リン

リンの不足と過剰摂取について【バランスに気を付けよう】

リンは体内のミネラルの内でカルシウムの次に多い栄養素と言われています。成人の体にはリンが850g含まれています。ほとんどの体内のリンは主にカルシウムやマグネシウムとともに骨や歯を作る成分になっています。では、リンが不足したら、どのようになるのか。リンの不足をどのように予防できるか説明していきます。

リンが不足する時はどんな時か

一般的にはリンの不足はあまり起こらないとされています。何故ならば、リンはチーズや卵など、日常口にする食べ物から摂取することができるからです。

しかし、リン不足が懸念されるのは

  • 「腎臓機能障害」
  • 「糖尿病」

にかかってしまったときや、主にダイエットなどで、

  • 菜食
  • 玄米

中心の食生活を送っている時です。菜食玄米を中心とした生活では、リンが含まれる動物性のタンパク質を摂取する機会が減ってしまいます。豆腐や穀物にもリンは含まれていますがリン酸化合物のフィチン酸であり、摂取効率が動物性タンパク質に比べると低いです。

また、胃薬など、アルミニウムやマグネシウムの含有量が多い薬を服用した場合に、リン不足がおこりやすいと言われています。アルミニウムやマグネシウムが含有されていること自体は害はありませんが、これらの成分は体内のリンを吸着しやすい特徴があるからです。

リンが不足するとどんな症状になるか

体内のリンが不足するとどのようになるか解説していきます。

骨や歯が弱くなる

リンが不足することでまず、骨や歯が弱くなります。

  • 歯槽膿漏
  • 骨軟化症
  • 歯の形成障害

といった欠乏症が起こる可能性が高くなります。リンは筋肉の形成にも関わっているので、筋肉にも影響を及ぼす可能性があります。

体調不良

また、リンが不足することにより、体調不良にもなりやすいと言われています。リンが不足すると、血中のpHバランスが乱れて、エネルギーの減少によって、

  • 疲れやすくなる
  • ご飯をあまり食べられなくなる

などの状態に陥り、結果として体重の減少を招くことがあります。

このようにリンの成分が体内で不足すると、筋肉や骨の機能を弱めてしまう可能性があります。さらには衰弱や倦怠感を引き起こしてしまう場合もあるので、日常の食生活においてリン不足にならないようバランスの良い食生活を送ることが大切です。

リンを補う方法

リン不足は健康な人が食生活に気をつけていれば、起こりにくいと言われていますが、もし、リン不足になったときには、動物性のタンパク質が含まれているものを摂取するようにしましょう。

リンが一番多く含まれている食品は、半乾燥のしらす干しです。その次にプロセスチーズイワシの丸干しです。また金目鯛やすじこにも多く含まれています。リンは魚介類や乳製品等に多く含まれている特徴があります。

したがって、魚介類や肉類全般を日常的に摂取していればリンの不足を心配する必要がないということが、このリンが多く含まれている食品一覧から見てもわかります。

リンの摂り過ぎは逆効果

リンが不足すると体の機能を低下させてしまう原因になることを説明しましたが、逆にリンを過剰摂取しても体に悪い影響を及ぼすことがあります。まずリンは食品の添加物として加工食品に広く用いられているため、過剰摂取に気をつけなくてはなりません。

さらに、リン清涼飲料水酸味の元に使用されている成分の中にも含まれていることがわかっています。普段の食生活が菜食と玄米中心に偏っている訳でもなく、リンが不足しがちな病気に罹っている人やリンの吸収を阻害する薬を服用している人でなければ、長期で摂り過ぎていないかを一度確認する必要があります。

長期にわたってリンを過剰摂取すると

  • 腎機能の低下
  • 腎臓結石
  • 副甲状腺ホルモンの過剰分泌

といった症状が現れることがあります。

他にも、リンに対してのカルシウムの割合が低いと、カルシウムが骨から溶け出てしまい、骨密度の低下、ひいては骨粗しょう症を引き起こす危険性もあります。

カルシウムとリンの理想的な摂取バランス

  • 成長期であれば カルシウム:リン 1:2
  • 成人であれば 1:1

と言われています。

リンを摂取する理想的な量

リンが不足にならないようにしつつ、リンを過剰摂取しないようにするためには1日のリンの食事摂取基準を知ることが重要です。リンの摂取基準は性別と年齢によって違います。

リンの食事摂取基準は男性の場合

  • 12~17歳は1200mg
  • 18歳以上であると1000mg

になります。主に骨や筋肉にエネルギーが必要な12~17歳の間が一番リンの摂取が必要のようです。

次に女性

  • 10~17歳が1000mg
  • 18歳以上であると800mg

になります。妊婦や授乳期でも800mgのリンが一日に必要となる量です。

自分がリンの不足と認識する時でも、バランスの良い食事を続けて、果たしてこの食生活が自分にあっているか、食品添加物によって、リンを摂取しすぎてないかを確認することが大切になります。

リンの不足と過剰摂取について【バランスに気を付けよう】のまとめ

リン不足は筋肉や骨など体全体の機能を低下させてしまう原因になります。しかし、健康な人は過剰摂取に気をつけなくてはなりません。もしも、リン不足になる病気や食生活によってリンが不足してしまった場合は、食生活をバランスに取れたものにするか、サプリメントでリン不足を補いましょう。

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