ヒト由来で安全性が高いといわれているヒトプラセンタは不足という状態があるのか、また過剰摂取することでどのような影響があるのかについて考えるとともにヒトプラセンタの品質についても考えます。
ヒトプラセンタの補給
ヒトプラセンタには様々な効能が認められていますが体内で不足するため積極的な摂取が求められるというものではなく、年齢とともに様々に起こりやすくなる症状を改善する目的で摂取することが望ましいものといえます。最近では肝機能障害や更年期障害の治療ではなく自然治癒力や免疫力を向上させるために摂取する方が増えているようです。例えば、発育期にある子どものアレルギー性の疾患や夜尿症の緩和にも効果が期待されています。
ヒトプラセンタの注射や点滴の効果の持続期間は2,3日程度といわれており、慣れてくると1習慣に1回程度の頻度で注射を継続する方が多いようです。加齢とともに筋力の低下や体脂肪の増加、免疫機能の低下やコレステロール値の上昇など健康な生活を送っていても避けて通ることができない老化の問題があります。ヒトプラセンタに、これらの症状を緩和してくれるいわば抗加齢の効果が期待できるため必要な栄養成分の不足を補うというよりも積極的に補給する意味合いで利用することが望ましいといえるでしょう。
ヒトプラセンタの摂取上の留意点
体内の必要成分が不足してそれを補充する目的で摂取するのはでないヒトプラセンタは、新たに対外から摂り入れることになるので副作用が生じないわけではありません。過剰摂取やそれぞれの体質にもよりますが、例えばニキビや吹き出物が出やすくなる、寝付きが悪くなり、朝の目覚めが速くなるなどが報告されています。また、女性の胎盤から抽出した成分であるため女性への作用が顕著となって、生理時の出血量が多くなる、胸が張るなどの女性ホルモンと関連した症状がでる場合もあるようです。
一度でもヒトプラセンタを注射や点滴で摂取した方は厚生労働省により、輸血ができなくなります。これは輸血血液の安全性を十分に確保するための行政的な対応で、ヒトプラセンタの摂取で感染症などを発症するわけではないことをきちんと理解しておきましょう。ヒトプラセンタはウイルスなどで汚染される虞のない物に限って原料として使われており、抽出の過程でも細心の注意が図られています。効能とともに安全性には十分過ぎるほどの配慮がなされているため安心して摂取できるといえます。
ヒトプラセンタの品質
健康食品としてプラセンタに関する商品が市場で販売されていますが、ヒト由来のものではないということを理解して摂取するようにしましょう。健康食品として取り扱われているサプリの殆どはビタミンやミネラルなど他の様々な成分が配合されているのでマルチサプリとして利用するのには適しているといえるかもしれません。プラセンタや他の成分の含有量をよく確認して正しく摂取することが必要です。化粧品に配合されているものもありますが、ヒトプラセンタが使用されることはないといっていいでしょう。
病院で処方されるヒトプラセンタもその原料や抽出の方法によって品質に大きな差が生じることがあります。高品質のプラセンタは、最新の抽出方法によって胎盤に含まれている豊富な種類のアミノ酸やビタミン、ミネラルなど生命維持に必要な成分が最大限に生かされているため料金も高くなりますがその効能と安全性への信頼は絶大なものといえるでしょう。ただし、それだけ豊富な栄養成分を大量に含むものであるだけに過剰摂取には十分な注意が必要となることも確かです。
ヒトプラセンタの過剰摂取
ヒトプラセンタは赤ちゃんの成長を支える胎盤から抽出されたヒト由来のものであるため、安全、安心なものといえます。ただし、それだけ栄養満点で豊富な成分が大量に含まれているために過剰摂取することの不都合もあるといえます。特にビタミンCやビタミンE、亜鉛やカリウムなどは過剰摂取することで様々な支障が出るといわれており、他にも脂溶性のビタミンAなどの体内に蓄積されてしまうものもあります。ヒトプラセンタにはどんな成分がどのくらい含まれているのかについては事前によく知っておく必要があるでしょう。
一般的にはヒトプラセンタの過剰摂取においては、成分を十分に分解することができずにニキビや吹き出物、肌のかゆみなどが現れることがあるといわれていますが、他の栄養成分を過剰摂取した時と同様に個々に作用する栄養素が多いだけにそれぞれの過剰摂取による悪影響がでる可能性も考えられるため適量の摂取に心がけることが基本となります。高い美容効果を求めて必要以上に摂取することがないように注意しましょう。
「健康や美容に効果のあるヒトプラセンタの不足や過剰摂取による影響について」のまとめ
胎児の成長の驚異の力を発揮するヒトプラセンタは、加齢とともに細胞などの老化が進むのを抑制してくれる成分で不足を補うというよりも新たに摂取するものです。過剰摂取には留意が必要です。