グルカン

[監修済] 脳と腸を元気にするグルカンの成分とその働き

グルコースとよばれるブドウ糖からできている多糖類のことをグルカンといいます。αグルカンとβグルカンの二種類があり食物繊維のひとつです。それぞれに私たちの脳に必要な栄養となったり、免疫機能に良い働きをするといわれています。今回はそのグルカンの働きと、含まれる食品ついて紹介します。

脳の栄養になるαグルカン

何か作業などをしていて集中力が切れたときに、チョコレートなどの甘いものがほしくなったことはありませんか?それは私たちの脳がブドウ糖を栄養源として働いているからなのです。

脳は情報を収集し、纏めて指令をだす重要な部分です。また嬉しい、辛いといった感情などとも深い関係があります。その脳が唯一栄養にできるのがブドウ糖です。もし栄養が不十分だと脳が働かず、指令がうまく伝わらなくなるので、物事に取り組む意欲がうせたり、きちんと計画を立てて動いたりということができなくなってしまいます。

αグルカンに属しているグリコーゲンという成分は肝臓でブドウ糖へ分解され脳の栄養となることができるのです。集中力が必要な仕事や、勉強が本業の学生さんにも役立つ成分だといえます。
またこのグリコーゲンは筋肉に蓄えらると、筋グリコーゲンと呼ばれ運動するときの持久力を保つ助けにもなります。αグルカンは食品で言えば、うるち米やとうもろこしやジャガイモなどに含まれています。

グルカンは食物繊維

便秘になる原因は様々ですが、そのうちの一つに食物繊維の不足があげられます。推奨されている食物繊維の一日の量は男性だと約19g、女性であれば約17gですが、ある調査によると成人の平均摂取量がそれを下まわる13.8gであったと報告されていました。食生活が偏ると食物繊維も摂りにくくなってしまいます。

便秘になると体には様々な不調が生じてしまいます。例えば下腹がぽっこり出たり、肌の吹き出物に悩まされたり、歯を磨いていても口臭がしたりと良いとこなしです。ひどくなるとお腹が痛くなってしまうこともあります。自分が食物繊維が不足しているかどうかはお通じの様子でわかります。基準としては、1日1回、大体バナナ1、2本分ほどの量が出ていれば問題ないとされています。

グルカンの多くは不溶性の食物繊維です。不溶性食物繊維は水に溶けず、水分を吸収してかさを増していきます。腸の中でかさが増えていくと、腸の壁を刺激して蠕動運動を起こします。この反応は特に朝起きて食事をとった後に活発になります。それで朝ごはんのときにグルカンのような食物繊維をとると便秘解消の効果を期待できます。その場合は水分をしっかりとることも忘れないようにしましょう。

また不溶性食物繊維には歯ごたえのあるものも多く、しっかり噛むことが必要になってきます。このしっかり噛むという動作によって、脳に血が巡りやすくなり、記憶と関係のある海馬というところが活性化されて、記憶力が良くなると言われています。
グルカンを含む食物繊維の食品を摂る時には良く噛んで食べることにより消化もよくなりますし、脳の活性化も期待できます。また満腹感を得やすいので、健康的なダイエットにも向いています。

グルカンを含んでいる大麦のように水溶性の食物繊維を多く含む食品もあります。水溶性の食物繊維は水分を吸収するヌルヌルとしたゲル状になり、余分な栄養や有害なものを包み込みながら腸の中をゆっくり進んで排泄させます。そうすることでブドウ糖の吸収が過剰にならないようにしてくれるので、血糖値が急上昇しないよう防ぐ効果を期待できます。また細胞膜やホルモンの材料であるコレステロールの吸収も抑えてくれる働きを持っています。

免疫力を高める

私たちの体では外から入ってくる細菌やウイルスなどが侵入してきたときに、それと戦うマクロファージや好中球といった白血球が働いています。こういった病原体をやっつける細胞が働いてくれているおかげでいろいろな病気から守られるのです。βグルカンはこれらの免疫細胞が活発になるように働きかける作用があると言われています。もし免疫細胞の元気がなくなり、免疫力が下がると風邪をひきやすくなったり、ストレスにも弱くなったりします。免疫細胞を活性化して健康な強い体を作りましょう。

βグルカンが含まれる食品には、大麦やオーツ麦、まいたけやしいたけなどのきのこ類にも多く含まれています。また、最近の研究ではβグルカンだけでなく、αグルカンにも免疫系に働きかける作用があるのではないかと言われています。

効果的な摂り方とは

便秘解消にも作用を期待できるグルカンはお米やパンの酵母、ひらたけやエリンギ、なめこなどにも含まれています。腸は人の免疫の機能を保つのに重要な役割をしています。腸が正常に働くと、心拍数を下げたり、血圧を下げたりして体を休める働きのある副交感神経の働きが優位になり、ウイルスと戦う白血球の数を増やすことができ、免疫力アップにもつながります。

またβグルカンは腸の壁にある免疫細胞に働きかけるので腸が空っぽになりやすい、お腹がすいているときに摂るのが効果的との報告があります。それで朝食などでグルカンを含んだきのこなどをお味噌汁にいれて食べたり大麦を白米にまぜて食べるなどすると良いでしょう。

「脳と腸を元気にするグルカンの成分とその働き」のまとめ

グルカンはあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、食物繊維で便通をよくしたり、私たちの免疫系に働きかけてくれる大切な成分です。作用を高めるためにも朝食など空腹になりやすい時にグルカンを含む食品やサプリメントを取ることができます。

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