蛋白質を構成するアミノ酸の一種であるプロリンは、美容成分であるコラーゲンの主要な成分です。老化が気になる方や美しさを求めてやまない方は、その成分を含む食品が必要ですが、その摂り方にもコツがあるのです。
コラーゲンペプチド
蛋白質はアミノ酸が連鎖しているもので、体を作り上げている臓器や器官は、その繋がりの違いによって様々な部位に違いが出てきます。つまり同じ蛋白質を作るアミノ酸であっても、その効果は同じではなく、それぞれの役割を担って行動を起こしているのです。コラーゲンは、アミノ酸が鎖状に構成されており、その構造が繊維状や膜状の行動を作り上げているのです。この特殊な形状がコラーゲンの特徴である弾力性と、優れた保水力を産み出しているのでしょう。
プロリンを含むアミノ酸の研究は、現在でも沢山行われている研究材料のひとつですが、コラーゲンを構成しているだけではなく、その生成を促す誘い水の役割を果たしている事がわかっています。ある実験では、ヒト真皮線維芽細胞にプロリンを含んでいるコラーゲンジペプチドを投与した結果、ヒアルロン酸の量が4倍近くに増え、皮膚線維芽細胞そのものも実に1.5倍も増得た事が実験の結果わかっています。また脂肪細胞に、このコラーゲンペプチドを投与すると、肥満の原因である脂肪滴の減少も認められているのです。
プロリンを含む食品の数々
一言で蛋白質と言っても、その構成や役割も形状も異なっているために、コラーゲンを効果的に食品から摂取する事は難しいものです。しかし、食品中のコラーゲン量は、ヒドロキシプロリンの量によって、おおよその見当を付ける事ができる為、表示のあるものにはこの量に着目するのも、目安の一つになります。そして、ヒドロキシプロリンはコラーゲンそのものと、成分が似た蛋白質にしか含まれない為に、コラーゲン含有量のおおよその見当がつくというわけです。
また、簡単に部位で判断するという方法も考えられ、コラーゲンを多く含むのは動物もほぼ同じであり、そうした同じ個所をチョイスして食べるのもいい考えです。おでんの牛筋などの筋部分や、アキレス腱などはコラーゲンが大量に含まれている部位で、テールなども同様に多く含まれています。また、皮にも多く含まれていますので、そうした部分を利用するというのもいいでしょう。最近は豚骨スープにも、良質のコラーゲンが含まれている事がわかり、大人気ですがラーメン1杯の塩分で、1日の塩分摂取量の半分以上を占めますので気を付けなければなりません。
プロリンの過剰な摂り方と欠乏
プロリンは、蛋白質に多く含まれているグルタミン酸から生成されるもので、通常の食事では足りなくなる事がほとんどないとされています。ただし、ダイエットなどを含む無理な食事制限を行うと、足り無くなるという事もあり、バランスのいい食事は気を付けたいものです。また、冷凍食品や既製品、お菓子や加工食品、調味液やドレッシング類など、インスタント食品の多くはこのグルタミン酸を多く含んでおり、摂取のし過ぎは禁物と言われています。バランスのいい食事を心がける事が健康の第一歩と思って下さい。
グルタミン酸は毒性の強いものであり、致死量は体重50kgで1kgに相当します。これよりも量が少なくとも、摂取過剰による副作用で、しびれや頭痛などの症状が現れる事があります。グルタミン酸の毒性は神経系のもので、内因性興奮毒としての性質を持ち、細胞死やパーキンソン病の発症に関係しており、抑うつなどの神経症に関わっているとされていますので、グルタミンの摂取方法については、理解の上摂取しなければなりません。
プロリン食品の上手な摂り方
プロリンを含む食材には、豚肉の赤身部分や、動物性のゼラチン質に多く含まれています。スッポンやエイ、サメなどにも多く含まれており、皮の部分や軟骨にも多く含むのがその特徴と言えるでしょう。お菓子では、ゼリーやマシュマロに含まれていますが、糖分を含みますので嗜好品程度にとどめておくのが無難と思われます。植物性のものにも含まれており、小麦蛋白であるグルテンに多く含まれ、生麩などや焼き麩に含まれています。
また畑のお肉と言われる大豆蛋白質に多く含まれ、湯葉や高野豆腐といった大豆製品に多く含まれていますので、加工食品ではなくこうした食品からの摂り方が安全であると思われます。コラーゲンは水溶性で、ある程度の温度になると溶けだしやすいという性質を持っています。こうした性質を上手く利用して、スープやシチューなど汁やソースごと食べられる料理で利用すると、より効果的な摂取が見込めます。身近な手羽先などはよく出汁が出ますので、スープやポトフなどが効果的で、魚も皮ごと食べる事で栄養をより吸収できる事になります。
「プロリンを含む食品の摂り方のコツと健康法」のまとめ
プロリンを含む食品の摂り方は、なるべく自然のものから摂るようにしますが、一人住まいなど不規則な生活習慣がやむを得ない場合は、プロリンを含むサプリメントや健康食品などの利用を考えてみましょう。