シソ(大葉)

[監修済] シソ(大葉)の優れた効能とその働きを知っておこう 

シソ(大葉)は日本人の食卓には、非常にポピュラーな野菜と言えますが、最近は成分の中に優れた働きや効能がある事がわかっています。これをうまく利用する事と、上手く摂りいれる事を考えます。

シソ(大葉)の歴史と日本人とのかかわり合い

しそは日本古来からある野菜の一種で、漢字では紫蘇と書きます。色の違いがあり、赤紫蘇と緑色の青紫蘇とがありますが、特に緑色の葉で大きな品種を「大葉紫蘇」と呼んでおり、生産販売されています。紫蘇の種類は豊富で生命力に優れている事から、一度蒔いておけば勝手に増えていく事も多く、あまり手間のかからない野菜と言えるでしょう。古くから効能が知られており、原産地は中国やミヤンマー、インド辺りと言われています。日本には中国を経由して入って来たとされており、この紫蘇という漢字には逸話があり、それは後漢の末期の頃でした。中国の華佗は有名な医師でしたが、当時カニを食べ過ぎた若者が食あたりを起こして生死をさまようほど苦しみました。そこで、華佗が紫色の薬草を煎じて飲ませたところ、若者は蘇ったかのように元気になったのだそうです。こうして紫蘇の漢字が充てられたと言います。色が紫色だったところから、この紫蘇は赤紫蘇だったのでしょう。日本料理においては、この大葉紫蘇は刺身に欠かせないものとなっており、その働きも古くから知られていたのです。

シソ(大葉)効能とその働き

主に食用とされている紫蘇は、赤紫蘇と青紫蘇である大葉紫蘇ですが、赤紫蘇と青紫蘇ではその働きや効能は少し違っています。シソは古くから、漢方や民間薬としてその効能が知られており、抗菌作用があるほか喘息の症状を緩和する効能があるとされているものです。シソには抗アレルギー作用のある有効成分があり、「ルテオリン」は抗酸化物質活性や炭化水素代謝の促進を促す働きが知られており、免疫系の調整を行い2型糖尿病の治療等の可能性を持っているのではないかと言われています。そして「アピゲニン」などのフラボノイド配糖体は、「オートファジー」という過程を誘導する効果を持っているということがわかり、今後、化学的疾病予防剤になるのではないかと期待されています。また、抗酸化力が強く、アレルギー性鼻炎や花粉症などのアレルギー症状を抑制する働きをするといわれている、「ロスマリン酸」なども含まれているのです。しかし、有害な成分である刺激物質が検出されており、ペリルアルデヒドとぺリラケトンという成分は、接触性皮膚炎というかぶれの原因にもなります。

シソ(大葉)と健康

紫蘇は野菜という側面よりも、毒消しなどを含めた薬用に使われる事が多かった野菜です。現在でも漢方に使われており、特に赤紫蘇の葉を「蘇葉」または「紫蘇葉」と名付けており、気が停滞している状態を改善する効果や精神を安定させる目的で、理気薬として神秘湯や半夏厚朴湯、香蘇散などの漢方に配合しています。また、熟した実は「蘇子」と言い、咳や喘息の治療効果があるほか、便秘改善などの治療に使われているのです。葉と実にはルテオリンというフラボノイドや酵素成分を含んでおり、さらにロスマリン酸を含んでいますので、現代病と言われる花粉症を始め、アレルギー性鼻炎などにも効くとされています。しかし、しその効能にはいまだ知られざる効果があるとされており、有害なものも含めて未だ研究されています。サプリやエキスなども販売されており、紫蘇油はリノール酸として、健康食品に多用されていますが、リノール酸はオメガ6脂肪酸ですので、オメガ3脂肪酸とのバランスが大事だと言われています。摂り過ぎによる弊害もありますので、気を付かなければなりません。

シソ(大葉)は手軽に育てられる

紫蘇は日本の優秀なハーブでもあり、お刺身の妻やそうめんやうどんの出汁を始め、ドレッシングやパスタなど、ちょっと一味という時には欠かせない食材でもあります。この紫蘇は家庭菜園で、素人でも簡単に作れる野菜でもあるのです。紫蘇は赤紫蘇もありますが、育てるとなると小回りの利く使い方のできる青紫蘇が良く、手軽に育てる事ができます。用土には特にこだわりはありませんが、多杷は必要ありません。家庭で育てるのに適しているのはプランターで、発芽も早く収穫も手早く出来るのがメリットと言えるでしょう。虫も付きにくく農薬などは必要ありませんが、ある種の虫は紫蘇を好む特性がありますので、こまめには裏を覗いて捕殺するのが良いでしょう。たくさん育てる時は木酸や柿渋エキスを薄めて散布に使うと効果的です。種から育てても、苗から育てても余り変わりませんので種から育てますが、葉が4,5枚になったら摘心を始めます。摘心をする事で葉の数を増やす事ができますので、苗が育ったら場所を整理して、風通しを良くします。穂が出て実を付けると枯れますので、葉を取り続けるにはこの花穂を取ってしまいます。

「シソ(大葉)の優れた効能とその働きを知っておこう」のまとめ

紫蘇は家庭に常備しておくと、何かにつけて便利な薬味になります。大量に出来た時には紫蘇酒を作る事をお勧めします。紫蘇のできない冬場でも、美味しいエキスを堪能する事ができるでしょう。

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