葛根湯は風邪薬としてよく知られています。風邪薬に分類されていますが、医薬品ではなく漢方薬です。風邪薬ですが、葛根湯が効くのは風邪の引き初めですから、こじらせた風邪には効果がありません。葛根湯の効果や効能、最適なタイミングを紹介します。
葛根湯とは?
葛根湯は漢方薬の一種で、風邪の引き初めに飲むといいと言われています。葛根湯は病院でも処方してもらえますし、ドラッグストアや薬局でも購入できます。
葛根湯には
- 葛根
- 桂皮
- 甘草
- 麻黄
- 芍薬
- 大棗
- 生姜
の7種類の生薬が使用されています。葛根湯という名前が付いているように、一番多く含まれているのは葛根です。
葛根湯は漢方薬なので安心というイメージがあります。確かに一般的な医薬品に比べると副作用のリスクは低くなりますが、メーカーや種類によっては処方が異なるので、配合量もチェックしておくことが大切です。
病院の処方薬の葛根湯の方がよく効くイメージですが、処方薬でも葛根の配合量が違います。市販の葛根湯も、メーカーによって葛根の量が違うので注意してください。
含有量が多いほどよく効くイメージですが、漢方薬は人によりベストな量が異なります。素人が自分で見極めるのは難しいので、病院で症状に合った葛根湯を処方してもらうか、病院に行くほどではないなら薬局で薬剤師に相談して決めるのがおすすめです。
葛根湯の効果や効能
葛根湯は風邪の引き初めに飲む風邪薬です。葛根湯に含まれる生薬の効果や効能を紹介します。葛根湯には7つの生薬が配合されていますので、それぞれに効果効能があります。
解熱作用
解熱作用は発汗を促すことで上昇した体温を下げる効果です。「葛根」と「桂皮(けいひ・シナモン)」に解熱作用があります。
鎮痛作用
鎮痛作用は痛みを和らげる効果です。風邪の症状の1つに頭痛や筋肉痛がありますが、葛根湯の鎮痛作用によりこれらの症状を和らげることが出来ます。「葛根」「桂皮」「芍薬(シャクヤク)」「大棗(ナツメ)」「生姜」の5つの生薬に鎮痛作用があります。
去痰作用
去痰作用は気管や気管支にたまった痰(たん)を排出する作用です。「麻黄」「甘草」に去痰作用があります。
鎮攣作用
鎮痙作用は痙攣(けいれん)を鎮める作用です。「桂皮」「芍薬」「大棗」にこの鎮痙作用があります。
滋養強壮
風邪の回復には体力が欠かせません。「甘草」「芍薬」「大棗」には滋養強壮効果が期待できます。
健胃
健胃は文字通り、胃を健康にする働きです。風邪による体調不良が胃腸に悪い影響を及ぼすこともあります。「芍薬」「生姜」の健胃作用が、腹痛や吐き気などの症状を改善してくれます。
鎮吐作用
鎮吐作用は吐き気を抑える働きです。風邪によって胃腸の働きが弱まり、場合によっては吐き気を催すことがあります。「生姜」には鎮吐作用があり、吐き気を改善してくれます。
このように葛根湯に含まれる7種類の生薬が、風邪の引き初めにウイルスを退治して、風邪が悪化しないよう防いでくれるという効果が期待できます。
葛根湯を取り入れるタイミング
風邪の初期症状は、
- 喉の痛み
- 頭痛
- くしゃみ・鼻水
- ゾクゾクする寒気
- 首や背中のこり
- 筋肉痛
などです。
この中で2つ以上当てはまる場合は風邪の初期症状の可能性が高く、特に運動をしたわけでもないのに筋肉痛がしたり、首や背中がこったりしているような時は、風邪を引いたサインと考えていいでしょう。
風邪はウイルスにより感染しますが、感染してもすぐには熱は出ずにウイルスもまだそれほど奥には侵入していません。風邪の引き初めに葛根湯を飲むことで、汗をかきウイルスを追い払うことが出来るのです。
素人では風邪の引き初めを見極めるのが難しく、既に汗をかいているとか、高熱が出てから風邪と気づくことがあります。しかしこの症状は既に初期症状を超えているので、葛根湯を飲んでもあまり効果は期待できません。
風邪の引き初めに病院に行くと葛根湯を処方されることがありますが、この時既に熱が高いとか汗をかいているような場合は、症状を詳しく説明して他の薬を処方してもらうといいかもしれません。
葛根湯は食前か食間に飲むようにします。食前は薬を飲んですぐに食事を食べるのではなく、食事の30分くらい前をさします。食間は朝食と昼食の間という意味ではなく、食事を食べてから1時間後くらいをさします。
葛根湯は漢方薬ですが、正しく服用しないと十分な効果を実感できません。1日に何回飲むかは体重や年齢により変わってきます。この場合は医師の指示に従いましょう。
既に初期症状を超えている場合は、葛根湯では効果がありませんので、他の薬を選んでください。
葛根湯の副作用について
葛根湯は漢方薬ということもあり、副作用のリスクは医薬品に比べて低いです。しかし全く副作用が起きないというわけではありません。副作用については個人差が大きく、全く問題ない方もいれば、副作用が出てしまう方もいます。葛根湯の主な副作用を紹介します。
葛根湯の副作用は、
- 食欲不振
- 吐き気
- 動悸
- 息切れ
- 胃の不調
- 多汗
- かゆみ
- 発疹
があります。ただしこれらの副作用は必ず出るとは限りませんし、出ても症状は軽く、服用を中止すれば改善されます。しかし中には重篤な副作用が出る可能性もありますので、葛根湯を飲んで何かおかしいと感じたら、すぐに服用をやめ、医師に相談することをおすすめします。
- 高血圧
- 心臓病
- 汗っかき
- 胃腸の調子が悪い
- 虚弱体質
などは、葛根湯の副作用が出る可能性が高いと言われています。該当する場合は、医師に相談して自分にあった風邪薬を処方してもらうのがおすすめです。
ドラッグストアでも、調剤薬局を併設しているところや、薬剤師がいるところなら相談にのってもらえます。
葛根湯の健康効果【風邪の引き初めにおススメ】のまとめ
葛根湯は漢方薬の一種で、風邪の引き初めに飲むといいと言われています。こじらせてしまうと効き目はありませんが、副作用のリスクが少ないことから安心して取り入れられます。ドラッグストアでも購入できるのが便利です。