ムコ多糖類

[監修済] コンドロイチンなどに代表されるムコ多糖類の不足や過剰摂取について

高い保水力で皮膚だけでなく体内の細胞間を潤す働きのあるムコ多糖類は若々しく健康な体を維持するために必要な栄養成分だといわれています。ムコ多糖類が不足した状態や過剰摂取による影響について考えます。

ムコ多糖類の不足による体内水分の減少

加齢とともに様々な体の症状が出てくることが多いのですが、その年齢は50代、60代のことであってまだまだ先の話と思っている方いらっしゃいませんか。しかし、お肌の曲がり角という言葉もあるように私たちの肉体は25歳頃から体内での老化が始まっているのです。その大きな原因のひとつが体内の保水力の低下です。お肌の曲がり角を感じるようになるのは肌の保水力が低下することでキメがなくなってシワが増え、肌荒れやシミなどに気づくからといえます。体内ではムコ多糖類を合成する力が低下し、体内の潤いがなくなって体の中から乾燥している状態になっています。

体内で潤滑油の役割を担いながら細胞の働きを活性化させるとともに老廃物を排出する働きがそれまでのようにできなくなり、循環や代謝といった機能が衰えてしまいます。活性酸素の影響も受けやすくなることから、血管が堅くなり血液が滞りやすくなって動脈硬化などの病気のリスクも高まります。肌の弾力やみずみずしさを維持する力も弱くなってしまうのもムコ多糖類のひとつであるヒアルロン酸の減少が原因といえるでしょう。若々しく健康と保つためには不足状態とならないようにムコ多糖類を摂取することが大切です。

ムコ多糖類の不足と関節炎

健康サプリのなかでも高い人気を誇るのがムコ多糖類のひとつであるコンドロイチン配合のものです。テレビCMなども多く流れていますが、このコンドロイチンの減少はそれほどまでに大変なことなのでしょうか。コンドロイチンは、皮膚や血管壁、眼球や角膜などの様々な臓器にあって新陳代謝を活性化しながら血液の浄化などの様々な働きに関わっています。特に軟骨のクッション機能に大きく関わっているため、加齢とともに体内合成が衰えるとこれまで潤滑油として働いてきた機能が著しく低下して関節痛が生じる原因となってしまいます。

段差の昇り降りだけでなく通常の歩行にも困難が生じてくると動くこともおっくうになってしまいます。そんな状況を回避するためにムコ多糖類を積極的に摂取することが必要となるのです。不足状態が長く続くと骨と骨が直接こすれることによって激痛が走るようになってしまい、そうなると回復にも時間がかかります。普段の食事からだけでは補給を賄うことができないため、含有量の多いサプリを活用して積極的に摂取することが大切です。

ムコ多糖類の過剰摂取

ムコ多糖類には体に害を及ぼす物は含まれておらず摂取するに当たって大きな副作用などが生じる心配はありません。ただ、どんな栄養素であっても過剰摂取で効果が上がることはなくかえって害を及ぼすことがあるのが普通です。ムコ多糖類のひとつであるコンドロイチンは血液の凝固作用を抑制する働きがあるといわれているため抗凝固薬や抗血小板薬などを服用している方は出血が止まらなくなってしまうこともあるとともに糖尿病の悪化や腹部不快感などが生じるともいわれています。

同様にムコ多糖類のひとつであるグルコサミンにも血液凝固作用があるとともに血糖値やコレステロール値、血圧などに影響を与える可能性があるといわれています。また、吐き気や下痢、便秘や胃痛などの症状が出ることもあるので、持病のある方の摂取には注意が必要であるとともに過剰摂取は避けた方がいいでしょう。特に食事からではなくサプリで長期にわたって継続して摂取する方は体の不調や不安がある際にはすぐに医師に相談することをおすすめします。

ムコ多糖症

ムコ多糖症というとムコ多糖類を過剰摂取することによって発症する病気のように考えがちですが、全く別物です。ムコ多糖症の正式名称は「ムコ多糖代謝異常症」といい、生まれつきムコ多糖を分解する酵素であるリソソームが欠乏している先天性の病気です。本来であれば、体内で役割を終えたムコ多糖類は排出されるべきところが、体内に蓄積されてしまうため臓器や組織が徐々に失われていくというものです。10歳半ば頃までに角膜の混濁や聴力障害、心臓弁の障害などを発症し生活に支障が生じるようになる病気で難病にも指定されています。

環境や栄養状況などの影響を受けたものではなくあくまでも先天性のものであるため、出生時に診断がなされなければその後に発症することはありません。ムコ多糖症の主な症状としては、著しい骨の変化や短い首、関節の硬化などがあり、心臓疾患や低身長などが現れる場合もあります。いずれにせよムコ多糖類の過剰摂取によって発症する疾病ではないということを正しく理解しておく必要があります。

「コンドロイチンなどに代表されるムコ多糖類の不足や過剰摂取について」のまとめ

ムコ多糖類は体内の細胞と細胞の間に潤滑油として存在し関節痛の症状の緩和にも有効であるといわれています。不足すると体内の水分量が低下し様々な体の不調が現れるようになりますが、過剰摂取にも注意が必要です。

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