ハトムギは作物として、その起源も古く現在でもミャンマーの山岳地帯では主食として食べられていました。我が国では健康食品のひとつで栄養不足を補っていたともされますが、過剰摂取による弊害はあるのでしょうか。
ハトムギとはどんなものなのか
子供の頃川べりなどの河原で、ジュズダマを集めて遊んだ方も居るかと思いますが、ハト麦はこのジュズダマと同種の植物で、原産地は中国南部地域からインドシナ半島一帯にかけての地域とされています。ハト麦の名称で呼ばれていますが、麦よりもトウモロコシやススキなどの植物に近く、実際に粒はトウモロコシに似ています。秋口にその実を付け、利用する際には果皮と種皮を取り去った後に日陰に干して保存します。
日本へ渡来してきたのは、奈良時代以降とされていますが、ほとんど常食にはされていなかったようで、薬や災害時の非常食としての側面があったようです。ジュズダマと同じく水辺を好み、乾燥には非常に弱い性質を持っています。栽培がおこなわれ始めたのは、インド北東部であるアッサム地方からミャンマーにかけて行われたとされており、東南アジアでは現在でもおやつとして食べられたリ、ご飯に混ぜて食べられていたりと、非常にポピュラーな食材として扱われています。ミャンマーの一部では今でも主食として、食べられている地域などもあります。
ハトムギの栄養素
日本では特に主食とされていた事はありませんが、現在の健康ブームのように、生産に関して幾度か衰退を繰り返してきた経緯もあります。現在でも全国で生産されていますが、健康食としての側面が強く、特にハト麦茶としての認知度が高いと言えるでしょう。食用としてもハト麦の栄養価はかなり高く、精米されたお米に比べても2倍以上もの蛋白質があり、特筆するのはなんとお米の8倍もの食物繊維を含んでいるという事が挙げられるでしょう。
そのほかは白米と同等の栄養価で、特筆するものは特にありませんが、お米同様に脂質、カルシウム、鉄分、ビタミンB1、ビタミンB2等まんべんなく栄養素が含まれており、栄養豊富なエネルギー源といえるでしょう。最近は健康ブームと同時に、扱い方も変わってきており、ハト麦茶以外にもシリアルなどにも利用されるようになってきたようです。東南アジアではポピュラーな穀物という事もあり、ご飯に混ぜられるほか、具沢山のスープや煎っておやつにしたりと、様々な方法で食用にされています。お茶で煎じた後に、具を食べるといった利用法も良いのではないでしょうか。
ハトムギの栄養不足や過剰摂取
ハト麦の成分で、栄養不足になるといったことはほとんどありません。また、数千年もの間東南アジア周辺で食べられて来たという経緯もあり、過剰摂取による弊害などもありません。ブログなどでは妊娠時に摂らないように書かれている事がありますが、過剰施主しない限りハト麦に関してはほとんど根拠のないものです。ハト麦に含まれている「ヨクイニン」という成分に関してですが、漢方は薬効を高めて配合していますので、こうしたものの過剰摂取には注意が必要ですが、特に毒性にあるものもありません。
授乳中も同様で、危険ではないという立証が無いから、危険だというのは余りに飛び過ぎた考えと思われます。注意するのはヨクイニンを配合した漢方で、心臓疾患のある方も同様に注意が必要です。普通にハト麦を飲用したり、食用に混ぜて利用する場合は何ら問題はありませんが、近頃はアレルギーの問題もあり、穀物アレルギーをお持ちの方は要注意と言えるでしょう。アレルギーをお持ちの方は、少しずつ量を増やしていく事が安全で、体調に変化があった場合には、直ぐに摂取を止めて医師などに相談しましょう。
ハトムギの効能
ハト麦は古くから漢方にも用いられており、民間医療としては様々な効能があるとされています。濃く煮出した汁にはいぼ取り効果があるとされ、かゆで食べても効果があるとされていますが、科学的な根拠はありません。しかし、根拠のあるものもあり、食物繊維が比較的豊富である事からデトックス効果は期待できるでしょう。デトックス効果とは、体の有害な物質を体外に排出させる効果のあるもので、豊かな食物繊維は腸内の老廃物を排出に導く効果があります。
尿の排出を促す効果には、腎臓の機能を補助する役目を伴いますので、むくみ防止や余分なミネラルの排出を手助けしてくれるものです。またデトックス効果には、整腸作用を促す効果も同時に行われますので、お通じが良くなる事で、美容にも良いと言うわけです。ハト麦は蛋白質も多く含まれますので、アミノ酸の量も多くなればそれだけ疲労回復に役立ち、細胞の活性化のサポートも行ってくれます。栄養素もバランスが良いので、ひいては生活習慣病の予防となる事でしょう。また、アレルゲンを抑えるヒスタミンの効果もあると言われます。
「ハトムギの効能と栄養の不足や過剰摂取について」のまとめ
ハトムギは健康食として見ると、非常にバランスのとれた食品と言えます。ただし、摂取したからといっても画期的な効果がある訳ではありませんので、健康のサポーターとしての役目の期待をしましょう。