イタドリ

[監修済] 昔から人に利用されてきたイタドリとその効能 

日本ではイタドリを古くから食べてきましたが、場所によってはスカンポやスッポンなどとも呼んでいます。同じ呼び名であるスイバとは別種ですので、その特徴と効能をわかりやすく説明しましょう。

イタドリとはいったい何?

イタドリは、日本では山菜として扱われている植物で、古来より山間部などの家庭で食べられてきた野菜のひとつです。春先の新芽は柔らかく、皮をむいて中身を食べますが、生でも食べられる為にかつては子供たちが、おやつ代わりにかじっていたのだそうですが、シュウ酸を含んでいる為にえぐみがあります。えぐみを抜くには湯がいた後に水に晒しておくと、えぐみが抜けますが、イタドリ特有の爽やかな酸味も抜けてしまいますので、高知で行われているように、灰に塩を混ぜたもので板摺しておくと、シュウ酸を除去できますので、この方法なら美味しく食べる事ができるでしょう。九州ではあまりなじみのないものですが、和歌山県や秋田県、岡山県や高知県と言った場所では、非常にポピュラーな山菜の様で、各地で呼び名が違っているのも興味深いところです。調理法としてはきんぴらのように炒めたり、湯がいた後に醤油だしに着けておいてとろみが出た時に食べたり、みそ汁の具にしたりと様々で、イタドリの採れる場所としては他の山菜と同様に、春の味覚として親しまれています。

イタドリと人との関係性

ふきや竹のように茎が中空ですが、竹のように節があるのがその特徴で、少し赤身のかかった緑色をしています。その昔は子供がおもちゃにして遊んでいたそうで、節を短く切り両端に切れをを入れて水に浸ける事で、切り口が外側にそるので中空の部分に棒などを差し込んで、水車のようにして遊んでいたのだそうです。繁殖力が旺盛で、秋口には種を飛ばして繁殖するほか、地下茎によっても増えるので、場所によっては大群生にもなります。19世紀ごろにイギリスに観賞用として輸出され、その旺盛な繁殖力から侵略的外来種ワースト100にもなっているほどで、このイタドリの駆除に天敵の「イタドリマダラキジラミ」を輸入しましたが、さらにこの「イタドリマダラキジラミ」によるイギリス在来種の脅威となり、悩みの種にもなっています。戦時中の煙草が不足した時期には、この葉っぱの部分を乾燥させて、煙草に混ぜて利用していたそうで、実際にインドや東南アジア地方では、葉巻の代用品として乾燥させた葉を巻いて、葉巻のようにふかすのだそうです。

イタドリの効果とその効能

日本では、古くからこのイタドリを漢方薬として活用しており、冬場で上部が枯れた時期に根茎を掘り出して、これを乾燥させて利用していました。薬名は「虎杖根(こじょうこん)」と言い、腹下しとして利用されていたほか、利尿作用があるとして活用されていました。また甘草と一緒に煎じて、咳止めにも利用されていました。春先に採れる若芽はもんで傷口に貼っておくと、止血効果もあるので痛みを取るという事でイタドリの名前が付けられたと言われています。効能も様々な効能があるとされており、根の部分には、レスベラトロールという成分や、オキシアントラキノン誘導体のポリゴニン、エモジンが多く含まれており、これらには有効な薬効があります。現在でも漢方薬として利用されており、その効能は生薬として鎮静作用や止血効果があるほか、火傷の手当てにも利用されていました。また、動脈効果や認知症の予防になるともされており、さらには利尿効果がある為に膀胱炎や膀胱結石にも効果が期待できます。また、急性黄疸性肝炎や関節炎、リューマチに月経不順や婦人病にも効能があるとされています。

イタドリの活用法

イタドリに寄生するイタドリ虫は釣り餌にもされる虫で、川釣りにはよく利用されていました。またイタドリには、緩下剤としてのこうかがありますので、特に老人性の常習便秘に効果的で、利用されています。生薬なのであまり副作用はありませんが、食用にする時には、シュウ酸が抜ける調理法で下ごしらえした後で調理すると良いでしょう。爽やかな酸味がその特徴なので、漬物などにすると生に近い状態で食べる事ができますので、お勧めの一品になります。近縁種オオイタドリがありますが、イタドリによく似ていますが、葉の裏側がやや白っぽいことで区別しています。名前の通り大型の植物で、その高さは3mに達する個体もあるのだそうです。葉も倍ほど大きく、イタドリ同様に春先の若い茎は食用になります。しかし、これが繁殖している生育地域では食用にされている事はなく、別物との認識のようです。最近はこのサプリも販売されており、効能が大であれば利用価値はあるでしょう。

「昔から人に利用されてきたイタドリとその効能 」のまとめ

イタドリは野草で、春先の新芽は山菜として食べられていますが、馴染みのない地域では全く知られていない植物でもあります。効能がたくさんある為に、昔から民間治療薬として活躍してきた野草のひとつでもあるのです。

ピックアップ記事

カテゴリー

PAGE TOP