フェルラ酸

[監修済] 認知症予防などに効果が期待されるフェルラ酸の働きや効能について

フェルラ酸はポリフェノールの一種でありながら脳細胞を保護したり、血圧を下げたりする効果があるといわれています。フェルラ酸が具体的にどんな働きや効能を表すのかについて考えます。

フェルラ酸の働き

食品を劣化させる最大要因は酸化であるといわれています。ポリフェノールの一種であるフェルラ酸には抗酸化作用が認められていてバナナが黒くなるのを防いだり抹茶やグリンピースなどが退色することを抑制したりする用途で使用されることもがあります。主に化学合成によって製造されますが、自然界では植物の細胞壁やγ-オリザノールなどにも存在が認められており、最近では米ぬかなどから抽出する技術にも注目が集まっています。植物由来の天然成分であれば安全性にも確信がもてるため摂取に不安感もなくなることでしょう。

フェルラ酸の働きとして酸化防止とともに紫外線吸収機能があります。紫外線を浴びるとメラニン色素が生成され沈着することでシミやくすみの原因となりますが、フェルラ酸はアミノ酸のひとつであるチロシンを酸化してメラニンを作る酵素であるチロシナーゼの働きを抑制する働きがあるため、メラニン生成を抑制し肌への色素沈着を防いで若々しい肌を維持する効能が期待できるといわれています。女性だけでなく男性にも美肌効果を目的としてフェルラ酸を摂取する方も多いようです。

フェルラ酸の脳神経保護作用

フェルラ酸には脳神経を保護し傷んだ脳細胞を修復してくれる働きがあるといわれているため脳の認知機能の改善やアルツハイマーの進行を抑える効能が期待されています。アルツハイマーなどの脳の病気は、徐々に脳細胞が死滅していくことで発症することが多く、最近で認知症に悩む人のだけでなく若年性のアルツハイマーの方も増えているといいます。本来、脳内で神経の成長と修復の作用があるβ-アミロイドペプチドは、脳内に炎症が生じるとアルツハイマーを引き起こす原因物質にもなってしまいます。フェルラ酸は、このβ-アミロイドペプチドを保護する作用があるといわれています。

老化や活性酸素の影響を受けることにより脳内で炎症が起きるのですが、フェルラ酸には傷んだ脳細胞を修復し細胞が壊死してしまうことを防いでくれる保護作用があるためにアルツハイマー型の認知症などの予防に効能が期待されています。また認知症だけでなく、学習記憶力の向上にも効能が期待されているため、今後の研究によっては、画期的な治療薬となる日が来るかもしれません。

フェルラ酸の抗酸化力

フェルラ酸には抗酸化作用があることがわかっています。加齢やストレス、アルコールなどによって活性酸素の影響を受けて細胞の活性化が阻害され新しい細胞ができにくくなり、体の内部から老化が進んでしまいます。高血圧や高血糖の状態が長く続くと動脈硬化のリスクが高まり、心筋梗塞や脳梗塞などの重大疾患を引き起こす原因となってしまうこともあります。フェルラ酸は抗酸化作用により高血圧や高血糖の状態を改善する働きがあるといわれています。

人間は生きるためのエネルギーを様々な食べ物のなかから栄養素として摂取しています。そのなかでもブドウ糖は体を動かしたり脳細胞を活性化させたりするためのエネルギー源となるもので欠かすことができません。しかし、加齢とともに基礎代謝が下がってくると消費されずに残ってしまうブドウ糖は血中の血糖値を上昇させてしまいます。フェルラ酸は血糖にも働きかけ正常な状態を維持するのに機能してくれます。規則正しい生活習慣や食生活だけでは調整が効かなくなってしまった場合には適切にフェルラ酸を摂取することがおすすめです。

植物由来のフェルラ酸

健康のために玄米食を心がけているという方も増えていますが、フェルラ酸は玄米からも摂取することができます。最近は白米や精白小麦などを摂る傾向が高いことからフェルラ酸の摂取量は減少しているといえるでしょう。植物由来の天然成分であるためお菓子やデザートの酸化防止剤にも使用されているほどで安全性を心配することがないのも魅力です。天然の植物由来の物となるので冷蔵庫での保管などに留意し劣化に気をつける必要があります。

脳細胞の保護に高い効能が認められているフェルラ酸ですが、血液にも作用し善玉コレステロールを活性化してくれる働きも期待されています。血圧や血糖血、コレステロールというものは全て生活習慣病との関連が深いものであり、正常に保つことで様々な病気の予防に効果があるといえます。つまり、フェルラ酸の高い抗酸化力は脳だけでなく体全体の健康をいじするのにも効果があるため不足のないように摂取することが大切なのです。

「認知症予防などに効果が期待されるフェルラ酸の働きや効能について」のまとめ

認知症や脳梗塞などの予防だけでなく美白や高血圧予防などの働きや効能が期待できるフェルラ酸は高い抗酸化作用を発揮してくれます。ライフスタイルによっては不足しがちになるので注意が必要です。

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