ヒスチジン

[監修済] 子どもの成長に関係の深いヒスチジンの働きや効能について

子どもは体内で合成できず大人になると合成できるようになるという不思議なアミノ酸の一種がヒスチジンです。発育や成長に深い関連があるヒスチジンの働きや効能についてみてみましょう。

ヒスチジンの働きとは?

ヒスチジンは子どもの頃には体内で合成することができず、大人になると合成できるようになるという珍しいアミノ酸で、子どもの発育には欠かすことのできない栄養分です。もともと非必須アミノ酸として取り扱われていましたが、不足すると体内の窒素バランスが乱れ皮膚や神経などに異常が現れることがわかってからは必須アミノ酸となっています。通常、必須アミノ酸は体内で合成することができないのですが、ヒスチジンは唯一体内合成が可能な物でなんとも不思議な栄養素でもあります。

ヒスチジンは、子どもの発育、成長に欠かすことができない大切な栄養素でありながら子どもの時は体内で合成することができないので経口摂取で確実に補給しなければなりません。子どもは未熟であるため自ら摂取する食品を選択したり、適切な頻度で栄養バランスを摂りながら食事をしたりすることができません。子どもの頃こそが将来の健康な体の土台をつくる大切な時期となるだけに周りの大人が十分に配慮して必要な栄養素を摂取させるように心がけなければなりません。

ヒスチジンとダイエット

ヒスチジンを摂取すると酵素の働きによってヒスタミンを合成します。ヒスタミンは血液や血管に深い関連があり血圧を下げたり、造血作用を促進したりする効能があることが知られています。最近では、それに加えてダイエットにも効果が期待できることがわかってきました。脳内には満腹中枢があるといわれていますが、脳内のヒスタミンが減少すると食欲が増し、逆に増加すると食欲が抑制されることが明らかになりました。つまり、ヒスチジンを摂取するとヒスタミンの量が増え食欲を抑制する働きがあり、摂取カロリーを減らすことができるのです。

ヒスタミンは脂肪細胞のなかの交感神経を刺激して脂肪の燃焼を促進する働きもあります。このようにヒスタミンはダブル効果でダイエットに効果があり、効率よく体脂肪を落とすのにピッタリのようですが、直接ヒスタミンを摂取しても脳までその成分を運び届けることができません。それどころかアレルギー反応が起きてしまう虞もあります。従ってヒスタミンを合成する働きのあるヒスチジンを摂取することが必要となるのです。

ヒスチジンの効能

ヒスチジンは子どもにとっての重要な成長に必要な成分であるとともに血管拡張の効能もあるといわれています。血管を拡張するということは加齢とともに血管壁が堅く細くなって血栓でつまることを防いでくれるとともに血流をよくしてくれます。また、ヒスタミンを合成することによって神経機能に働きかけ慢性関節炎などの痛みやストレスを緩和する効能も期待できます。さらに、もともとギリシャ語で組織を意味することもあってか脳梗塞などの脳虚血性疾患を発症した際の脳組織の死滅を抑制する効能についても期待されています。

ダイエットに効果があるといわれているヒスチジンは脂肪に直接かかわること以外に神経機能を補助してくれる役割も担っています。ヒスチジンによって合成されるヒスタミンは脳からの指令を伝達する神経に働きかけて満腹や空腹を知らせます。本来、空腹時のみ食欲が旺盛となるはずですが、満腹であっても食べ続ける軽い症状の過食症などにおいても神経機能を整えることで食欲に関するイライラやストレスを軽減しホルモンバランスも整えてくれる効能も期待できるのです。

ヒスチジンの影響

ヒスチジンが体内に不足していると窒素バランスが崩れて皮膚にも影響が及ぶといわれています。紫外線や雑菌など外部から皮膚へ与えられる様々な刺激から皮膚を守る本来あるはずの機能が発揮できずにシミやそばかすなどの肌トラブルを引き起こすことにもなるのです。ヒスチジンを適切に補給することによって外部からの刺激を軽減させる効果が期待できるため特に美容に関心の高い方には耳よりの情報といえます。子どもの成長にも深い関係があるため細胞分裂も活性化してくれるのでしょう。

ヒスチジンは青魚などによく含まれているためそれほど希少性が高い栄養成分とはいえません。日頃から意識しなくても毎日の食事で摂取していることでしょうが、留意すべきは発育期にある子どもへの摂取です。ヒスチジンを体内で合成することができる大人でも不足すると様々な体の不調が現れてくるため、全く合成することができない子どもが不足してしまうと発育に大きな問題が生じることになってしまいます。魚嫌いの子どもにはサプリなどで適切に摂取させてあげましょう。

「子どもの成長に関係の深いヒスチジンの働きや効能について」のまとめ

子どもの発育に必要でありながら体内で合成できず経口摂取するしかないヒスチジンは子どもの摂取に配慮する必要があります。大人にも様々な働きや効能が期待できるため、適切に摂取しましょう。

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