甘草はマメ科カンゾウ属の植物で、漢方薬に多く使われています。漢方薬に使う場合は、根や茎を乾燥させた物を使います。甘草という名前からもなんとなく想像できますが、甘味があるので甘味料としても使われます。甘草の効果や効能、摂り方を紹介します。
甘草とはどういうもの?
甘草はマメ科カンゾウ属の多年草です。漢方薬に使われるイメージが強いかもしれません。確かに漢方薬にもよく使われていますし、生薬を使用した自然派化粧品や、強い甘味があることから甘味料としても使われています。甘さは砂糖の50倍とも言われていて、醤油造りにも使用されています。元々が植物ということもあり、ヘルシーで安心な甘味料としてお菓子などにも使われます。
漢方薬では甘草の根や茎を乾燥させた物を使いますが、食品や化粧品に使う場合は、抽出したカンゾウエキスとして使います。ハーブとしても使われますが、ハーブの場合はリコリスと呼ぶのが一般的です。
原産国は中国からヨーロッパまでと幅広く、主に乾燥している地域で多く栽培されています。日本でも北海道で栽培されていますが、数は少ないため、一般に流通しているのは、海外から輸入した甘草です。
甘草の効果や効能
甘草は漢方薬の原料として知られていますが、甘味が強いことから甘味料として食品にも使われています。甘草の根と茎には様々な薬効が期待できます。
抗酸化作用
甘草にはフラボノイドの一種が含まれていて、抗酸化作用があります。活性酸素は体を酸化させサビの原因を作り、老化を促進させます。細胞を傷つけたり、ナチュラルキラー細胞を減らしたりと、体に悪い影響を与えます。甘草を摂ることで、活性酸素を除去できます。
肝機能の向上
甘草に含まれているグリチルリチン酸には、肝細胞の増殖を促す作用があることから肝臓の働きをサポートする効果が期待できます。
アレルギー症状の緩和と免疫力向上
グリチルリチン酸には、抗アレルギー作用もあるため、アレルギー症状を緩和させたい時にも使われます。またグリチルリチン酸には免疫力を高める作用もあるので、ストレスが多い人にもおすすめです。
ホルモンバランスの調整
甘草には女性ホルモンのエストロゲン様物質が含まれていることから、女性ホルモンのバランスを整える効果も期待できます。生理不順や生理痛など女性特有の悩みにも活用できます。
このように、甘草には幅広い薬効があります。
甘草の摂り方
甘草を摂る場合は、漢方薬では症状に合わせて漢方医に処方してもらいます。甘草は薬効も多いので、幅広く使われていますが、薬効が多いということは副作用のリスクもあるということです。必要量なども個人差がありますので、漢方薬として摂る場合は、医師や専門家の指示に従い正しく服用することが大切です。
甘草という名前に甘いという漢字が付いているように、甘草には強い甘味があります。砂糖の50倍とも言われる甘味があることからハーブティーとして飲むこともできます。ハーブとして使う場合は、茎を乾燥させそれを細かくして使います。ハーブティーにしても、甘みが感じられるので何も入れずそのまま飲めるほどです。
ハーブティーとしては、ルイボスティーやプーアル茶とブレンドすれば、ダイエットティーになり、キャットニップやヤロー、エキナセアとのブレンドで、風邪の予防や喉にいいハーブティーになります。
甘味料としてお菓子などにも使われていますし、醤油を作る時にも使われますが、お菓子や醤油に含まれるのはごくわずかですから、甘草摂取を目的とするには不向きです。
漢方薬は症状に合わせて、ハーブティーはお好みでも飲めますし、効果を期待していろいろなブレンドを楽しむのもおすすめです。
甘草の副作用と過剰摂取のリスクについて
甘草はサプリメントからも摂取できますが、サプリメントや漢方薬でも甘草に関しては注意が必要です。サプリメントも漢方も医薬品とは違うので、副作用もなく安心なものというイメージがあります。しかし甘草に含まれるグリチルリチン酸には、過剰摂取をすると副作用が出る可能性があります。
グリチルリチン酸は過剰摂取すると、
- 高血圧
- 低カリウム血症
のリスクが高まります。
グリチルリチン酸として見た場合の1日あたりの摂取量は300mg(甘草7.5g)となっています。サプリメントや漢方薬で甘草を取り入れる場合は、グリチルリチン酸の量も把握しておくと安心です。
300mgというグリチルリチン酸の摂取量もあくまでも目安ですから、人によっては目安内でも過剰摂取になる可能性があります。
病院で医師から処方される漢方薬に甘草が入っている場合は、病歴なども調べますので過剰摂取になることはないでしょう。サプリメントで摂取する場合は、安心だからと過剰摂取すると思わぬ副作用が出ることもあるので注意が必要です。
糖尿病や脳疾患、高血圧の場合は、サプリメントでも自己判断は危険ですので、必ず医師に相談してください。
甘草の健康効果【摂り入れるポイント・注意点】のまとめ
甘草は漢方薬としてもお馴染みですし、生薬を配合した化粧品や、甘みが強いことから甘味料としても使われています。甘草には様々な効果が期待できます。甘草そのものよりも、漢方薬や化粧品、サプリメントや健康食品から摂るのが便利です。