レシチン

[監修済] 大豆や卵黄に含まれるレシチンの健康や美容への働きや効能について

リン脂質の一種であるレシチンは、体内の細胞の核や細胞膜、脳内に多く存在して神経系や血管系の働きに大きく関与しているといわれています。健康や美容にメリットのある働きや効能について考えます。

効果で分かれるレシチン

レシチンは昔、ホスファチジルコリンと呼ばれるリン脂質の別名でしたが、現在ではリン脂質を含む脂質製品を総称する言葉として認知されています。体内に約60兆個も存在するといわれている細胞の核や膜に存在しているのがレシチンで、細胞に必要な栄養や酸素を取り入れながら老廃物などを排出する働きを担っています。レシチンは水にも油にもよくなじむ性質があり、脂溶性があることで血管壁にこびりつくコレステロールを溶けやすくするとともに水溶性の性質を利用して老廃物を血液のなかに溶かして血行をよくする働きがあるといわれています。

レシチンは大豆レシチンと卵黄レシチンに2つに大きく分かれており、働きや効能に大きな違いはありませんが、目的によって使い分けされることが多いようです。卵黄に含まれる卵黄レシチンには、神経系に関与するホスファチジルコリンが多く含まれていることから摂取することによって脳機能改善の効果が期待されています。一方、大豆に多く含まれる大豆レシチンは血管系に関与し、血液中に長く留まって血行不良や動脈硬化などの予防や症状の緩和に寄与するといわれています。

レシチンと脳

人間の脳内には多くのレシチンが存在しており、140億個ともいわれる脳細胞の活動をサポートしながら、神経細胞感を情報伝達物質が頻繁に行き来しながら記憶や判断などの活動がおこなわれています。レシチンの構成要素のコリンは体内に吸収されると脳内まで到達し、神経伝達細胞であるアセチルコリンの材料となります。脳のアセチルコリン濃度は記憶や脳機能を左右しているといわれているため、レシチンが不足することによって不眠症や記憶力の低下が起こる可能性があるとされています。

人間は脳の領域を全て使うことなく生涯を終えるとよく言われますが、その一方で20歳を超えた頃から1日に2万~3万もの脳細胞が破壊されていくともいわれています。加齢とともに脳細胞が減少していくこととレシチンを構成成分としてできている脳の神経線維を覆っているミエリン鞘という絶縁質が傷つくことで認知症やアルツハイマー症を引き起こしてしまう可能性があるとされています。日常的にレシチンを摂取することで脳細胞の破壊を最小限に抑えることができるといえるでしょう。

レシチンと動脈硬化

様々な重篤な疾病の要因となる動脈硬化は血中コレステロール値が上昇することによって引き起こされることが明らかになっています。コレステロールが血管壁にこびりついたり、血管のしなやかさを失わせたりすることによって血流が悪くなり、血管壁が固く厚くなることによって動脈硬化の状態となります。レシチンは水溶性と脂溶性の両方を持ち合わせていることで本来溶け合うことのない水と脂が混ざり、コレステロールが血液中の水分に乳化するようになります。このことにより、余分なコレステロールをレシチンが溶かして血管壁に沈着するのを防いで血中コレステロール値を下げる働きや効能があるといわれているのです。

コレステロールが蓄積されると脂肪肝となるリスクも高まります。レシチンの構成要素であるコリンが肝臓における脂質の代謝に大きく寄与しているとともにレシチンそのものが肝機能を保護する働きがあるといわれています。レシチンは、肝臓の細胞であるクッパー細胞や多核細胞、善玉コレステロールを増加させるとともに脂肪肝や肝硬変の予防や症状の改善にも効能があるとされており、肝機能を高めて不要な物質を細胞の外に排出する働きもあるといわれています。

レシチンの美肌効果

ストレス社会といわれて久しくなりますが、仕事や人間関係、経済的理由、恋愛など様々な理由がストレスの原因となり、自律神経のバランスを大きく崩してしまうことにもつながっています。偏頭痛や食欲不振、不眠や気分の落ち込みなどが症状として出ても受診するまでもないと放置していることが多いのが現状でしょう。そんな時におすすめがレシチンで、摂取することにより、脳内の神経伝達物質に働きホルモンバランスなどにも影響を及ぼすことも考えられるため、自律神経のバランスを整え集中力の向上にも期待できるといえます。

女性は特にストレスが肌の状態に大きな影響を及ぼすといわれています。レシチンは、溶けにくいコレステロールを血液中で乳化させる働きがあることから血流の改善に効能があるとされています。血行、血流が改善されるということは体の隅々まで酸素や栄養分が届けられるとともに老廃物や毒素も排出されることにつながり、肌の新陳代謝を促進してトラブルを防ぐことができます。また、レシチンには皮膚の熱損傷によるダメージを抑制する働きもあるといわれているため日焼けなどから皮膚を保護してくれる効能にも期待がもてます。

「大豆や卵黄に含まれるレシチンの健康や美容への働きや効能について」のまとめ

レシチンは特に脳や神経組織などに多く含まれており、細胞膜の主要な構成成分となっており、記憶力や学習能力を高める効果や動脈硬化の予防、肝機能や美肌効果を高める働きや効能があります。

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