イソロイシンは、あまり聞きなれないものですが、最近脚光を浴びている成分のひとつで、人間にとって非常に有効な成分である事がわかって来ています。健康にも活用できますので、ぜひ理解しておきましょう。
イソロイシンとはいったい何?
イソロイシンとは、アミノ酸の一種で、その性質は「疎水性アミノ酸」と呼ばれ、水には溶けにくいという側面を持っているのです。疎水性というものは、ハスの葉に雨水がたまって、粒ができるような性質の事で、ちょうど傘が雨粒を弾くようなイメージです。また、蛋白質構成アミノ酸の1つでもあり、必須アミノ酸の重要な栄養素でもあります。このアミノ酸には、体内でも合成できるものと出来ないものとがあり、このイソロイシンは体内で合成する事ができませんので、食品などから摂取を行う必要なあるものです。アミノ酸とはたんぱく質を合成している物質で、人に限らず生命のほとんどがこのたんぱく質を必要としています。また人間の体を構成する人体の、つま先から髪の毛までのほとんどの部位は、このたんぱく質で出来ており、このたんぱく質を構成しているのが必須アミノ酸と言い、人間が生きていく上でなくてはならないものとなっているのです。また、バリンやロイシンといった他のアミノ酸類を合わせた3つの物質の総称をBCAAと呼んでいます。
イソロイシンの効能
BCAAと呼ばれるアミノ酸は、筋肉などを構成するたんぱく質の主成分で、その中の一つであるイソロイシンは様々な効能があり、筋肉の強化や肝機能の向上などの効果があるほかにも、血管の拡張や体の成長を促してくれる働きなどがあります。BCAA自体も人間の体の中で、幅広く活躍しているアミノ酸で、最新の研究成果では血糖値の上昇を抑制する事がわかってきており、糖尿病治療にも大きな期待が高まっている成分です。また古くから肝硬変患者の低アルブミン血症の薬にも配合されている治療薬でもあるのです。このBCAAは人間の筋肉の中に約35%ほど含まれていると言われており、スポーツなどの際のスタミナの維持や筋肉量の維持に効果があります。筋肉は人間にとって、動力源であるエンジンの役割を果たすと同時に、このBCAAはガソリンの役割を果たしていると言えるでしょう。そして、このBCAAの中でも、重要な役割を果たしているのがこのイソロイシンであり、筋肉のエネルギーとなるグリコーゲンを、筋肉中に蓄える役目を果たしているわけです。つまり不足すると、スタミナを維持できずに直ぐにばててしまうという事になるのです。
イソロイシンと食べ物
BCAAは一つのユニットのようなもので、バリンやロイシンと3つの物質で体に働きかけています。このどれかのひとつが欠けていても、どれかが突出していても優れた効果が発揮されないばかりか、体重の減少やアンモニア排出の阻害を招いてしまう恐れも心配されますので、効率よく摂取するには多くの品目の食材を摂取する必要があるのです。このBCAAを多く含む食材として挙げられるのは、マグロの赤身や牛肉に卵、鳥肉といった食品です。BCAAの1日の摂取量の目安は2000㎎と言われていますので、これらを含む食品を一日で100g程度取る必要があります。特にバランスが良いのが鳥肉で、胸肉やささみをアスリートが良く摂取するのにも、裏付けとなっています。摂取時の注意点としては、脂身の少ない場所を選ぶ事も大事です。たんぱく質は人間にとって、大事なエネルギー源ですが、脂質の多い部分を摂取しすぎると肥満になるほか、成人病を誘発する事につながる恐れもあるのです。従って、調理法も揚げ物を使ったものは、極力避ける必要もあります。
イソロイシンの活用法
BCAAは優れた効能の多い成分ですが、最近はこれを配合したサプリも多く出回っています。食品で取る事は重要な事ですが、生活しているサイクルは人それぞれで、食生活も考えたように上手くいかない場合が、多々あるのが現状ではないでしょうか、こうした際には、やはりサプリの重要性は目を見張るものがあり、手軽に服用できますので、大変便利なものとして常備しておくのも一つの方法です。イソロイシンはエネルギーを蓄えてくれる働きと同時に、疲労回復にも役立つ栄養素です。少し特殊なのは、筋肉の疲労に役立つだけではなく、脳内の疲労にも効果があるというのがその特徴で、これは脳内の疲労物質と言われるセロトニンの、生成を抑えてくれる効果がある為です。とは言え疲労回復に大事なのは、適度な休憩や睡眠も忘れてはなりません。また、イソロイシンは甲状腺ホルモンの分泌を促す効果もある為に、筋肉と同時に体の成長を促してくれる効果があります。甲状腺ホルモンは、身長の伸びや、筋肉の形成に大きく関わっている物質で、甲状腺から分泌されるホルモンなのです。
「最近脚光を浴びた健康と若さが保てるイソロイシン」のまとめ
イソロイシンは、人間の体に大きく関わっており、全身の細胞に作用して、代謝を促進する働きを持つホルモンを促す役割も果たしているのです。成長期に高タンパク質が必要な理由が、よくおわかりでしょう。