カプサイシンは、特に不足して困ると言ったことはありませんが、調味料としての価値が高く、家庭や料理を供するお店では、欠かせないもののひとつと言えるでしょう。しかし、過剰摂取での弊害があるのも事実です。
世界のとうがらしとその歴史
トウガラシの発祥の地は、中南米のメキシコ辺りと言われており、何千年も前から食用として利用されてきました。コロンブスがこれを広めたとされており、歴史の教科書にもコロンブスのアメリカ大陸の発見は、周知の事実でしょう。しかし、実際にはその数千年前から原住民たちが住み、新大陸の発見とは言い難いものでしょう。彼らは島へ上陸すると略奪の限りを尽くし、島々を植民地にしたほか黄金や宝石をかき集めるさまは、大海賊そのものだったのでしょう。歴史の為業として認められるのは、新航路の発見と様々な物資の流通でしょう。この唐辛子は、コロンブスが追い求めていたインド胡椒と、勘違いされて運ばれたものです。その名残がレッドペッパーの名称なのです。しかし、当時の人々は、この唐辛子の効能には驚いた事でしょう。カプサイシンは、これまでに見つかっていたどんな辛み成分よりも辛く、倍以上の辛さを持っていました。種も多く育てるのも手間が掛からないので、定着するにはさほどの期間は必要としなかったはずです。
日本のカプサイシン利用法
日本にこの唐辛子がやってきた経緯は、色々と諸説があります。その歴史的背景と、「唐辛子」の名称から、中国からやってきたものと思われていました。この唐辛子は、別な呼び名を南蛮や高麗胡椒とも言い、キムチでも有名な韓国よりも、以前から日本にあった事が歴史的記述で残されています。実際韓国では日本から伝わったものとされており、日本では大友宗麟に献上された記録も残されています。唐辛子が日本に紹介されたのは、食料としてではなく毒薬や観賞用、または足のつま先に入れる事でしもやけの薬としての効能でした。毒として入って来ていましたので、このように入って来ても、しばらくは食べるような事はしなかったのでしょう。しかし、大分では唐辛子の事をコショウと言い、柚子胡椒の発祥ともされていますので、庶民に間ではひそかに楽しまれていたのかもしれません。毒として入ってきた唐辛子は、実際に戦場で使われています。秀吉が朝鮮に攻め入った時も目つぶしとして使われており、現在でも抽出したエキスで痴漢退治などの撃退用に使われています。
カプサイシン不足や過剰摂取の怖さ
カプサイシンの効能には、ダイエット効果があるとされていますが、実際にこれでダイエットに成功した話はあまり聞きません。国立健康・栄養研究所では、世界各地の様々な植物や動物から取られた成分を使って、臨床実験や栄養研究が行われていますが、脂肪燃焼効果は認めていますが、ダイエット効果に対しては、「信頼できるデータなどは見つからない」とされています。この辛み成分は、適度に利用する事で食欲を増大させますが、毎日食べる事によって慣れが出てきます。耐性とまでは行きませんが、少しずつ量を増やす事で辛さに慣れが生じるのです。したがって、いつも辛いものを食べつけている人は、辛さに執着を持つようになり、その不足感から過剰摂取を行うようになる方もいます。辛み不足から常にマイ唐がらしの瓶を所持し、なんにでも書けないと気が済まなくなり、果ては体調に支障をきたす人も居るのです。過剰摂取のし過ぎは、胃を刺激しただれさせる事がわかっています。また、過剰摂取とがんの関係も最近は指摘されており、他の物質と同時に摂取する事で、がんを誘発するのではないかと疑われています。
カプサイシン過剰摂取の弊害
トウガラシは、よく料理のアクセントやより美味しく食べる為の調味料に使われていますが、調味料に使われるという事は、これは味の一種なのでしょうか?味覚には甘み、塩味、苦味、酸味、うま味の五味がありますが、辛みは入っていません。辛みは刺激によっておこる受容体ですので、味覚とは切り離して考えなければなりません。日本料理にはこの味覚の中にえぐみがあり、えぐみには苦みや渋みなども含まれており、日本料理に中では山菜の味や魚のはらわたの味としても、大事にされている味覚のひとつです。カプサイシン過剰摂取の弊害は、味覚障害にあります。辛みを大量に摂取する事で、舌にある味蕾の味感覚がマヒしてしまい、繊細な味を感じなくしてしまうのです。また致死量もあり、体重1kあたり75mg程度で死に至る危険性もあります。この辛み成分は脳にも綿密に連動しており、過度な摂取は脳内にストレルを引き起こして、過度なアドレナリンを分泌を促してしまい、精神に障害をきたす事も懸念されています。過度な摂取は胃や腸の粘膜を刺激して、炎症や損傷の危険を伴いますので、がんの危険性も指摘されているのです。
「カプサイシンの不足と過剰摂取のデメリット 」のまとめ
トウガラシは適度な摂取で、食欲を増大させ脳を活性化させる事がわかっていますが、過度な摂取は思ったよりも危険な結果を及ぼす事がありますので、サプリメントを使う場合にも使用法には、留意する必要があります。