リンについて、よく耳にするけど働きについてはイマイチ知らないという方は多いのではないでしょうか?食べ物には様々な成分が含まれており、普段食べているものから知らない間に摂取している成分というものも多くあります。そのあまり知られていない成分の1つにリンが挙げられます。そこで、今回はリンの効果とどのような食品に含まれているかについて解説していきます。
リンとはどのような食品に含まれているの?
まずはどのような食品にリンが含まれているのかを解説いたします。リンは様々な食品に含まれているので、意識することなく摂取している成分と言えるでしょう。
具体的には
- 魚類
- 乳製品
- 肉類
- 大豆類
- インスタント食品
- お菓子類
といったものなので、おそらくみなさん1日の食事で何らかの形で摂りいれているはずです。
食品100g中のリンの含有量は
- 玄米には130mg
- 納豆には250mg
- 凍り豆腐には880mg
- 煮干しには1500mg
- するめには1100mg
- 卵には570mg
- 豚レバーには420mg
- 味付け海苔には710mg
などで、幅広い食品に含まれていることがお分かりいただけるかと思います。
リンの働きは?
このように簡単に摂取できるリンの効果は
補酵素として吸収効率を上げる
というものです。
筋肉機能の維持・骨の成長促進
例えば、筋肉の元となってくれるタンパク質を効率よく吸収するために、体内でビタミンB1やB2と結合して補酵素となってくれたり、骨の元となってくれるカルシウムが効率よく吸収されて活用されるにもリンが使われるのです。
エネルギーの蓄積
他にも、リンには体の中でエネルギーを蓄積する働きがあります。そのため、リンが不足すると日常生活で使えるエネルギーが蓄えられにくくなってしまい、疲れやすい体となってしまいます。
このように、抗酸化作用が強いビタミンとか筋肉の元となるタンパク質のような分かりやすい働きと比べると見劣りしてしまうかもしれませんが、リンは生きていくためには欠かせない成分であるため、不足してはいけないものとなっております。
リンの摂取量の目安はどうなっているの?
リンの効果や含まれている食品についてわかっていただけたと思いますが、逆に気になるのが摂り過ぎですよね。簡単に摂取できるということは知らず知らずのうちに摂り過ぎてしまっている可能性が高いということです。それでは、リンの1日の摂取目安はいくらなのか調べていきましょう。
これは「日本人の食事摂取基準(2015年版)」のデータを参考にしたものですが、リンは
- 成人男性の目安量は1日で1000mgで上限は3000mg
- 成人女性は1日で800mgで上限が3000mg
となっておりました。
先ほど挙げたように、リンは幅広い食材に含まれているので、極端なダイエットをしている人以外は1000mgは超えていることでしょう。不足している人はほとんどいないのではないでしょうか。
実際に、不足することがほとんどないということの裏付けのように、リンを強調するサプリメントというのはほとんどありません。気にしないでも簡単に摂取できるものをわざわざ商品化しないということなのでしょうね。
リンを過剰摂取したらどうなるの?
リンの1日摂取量の上限は3000mgとされておりましたが、スナック菓子や加工肉といったものに良く含まれているので、人によってはオーバーしている可能性もあるでしょう。そこで、過剰摂取したらどうなるのかをお伝えします。
骨密度の低下
まず、リンを過剰摂取してしまうと、カルシウムとリンの体内バランスが崩れてしまうので、血液中のリンの濃度に合わせるためにカルシウムを骨から補おうとするようになると言われております。要するに、強引にバランスを保とうとする結果が骨にまで影響するということですね。
こうなってしまうと、骨がスカスカになってしまうので骨折する危険性が上昇してしまいます。他にも肝機能が低下するといったトラブルが発生する可能性があると言われているので要注意なのです。
特に、日本人はカルシウム摂取量が少ない傾向にあるので、リンの過剰摂取による骨がスカスカになる状態はかなり危険だと言えるのではないでしょうか。
理想的なカルシウムとリンの比率は
- 成長期で1:2
- 成人期で1:1
と言われているので、リンを含む食べ物を摂り過ぎる傾向にある方は、カルシウムも大量に摂取する必要があるのです。
リンの過剰摂取を防ぐには?
今まで意識していなかったため、過剰摂取していたとしても気が付いていなかったかもしれませんが、リンはコンビニのお弁当やインスタント食品にも多く含まれ、ファーストフードといったものにも多く含まれていると言われております。
つまり、
一人暮らしで料理を全くしない方で、このような食べ物に頼りきりの方はリン過剰摂取の可能性が高い
ということなのです。リンは手軽に食べることができるチーズやハムといったものにも多く含まれているので、とにかく料理をさぼろうとして、お手軽商品で済ませようと考えてしまう方は危険かもしれません。
そのような傾向にある方は、リンがどれくらい含まれているのか必ずチェックしてから食品を購入するようにしましょう。手料理をして摂取量を制限するのがベストなのですが、時間が全くない人に料理をしろというのはなかなか難しいです。
リンの体内での働き【含まれる食品と注意点】のまとめ
リンは現代日本において摂取過剰気味なので、狙って摂取する必要の少ないミネラルです。逆に摂り過ぎてしまっている人は少しでも多くカルシウムを摂取するようにしてください。