日本食にもよく使われるごぼうには血行促進や腸内環境を整える効果のあるごぼうエキスが含まれています。その成分や具体的な効果、ごぼうエキスが不足したり、過剰摂取したりした際の体への影響をみてみましょう。
東洋では古くから摂取されていたごぼうエキス
ごぼうエキスは、ごぼうの根っこの部分から抽出されたエキスでごぼうのほか、菊芋や玉ねぎにも含まれています。西洋ではごぼうの根を食べ物などで摂取する習慣はありませんが、中国では古くから食べ物というよりも漢方薬の材料として広く用いられていました。日本では、和食の食材として様々な食べ方で普段から摂取されていますが、最近ではごぼう茶も密かな人気でごぼうを積極的に摂取してダイエットとアンチエイジングに成功したとする医師も大きな話題となっています。
血液をサラサラにするとともに便通をよくしてくれるため最近ではダイエットを目的にごぼうエキスを利用されている方も増えているようです。東洋では、解熱や解毒などを目的とした漢方薬の材料として、西洋医学ではニキビなどの皮膚疾患の症状の緩和を目的とした民間療法として用いられることがあるほど、食品としてだけではなく健康を維持するための薬のようなものとして注目されることが多いのも事実です。
ごぼうエキスに含まれる成分
ごぼうエキスには水溶性食物繊維であるイヌリンが含まれています。イヌリンは糖の吸収をゆるやかにして急激な血糖値の上昇を抑えるとともに腸内善玉菌といわれている乳酸菌やビフィズス菌などの働きを滑石かさせて腸内環境を整える作用があります。血液中の中性脂肪を減らすとともに豊富な食物繊維により便秘の解消にも期待できます。食物繊維を多く含む野菜のなかでもごぼうには特に多くの食物繊維が含まれており、便通の改善には不可欠といえるでしょう。
ごぼうエキスにはワインやチョコレートなどにも含まれるポリフェノール、タンニンも含まれています。タンニンには抗酸化作用があり体の細胞の錆の原因となる活性酸素を除去する働きがあります。ごぼうエキスに血液サラサラ効果があるといわれているのはこのためです。細胞が錆びずに生き生きとした状態を保つことができるため老化を防ぐアンチエイジング効果が期待できると考えられます。また、タンニンには収れん作用もあり新陳代謝を高めきめ細かい肌にする効果もあります。
育毛剤にもごぼうエキスが配合されている
抜け毛が気になり始め育毛剤を使い始めたといわれる方がいらっしゃるかもしれませんが、その育毛剤にもごぼうエキスが配合されていることが多いのです。ごぼうエキスには、血行を促進したり保湿したりする作用があることがわかっています。直接脱毛を防ぎ発毛を促すのではなく、頭皮環境を良好に整えることで育毛をサポートしてくれる働きがあるため育毛剤に利用されることが多いのです。フケ防止にも効果がありスキンケア商品としても人気があります。
ごぼうエキスにはアミノ酸の一種であるアルギニンやアスパラギン酸も含まれています。これらはスタミナドリンクによく含まれている成分なのでよく栄養ドリンクなどを飲まれる方には馴染みがあるかもしれません。血流改善のとともに滋養強壮や新陳代謝の促進、疲労回復効果も期待できるため常用されている方も多いかもしれません。ごぼうエキス自体は多く過剰摂取しても害になることはありませんがカフェインなど他の成分も含まれているのでドリンク剤の飲み過ぎには注意が必要です。ごぼうエキスを摂取する目的で服用するのであれば、単体のサプリで補給した方がいいでしょう。
ごぼうエキスの不足や過剰摂取について
ごぼうエキスは文字通りごぼうに含まれるエキスなので野菜として食べるごぼうから摂取することができます。きんぴらや煮物、たたきぼうやごぼう鍋などごぼうをおいしく食べられるレシピはたくさんあるのでごぼうを積極的に食べるようにすれば体内のごぼうエキスが不足するということはありません。血行促進や腸内環境の整備に深く関連がある栄養素となるだけに偏った食生活で不足すると便秘や頭皮や肌の荒れなどの症状が現れるかもしれません。
様々な効能があり速効性もきたいできるごぼうエキスですが、安全性が高いため副作用がないともいわれています。したがって過剰摂取により何か目立った症状がでるということは考えにくいのですが、やはりどんな栄養素も過剰摂取を続けるといいことはありません。胃腸の弱い人や日頃から下痢や軟便の傾向になる人は摂り過ぎに留意した方がいいでしょう。偏った食生活になりやすい方、一人暮らしで料理をされない方などはサプリで手軽に摂取するのもオススメです。
「ごぼうエキスの効果や不足、過剰摂取した場合の影響について」のまとめ
東洋では古くから漢方薬として使用されていたごぼうエキスは副作用もないことからデトックスや血行促進などに手軽に活用できます。腸内環境にも深いつながりがあるので不足や過剰摂取に留意しましょう。