ヒスチジン

[監修済] 子どもの成長に欠かせないヒスチジンの不足や過剰摂取による影響について

必須アミノ酸として知られているヒスチジンが不足すると子どもだけでなく大人にもどのような影響があるのか、また、過剰摂取した場合にはどうなるのかを考えます。

子どものヒスチジン不足

人間の成長に重要な役割を果たしているヒスチジンが不足すると成長阻害を引き起こしてしまう原因になってしまうことがあります。特に体内で一切合成することができない子どもは生涯のうちで最も大切な発育期にあたり欠乏状態になると深刻な問題が生じることになることでしょう。特に乳幼児期はヒスチジンが不足状態になりやすいため積極的に摂取させることが大切です。健全な成長のためには豊富な栄養が摂れる食事と適度な運動、そして成長ホルモンの分泌促進が欠かせません。

ヒスチジンはカツオやマグロ、ブリやサンマなどの青魚や子牛肉や鶏肉、乳製品などに多く含まれていることがわかっており、日頃の食事でバランスよく摂取することが大切です。大人は自分の体の状態を管理しながら不足する栄養素を摂取することができますが、子どもは自ら栄養成分のことを考えて自ら食品を選択するということができないので、周りの大人がしっかりと配慮して摂取させるようにしなければなりません。ヒスチジンが子どもの成長ホルモン分泌を促進させる大切な働きがあることを十分認識することが大切です。

大人のヒスチジン不足

子どものヒツチジン不足は成長阻害要因となりますが、大人はどうでしょう。ヒスチジンには赤血球や白血球の形成を促して貧血やアレルギー疾患の症状を改善してくれる役割があります。不足することによって造血機能が促進されず貧血状態や血行不良などの状態になることが考えられます。また、食欲を抑制する働きも衰えるため、加齢とともに基礎代謝が落ちている状態となっているのにカロリー摂取ばかりがなされるため、中性脂肪が蓄積され肥満につながることもあるでしょう。

血液中のコレステロール値が上昇したままとなり、血液がドロドロの状態となって血栓をつくってしまい脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病などの生活習慣病や成人病などのリスクが高まることも避けられなくなってしまいます。毛細血管を通じて肌細胞に酸素が十分に運ばれなくなり、紫外線によって活性酸素が大量に発生し、シミやそばかす、肌荒れなどの肌トラブルが生じることにもつながります。子どもだけでなく体内でヒスチジンの合成が可能な大人であっても不足状態は深刻な体調不良を引き起こす原因となるのです。

ヒスチジンの摂取

ヒスチジンはマグロやサバなどの青魚に多く含まれていることがわかっていますが、特にサバなどを食べる場合には鮮度が重要となってきます。ヒスチジンは体内でヒスタミンを合成しますが、鮮度の低い青魚を食べるとヒスタミンが大量に合成され体内に蓄積されてしまうこととなり、アレルギー様の食中毒の症状が出て発疹や吐き気などを引き起こしてしまう原因になることもあります。どんな栄養素でもそうであるように適量摂取というのが栄養素の働きを最大限に生かす条件となるのです。

ヒスタミンは体内で外部から侵入する病原体などを排除する作用がありますが、外傷や毒素などの刺激を受けると活性化してかゆみやじんましんなどのアレルギー症状を引き起こしてしまうこともあります。ヒスチジンは成人で一日の推奨摂取量が体重1㎏に対して10㎎程度といわれています。青魚などの摂取に留意している食事からは十分に摂れる量なので、過剰摂取には留意する必要があります。特に女性は妊娠中や授乳期に食事以外から摂取することは避けた方がいいでしょう。

ヒスチジンの過剰摂取

日頃の食事で十分に補給することができるヒスチジンですが、サプリなどを利用して摂取している方は過剰摂取に注意することが必要です。ヒスチジンを過剰摂取することで血液中のヒスタミンの濃度が上昇します。神経伝達物質としても機能するヒスタミンですが、ヒスタミンH1受容体と結びつくことによってアレルギーを引き起こす原因にもなってしまいます。強いかゆみやじんましんなどの症状がでることがあり、体質によってはショック症状を引き起こしてしまうこともあります。

特に喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を持病として持っている人はかゆみや炎症などの症状が一般の人よりも強く出てしまうこともあるのでアレルギー体質の方は過剰摂取しないように注意する必要があります。また、葉酸欠乏症の人がヒスチジンを摂取するとホルムイミノグルタミン酸を蓄積させてしまう虞があるため治療に支障をきたすことがあるので摂取しないようにすることが大切です。

「子どもの成長に欠かせないヒスチジンの不足や過剰摂取による影響について」のまとめ

ヒスチジンは子どもの成長に大切な役割を担っているため不足すると深刻な発育障害を引き起こすことになります。大人も貧血や肥満、成人病リスクが高まるので過剰摂取に留意して補給することが大切です。

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