ムコ多糖類

[監修済] ヒアルロン酸やコンドロイチンに代表されるムコ多糖類の働きや効能について

ムコ多糖類という言葉に馴染みがなくてもヒアルロン酸やコンドロイチンはサプリ市場でも人気を誇っているので知っている方も多いと思います。ムコ多糖類の種類や健康にメリットとなる働き、効能について考えます。

ムコ多糖類の特徴

ムコはネバネバという意味のギリシャ語で、ムコ多糖類は体の細胞の周りで水分をしっかりと蓄えているいわば体の潤滑油のようなものといえるでしょう。人間の体内では、靭帯や腱、皮膚や角膜、内臓や髪の毛などのあらゆる場所に存在しており、特にヒアルロン酸は高い保水能力を誇っており、1gあたり6Lあまりの水を保持することができるといわれています。細胞と細胞をつなげる働きのほか、細胞に栄養を運んだり、老廃物を取り出したりしながら体内の循環と代謝を支えてくれています。

多糖類は単糖分子が2つ以上結合することによって構成される糖であり、ほとんどの場合は10個以上の単糖が結合してできています。別名をグルコサミノグリカンとも呼ばれており、大きく分けて、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、へパリン、ケラタン硫酸、デルマタン硫酸の6種類ほどに分けられます。水分をしっかりと保持するとともに血液が凝固するのを防いだり、コレステロール値を下げたりする様々な効能があるといわれています。

ムコ多糖類の効能

テレビやネットでお馴染みの健康サプリ、コンドロイチン硫酸もムコ多糖類の一種ですが、こちらは脊髄や関節の軟骨、靭帯や骨だけでなく目の水晶体や角膜にも存在しています。関節の円滑な動きをサポートするとともに保水力で皮膚の潤いを保つ働きがあります。美容といえばヒアルロン酸をあげる女性も多いことでしょう。ヒアルロン酸はムコ多糖類のなかでも保水力に優れているため、コンドロイチンと同様に肌の瑞々しさを保つ効能があるといわれています。健康サプリのなかでもコンドロイチンやヒアルロン酸が圧倒的なシェアを誇っているのも納得できます。

コンドロイチンやヒアルロン酸はよく耳にしたことがあると思いますが、デルマタン硫酸はどうでしょうか。肌の表皮及び真皮内部に存在しておいてムコ多糖類に共通してみられる保水力の高さから潤いを与えるとともに皮膚の密度を高めてシミやくすみの原因となる紫外線から肌を守る効能があるといわれています。潤いは年齢とともになくなっていくもので効能を期待するのなら補充は欠かせません。ムコ多糖類が女性が最も関心の高い美肌や美白に大きな働きをしていることをよく理解しておきましょう。

ムコ多糖類と関節痛

ムコ多糖類のネバネバとした分泌物にはタンパク質の基となるアミノ酸が含まれており、細胞と細胞の間にゼリー状で存在しながら潤滑油の働きを果たしています。ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸などに代表されることが多いのですが、これらは高分子構造であるため経口摂取で食べたり飲んだりしても腸管でそのまま吸収されることはありません。消化管の細胞から分泌される酵素によって細かく分解されたのちに腸壁にある毛細血管やリンパ管に入ることができるようになるのです。

ムコ多糖類のひとつであるコンドロイチン硫酸が関節痛に効能があるといわれていますが、直接間接で働くわけではなくムコ多糖類を摂取することによって原料を供給し、様々な経路をたどって関節まで到達するのです。したがって経口摂取でサプリを取り入れても即効性はなく長期にわたって継続的に摂取することで時間をかけて効能を感じられるようになります。痛みがひどく即効性を求めるのであれば関節腔に直接注射などで注入するしかないといえるでしょう。

ムコ多糖類の保水力

ムコ多糖類の特徴はなんといっても高い保水力です。ヒアルロン酸配合の化粧品を愛用されている方は多いと思いますが、あのトロリとした肌触りと時間が経過しても肌がプルプルした感じが持続するのもムコ多糖類ならではの粘着性のある液体のおかげです。水分を補給するだけならサラッとした化粧水だけでもいいでしょうが、肌の表面に膜をはったような状態をキープしながら保水性や保湿性を維持するのにはムコ多糖類が向いているのです。

肌で実感できるあのトロリ感が細胞間にも満たされた状態を想像するだけでどれだけ体内が高い保水力で保たれているかがわかるでしょう。加齢とともに膝痛や腰痛を発症しやすくなるのも粘着性のある液体分泌物が減少することが原因となっているということが容易に理解できます。肌の潤いがなくなるだけならまだしも、細胞間の潤滑油が減少すれば様々な体の支障がでてきて当然でしょう。肌の弾力やスムーズな関節の動きに必要不可欠なムコ多糖類は健康と美容のために適切に摂取していく必要があるといえます。

「ヒアルロン酸やコンドロイチンに代表されるムコ多糖類の働きや効能について」のまとめ

ムコ多糖類は体内の細胞間の潤滑油としての大切な働きをしており、関節痛や美肌に効能が認められています。年齢とともに減少していくためサプリなどで積極的に摂取していくことが大切です。

関連記事

  1. [監修済] エクオールってどんな成分?働きや効能は?
  2. [監修済] シトラスの働きや効能を教えて!
  3. [監修済] ステアリン酸の働きや効能についてご紹介!
  4. [監修済] イノシトールという成分が持つ働きや効能について
  5. ルチンの効能と効果【ビタミンPとも呼ばれます】
  6. [監修済] ヒト由来の成分であるヒトプラセンタの働きや効能につい…
  7. [監修済] 糖質の種類とその働きについて:糖質不足の危険性につい…
  8. [監修済] 知っておきたいゼラニウムの効能と働きについて

ピックアップ記事

カテゴリー

PAGE TOP