にがり

[監修済] にがりの利用法と効能と効果の有無とを検証 

にがりは海水に含まれている成分で、人間が必要としているミネラル分でもあります。2004年のTVの放送で、その美容効果があるとされてきましたが、その後賛否両論の話題にまでなっています。

塩と人間の重要な関係性

塩は人間が生きていく上で、必要不可欠のミネラル分です。では、塩が無ければ人間の体は、一体どうなって行くのでしょうか。大人になって怪我をした事無い方は滅多にいない事でしょう。唇を切る事もあり、その時に自分の血液をなめた経験のある方が大半だと思います。そう、人間の血液には塩分が含まれており、塩味がします。塩は人間の体内に入ると塩素とナトリウムに変化して、ナトリウムは塩味なのです。血液の中の塩分であるナトリウムは、体内の水分調整を行っています。ナトリウムの役目は水分量や血圧のコントロールだけではなく、体のエネルギー源であるブドウ糖やアミノ酸を吸収するときにも、欠かせない物質です。ナトリウムがあるからこそ、細胞内に栄養を運ぶことができます。さらに筋肉を動かす事にも作用していますので、筋肉を動かせなくなり体は弱って行くのです。体の新陳代謝が弱ると栄養を摂取しても、体内に取り込む事もできず、肌はカサカサになり筋力は衰え、それに伴い体を支える関節も弱まり、やがて立つ事さえままならなくなります。

にがりと塩の関係性

にがりは、海洋民族独特の物質とも言えるでしょう。海洋国家はにがりを含む塩が豊富な為、ミネラルの補給に問題が起こるような事はありませんでした。では海の無い国はどうやってこの塩を手に入れたのでしょう。それははるか昔、海で逢った場所が隆起して山になった場所で採れる岩塩でした。岩塩は海で採れる海塩よりも高級なものだったのです。その塩の重要さゆえ、昔から争いの種にもなったのです。塩が不足すると体内に取り込む水分のコントロールができなくなり、栄養素も供給されず、有害な物質も体から排除できなくなりますので、体には重大な障害が及ぶ事になります。したがって塩が無い国は、塩を止められる事は死を意味していました。海水から塩を作るにも非常に手間が掛かり、塩田は天候で左右されるものでした。更に塩田で仕上がった塩は、にがりがそのまま残りえぐみがある為、食用にはできなかったのです。そこで「枯らし」という技法を用いて、半年ほど放置しにがりを取り去り、食用に使える塩作りをしたのでした。

にがりの利用法あれこれ

にがりは塩作りにとって、要らない不要な存在でした。しかし、枯らしの技術を用いても完全に取り去る事は出来ませんでしたが、この微妙に残ったミネラル分が、逆に塩の味を美味しくしたのでした。これが天然塩と呼ばれているもので、現在は枯らしを行わず、遠心分離機でにがりの調整を行っています。国内で売られているほとんどの塩は、工場で機械的に生産されているものです。サラサラの「食卓塩」には、純度99%以上の塩化ナトリウムに、カルシウムやサラサラにする為の炭酸マグネシウムを添加しているもので、「食塩」はイオン交換膜法で濃縮乾燥して作られたものです。「塩」は食品工業用やソーダ工業用に使われるもので、商品名の違いにはこういった仕分けがなされています。食卓塩は、料理屋など日本料理の専門店で使われることはなく、高級店のほとんどは天然の塩を好んで利用しています。これは食卓塩が味に角が立つだけではなく、吸い物などに利用すると白く濁る為に、嫌われているのです。本来の塩は、自然に置いてあるだけで湿気により固まってくるのが普通で、湿気を吸いやすい性質があるのです。

にがりの効能と商品について

にがりは塩を作った後の残留物であり、その主成分は塩化マグネシウムで、カルシウムはほとんど含みません。豆腐を作るのににがりを使い固めますが、これはマグネシウムが蛋白質を、固める作用を利用した製法です。ただし、天然のにがりを使っているところも少なく、塩化マグネシウムを添加してもにがりの表示を行えますので、天然のものを使用している場合には、天然にがりの表示があります。塩化マグネシウムの利用はほかに肥料等の製造や電気分解による金属マグネシウムの製造を行ったり、凍結防止剤、防塵剤、防火剤製造の原料にされるほか、浣腸液等の製造にされており、TVでダイエット効果をうたった放送がありましたが科学的根拠は無く、飲み過ぎによる下痢作用や、ミネラルの吸収阻害が起こり、高マグネシウム血症などの悪影響が出る場合があるとの勧告が国立健康・栄養研究所からなされています。ただし、マグネシウムははや骨の形成に必要なもので、体内酵素の働きの助けをしており血液循環に役立つ栄養素です。ただし飲用は危険で、下痢などの危険性が指摘されています。

「にがりの利用法と効能と効果の有無とを検証」のまとめ

にがりの主成分は塩化マグネシウムで、2008年以降に癌や糖尿病、育毛、生活習慣病に効くという触れ込みで、販売した業者が逮捕されています。栄養効果はありますがマグネシウムは、便の水分を増やす効果がありますので注意しましょう。

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