ビオチン

[監修済] 栄養素ビオチンの不足や過剰摂取による弊害

ほとんど認知度の低いビオチンですが、食品中から積極的に摂取する必要のないビタミンと言われています。不足すると様々な弊害があると言われますが、どのようなデメリットがあるのか、過剰摂取についても調べます。

ビオチンとはいったい何?

ビオチンはビタミンの仲間で、水溶性のあるビタミンB群の一種です。ビタミンB7とも呼ばれており、人間の内部では腸内で生成されているために、不足する事はほとんどなく、通常の食生活を送っていれば、あまり必要としていない栄養素のひとつです。アルカリに不安定な面がある一方で熱や光に酸には強いという特性を持っています。人間の体内では、アミノ酸コラーゲンなどを作る上で、欠かせない成分のひとつと言われており、皮膚や髪の毛の生成にも深く関わっており、髪の毛の成分であるケラチンの育成にも活躍しているビタミンです。

ケラチンと混同されているコラーゲンですが、ケラチンは髪の毛や表皮に爪の成分となっているもので、コラーゲンは真皮の主成分という全く違ったものです。同じ蛋白質で出来ているものですが、その構成は全く違うもので、ケラチンは18種類ものアミノ酸で構成されており、皮膚を作るものは軟ケラチンと呼ばれ、爪を作るものは硬ケラチンと飛ばれています。羊蹄類の家畜がケラチン不足に陥ると、爪が割れたりするので、飼料には必ず配合しておくものされています。

ビタミンB群を知ろう

ビタミンB群にはビタミンB1やビタミンB2のほか、ビタミンB3のナイアシンやビタミンB5のパントテン酸、ビタミンB6やビタミンB12にビタミンB9である葉酸やビタミンB7のビオチンがあり、合計8種類のビタミン
B群で構成されています。ビタミンB群はビタミンB複合体とも呼ばれており、水溶性である為に不必要なビタミンB群は尿と一緒に排泄されますので、ビタミン剤を飲んだ時に薬品臭く、色の濃い尿が出るのはそのせいなのです。

人間の体内では、他の酵素の働きをサポートする役目の副酵素として働いていますが、多くのビタミンB類は体内で溜め込む事ができませんので、毎日摂取しなければならないビタミンと言えます。それぞれのビタミンB群には、各自別々の働きがあり、B1には炭水化物の代謝を助ける作用があり、B2は糖質や脂質に蛋白質の代謝を助けています。B3は糖質と脂質の代謝を助け、B5はエネルギー代謝の促進、B6は蛋白質の合成と分解を行い、B7は糖の代謝をB9は赤血球とDNAの合成に関わり、B12は貧血予防のサポートを行っているのです。これらの働きを踏まえ、B群は大変重要な栄養素と言えるでしょう。

ビオチンの不足や過剰摂取について

ビタミンB7のビオチンは、腸内細菌によって生成されていますので、一般的な食事をしておけば、不足する事はほとんどありません。しかし、抗生物質を長期間服用している場合には、腸内細菌が減る為に不足状態に陥る事があり、便秘や下痢など腸の不調が続いている場合にも、こうした危険性がありますので、注意しなければなりません。不足で起こる症状には様々な状態があり、白髪や脱毛を始め、皮膚の湿疹や炎症に皮膚や粘膜の灰色退色や落屑などの皮膚症状があり、結膜炎や筋肉痛に疲労感や食欲不振などの症状が現れやすくなります。

また味覚異常や血糖値上昇に、精神不安が起こりやすくなるため、不眠や神経障害の心配もあるのです。妊娠中に不足すると、高い確率で奇形が起こる事がわかっており、口蓋裂や小顎症に短肢症や内臓形成障害などを誘発する恐れがあります。水溶性のビタミンの為に、過剰摂取はほとんど起きる事はありませんが、妊娠中の動物実験では過剰摂取による、胎盤や卵巣の委縮が起こったとの報告がなされています。また胎児に溜まり易いとされています。

ビオチンを含む食品

ビオチンはレバーやいわしを始め、イーストや卵黄に落花生、牛乳に大豆といった食品に多く含まれていますが、ほとんどの食品中に含まれていますので、足りなくなるような事はほとんどありません。しかし、抗生物質の入った薬品を服用していたり、下痢や便秘を含めた腸の不調などが起こった場合には、足りなくなる恐れもあります。また、小麦粉に含まれているビオチンは、吸収されないという事がわかっています。特殊な例として、卵白を生で摂りすぎる事は禁止で、これは卵白の主成分である蛋白質が、ビオチンと結びつく事で吸収が阻害されるために、欠乏する事になるのです。

したがって、卵かけご飯やすきやきの付け卵など、生の卵白の摂り過ぎには要注意です。しかし、卵10個分の卵白を摂り続けなければさしたる問題はなく、通常召し上がる卵焼きや目玉焼きなどは、熱が入って卵白が固まっていますので、特に問題はありません。ビオチン不足が懸念される場合には、まず腸内細菌を増やす努力を行います。また、最近はビタミンB群を数多く含む栄養食品や、サプリメントも販売されていますので、これを活用する事も考えましょう。

「栄養素ビオチンの不足や過剰摂取による弊害」のまとめ

ビオチンは過度な摂取による弊害は、特にありませんが、偏食による栄養不足になる恐れもあり、腸が健康な状態に保たれていない時にも、問題が起こりやすいので、バランスのいい食事を心がけましょう。

関連記事

  1. [監修済] 過剰摂取や不足がないように体の健康維持に効果のあるク…
  2. カシスの不足や過剰摂取のリスク【バランスよく摂取しよう】
  3. [監修済] ペプチドが不足した時に起こる現象とその対策
  4. [監修済] イノシトールの過剰摂取や不足によるリスクについて
  5. ロイシンの過剰摂取と不足の影響【リスクと対策】
  6. [監修済] フェルラ酸の不足と過剰摂取の弊害について
  7. [監修済] 炭水化物が不足すると危険?!正しい炭水化物ダイエット…
  8. [監修済] 現代人には不足しがちなキチン・キトサンとその過剰摂取…

ピックアップ記事

カテゴリー

PAGE TOP