体に様々なメリットや健康維持に効果があるとサプリのなかでも人気となっているコンドロイチンは、不足するとどういう悪影響がでるのでしょう。また、適切な摂取量と過剰摂取をした場合についても併せて考えます。
コンドロイチンはムコ多糖体の一種
コンドロイチンはムコ多糖類の一種で皮膚や粘膜、唾液や血液などにも含まれているネバネバ、ヌルッとした細胞や器官などを結び付ける成分です。コラーゲンとともに細胞を保護し栄養補給をする役割も担っています。保湿性と弾力性を与えつつ消化吸収、代謝とも深く関わっており、健康な体を保つには必要不可欠な成分といえるでしょう。多糖類、多糖体ときくと糖質の量が多く体に害を与えそうなイメージがありますが、そうではなく多種類の糖が組み合わさっているということで糖分の多さを示すものではありません。
ムコ多糖体は組み合わされる糖の種類や配列の仕方の違いによって様々な種類があり、コンドロイチンと同様にヒアルロン酸もムコ多糖のひとつであるといえます。このムコ多糖は25歳くらいをピークとして徐々に減少していくといわれており、それに伴って体内水分量も減っていきます。体の中の水分が失われ乾燥していくことによって体に様々な不調が起きてくるのです。細胞と細胞のあいだと粘着物質で結びつける力がなくなっていくので保湿性とともに柔軟性も失われていってしまいます。
コンドロイチンの不足
25歳くらいまでは体内でコンドロイチンが盛んに生成されるためそれほど気にすることはありませんがその後は減少していくばかりで外部から積極的に摂取しないと欠乏状態にもなりかねません。体内になくてはならないコンドロイチン、不足するということは体の中の潤滑油がなくなってしまうということになります。なかでも軟骨成分との関わりが深いため、関節炎や関節痛といった症状が引き起こされてしまうこととなります。また、柔軟性とともに体内の水分量の調節を果たす役割も担っているため肌に運ばれるはずの水分や栄養分が届かず肌の潤いやハリがなくなりアンチエイジングの機能が働かなくなってしまいます。
コンドロイチンの不足により体の中の代謝が悪くなり活性酸素の影響を受けやすくなります。つまり体の細胞が錆びやすくなるということで、若々しさがなくなってしまうおそれもあります。粘膜や肌だけでなく、視力の衰えや動きにくさなどの具体的な症状が重篤なものになってしまうと大変です。コンドロイチンの不足は加齢によるものが大きいものの、激しい運動などで軟骨の摩擦が多い場合にも減少してしまうといわれています。軟骨の再生にコンドロイチンが大量に消費されるため体内におけるコンドロイチンの生成が間に合わなくなってしまうのです。
コンドロイチンの摂取量
コンドロイチンを1日にどれだけ摂取するべきかという適量については特に定められているわけではありません。年齢が若く体に特に異常を感じることがないのであれば食べ物で摂る意外に意識して積極的に摂ろうとしなくてもいい場合もあります。ただし、年齢を重ねるにつれて特に原因に心当たりがないのに関節の痛みや腰痛などの症状がある方や常に激しい運動やスポーツをするのに偏った食生活を送っている方などはこの限りではありません。
関節痛や腰痛がある方は本来軟骨に存在すべきコンドロイチンの減少が著しく認められるということなので、その改善を図るためには最低でも1日800mg以上の摂取が必要であるといわれています。食品に微量しか含まれていないため、大量に摂取する場合はサプリを活用した方がいいでしょう。ただし、サメの軟骨から抽出されているコンドロイチンであっても総量ではなくサプリに含有されているコンドロイチンの量が大切になってくるので説明書などをよく読むことをおすすめします。
コンドロイチンの過剰摂取
もともと人間の体内に存在する物質であるコンドロイチンは量を多く摂取することで大きな副作用などを起こす心配はないといわれています。一般的には1日の目安量の上限である1,500mgを上回ると過剰摂取の状態ということができ、時として吐き気や下痢、便秘や胃痛あなどの症状が出ることもあり、コンドロイチンに限らずサプリの服用にあたっては過剰摂取することがないように注意することが大切です。
コンドロイチンには血液の凝固作用を抑制する働きがあるともいわれています。抗凝固薬や抗血小板薬などを服用している方は出血が止まらなくなる恐れもあるため注意が必要です。また、喘息の持病がある方は、症状を悪化させてしまうこともあるといわれているため、喘息やその疑いがある方はサプリによるコンドロイチンの摂取を控えるか医師に相談してみることをおすすめします。
「健康維持にいいとされるコンドロイチンの不足や過剰摂取による影響について」のまとめ
体内の細胞を保護し活性化してくれるコンドロイチンは加齢とともに減少してしまうため不足すると体調不良の一因となってしまう場合もあります。また、持病のある方は過剰摂取に注意することも大切といえるでしょう。