスルフォラファンですが、ブロッコリースプラウトなどに含まれている成分ということで毎日の食卓で意識的に摂取されている方も多いでしょう。その具滝的な働きや効果などを考えてみます。
スルフォラファンの特徴
スルフォラファンは、ブロッコリーなどのアブラナ科の野菜に含まれているファイトケミカルの一種です。ファイトケミカルは、植物に含まれている天然の化学成分のことで健康への効果が期待されていることから、五大栄養素、植物繊維に次ぐ第7の栄養素として注目を浴びています。ブロッコリーの新芽であるブロッコリースプラウトに多く含まれており少し辛みを感じられるのが特徴のひとつです。
スルフォラファンは、優れた解毒作用や抗酸化作用があることから様々な病気の予防に効果が期待されて注目されるようになっています。ブロッコリースプラウトやブロッコリーのほか、カリフラワーや菜の花、大根やキャベツ、カイワレ大根などにも含まれており、生食できる野菜も多いことからサラダなどで気軽に摂取することができてとてもヘルシーです。毎日サラダを食べる習慣がなくともブロッコリーを摂取するだけでいいので積極的に摂取するように心がけましょう。
スルフォラファンの働き
20世紀の終わりにアメリカでブロッコリーに含まれる健康成分に、スルフォラファンを含んでいることが発見されました。その後の研究により、ブロッコリーの新芽部分であるブロッコリースプラウトにはブロッコリーの20倍~50倍ものスルフォラファンが含まれることが明らかにされています。身近な食卓に並ぶ野菜から健康に有効な成分を摂取することができるという手軽さがあり、国内ではそれまでは見かけることがほとんどなかったブロッコリースプラウトの生産が盛んになりました。
スルフォラファンには強力な抗酸化作用があることが知られています。SOD酵素などの抗酸化酵素を活性化させる作用があり、増殖してしまった活性酸素から体を守ってくれます。このことから細胞分裂が活性化され新陳代謝を促してくれて若々しさを保つことができます。また、スルフォラファンには、解毒酵素を合成する働きがあり、肝臓の機能を高めて体内の有害物質を無毒化させる働きを促進してくれます。不規則な生活やストレスや疲労の蓄積、加齢などによる体の中の老化に穏やかに働きかけてくれるおすすめの栄養素です。
スルフォラファンの様々な効果
スルフォラファンには、胃炎や胃がんの原因になるといわれているピロリ菌を除菌する作用があります。日本人のなかには2人に1人の割合でピロリ菌保持者がいるともいわれていて薬物治療によりピロリ菌を退治する方も多くいます。高濃度のスルフォラファンを含むブロッコリースプラウトをある一定量2ヵ月にわたって摂取したところピロリ菌の数が約8分の1に減少したという研究データもあります。身近な野菜でピロリ菌の除去が期待できるのであれば積極的に摂取しない手はないでしょう。
スルフォラファンに抗酸化作用や解毒作用があることはよく知られていますが、高脂肪性食物を摂取した際の内臓に蓄積される脂肪量を抑制することも実験で明らかになっています。動脈硬化や心筋梗塞など様々な生活習慣病が発症しやすい状態であるメタボリックシンドロームの予防にも期待されています。また、アセドアルデヒドの代謝を促進したり、炎症を引き起こす細胞や抗体の生産を抑制したりする働きがあり、悪酔い防止や花粉症の緩和にも効果があるといわれています。
スルフォラファンの摂取の仕方
ブロッコリーやブロッコリースプラウトに含まれている注目の栄養成分であるスルフォラファンは一日どれくらい摂取するのが望ましいのでしょうか。細かい決まりはありませんが、スルフォラファンの効果を最も発揮しやすい量として1日30㎎程度といわれています。嬉しいのは効果が3日ほど継続するので2,3日おきに摂取すればいいということです。スルフォラファンを30㎎というとブロッコリーで1株、ブロッコリースプラウトで1.5パックほどと野菜好きの方には苦にならない量で生の状態のままや湯がいたり蒸したりしてノンオイルで摂取するのがおすすめです。
野菜が苦手であったり、一年を通して安定して手に入らなかったりする場合はサプリを使って摂取することもできます。料理の手間も省けるので手軽に健康を維持したいという方にはピッタリでしょう。スルフォラファンは植物由来の天然成分であることから摂取による副作用などは特に問題になっていません。ただ、どんなによい栄養素でもやはり摂り過ぎは体に毒になる場合が多いのでスルフォラファンについても過剰摂取には気をつけたいものです。
「身近な野菜に豊富に含まれているスルフォラファンの働きや効果について」のまとめ
強い抗酸化作用や解毒作用があるスルフォラファンは活性酸素の影響を抑制しピロリ菌の除菌などにも効果があるといわれています。高濃度の栄養成分をヘルシーな野菜からしっかりと摂取しましょう。