[監修済] 食欲不振と健康維持を改善してくれるパパイン

パパイン

[監修済] 食欲不振と健康維持を改善してくれるパパイン

あまりなじみのないパパインという名称ですが、パパイヤから見つかった成分の事です。食欲不振にも効果があるという事ですが、いったいどういったものなのでしょうか。詳しく掘り下げてみましょう。

蛋白質分解酵素

パパインとは、パパイヤから初めて見つけられた酵素の事で、植物由来の蛋白質分解酵素の事です。この蛋白質分解酵素は「システインプロテアーゼ」とも呼ばれており、蛋白質である肉の繊維を柔らかくする事でも知られています。この酵素は熱に弱い特徴があり、熱を伴った料理には破壊されてしまうために含まれません。またロイペプチンや、一部の化合物によっても阻害される事がわかっていますが、通常の食生活では特に問題になりません。

同じ蛋白質分解酵素のプロテアーゼは、人間の体内でも生成されており、胃液に含まれるペプシンが有名です。また、子牛などの羊蹄類に多く含まれるレンネットは、チーズ作りには欠かせないもので、天然のチーズはこうしたものを現在でも使用しています。またすい臓から分泌されるすい液には、同じ蛋白質分解酵素であるトリプシンやキモトリプシンが含まれていますが、すい液の中にはあらゆる栄養素を分解できる能力がある事で有名でしょう。腸内にも蛋白質分解酵素が分泌されており、アミノ酸を遊離して吸収するために、アミノペプチダーゼNという酵素が分泌されています。

パパインの効能と作用

パパインはパパイヤから見つかった蛋白質分解酵素ですが、特にパパイヤに多く含まれているものではありません。このパパインを多く含むもので有名なものには、パイナップルがある事が有名で、パイナップルは酢豚などに使われているほか、色々な料理に昔から利用されています。最近は料理業界でも、システインプロテアーゼの特性を利用して、肉のつけ汁やたれとして活用する事が多くなってきました。安いお肉でも、このシステインプロテアーゼの特性を利用して、繊維を柔らかくする事で食感の良い料理を作る事ができますし、安いステーキ肉にもあらかじめ漬け込む事で、柔らかな食感を楽しむ事ができます。

パパインのシステインプロテアーゼは、植物由来の成分である為に研究も多く行われています。このシステインプロテアーゼを多く含む植物性のものは他にも見られ、イチジクのフィカインやパイナップルに含まれるブロメリン、またはキウイフルーツに多く含まれているアクチニジンも、こうした蛋白質分解酵素のシステインプロテアーゼを多く含む食品です。

パパインと食欲不振

パパインに含まれているシステインプロテアーゼは、食欲不振の場合には特に活躍してくれる成分であると言えるでしょう。人は食欲不振などの減退期では、体内の不調のために消化酵素の分泌量も少なくなりがちで、消化不良を起こしやすいという事があります。こうした場合には、蛋白質分解酵素のシステインプロテアーゼの力は、人体にとって大きな役割を果たしてくれると言えるでしょう。人間の体内では、栄養素として食品中から様々な栄養素を取ってエネルギーに変えています。

三大栄養素の糖質や脂質に蛋白質は、エネルギーとして欠かす事に出来ない栄養源であり、身体を作り上げる大事な成分なのです。特にアミノ酸は人体を構成するのに欠かせない成分で、筋肉を作り出したりエネルギー変換を行ったりと、様々な活躍を見せています。また、疲労物質を取り除く事にも使われていますので、人間にとって蛋白質からの栄養素は、非常に大事なものと言えるでしょう。パパインには、こうした蛋白質を体内に取り入れやすくする働きがあります。アミノ酸が体を立て直してくれますので、食欲不振を直すと同時に様々な症状効果で健康と取り戻してくれます。

パパインを効果的に摂りいれよう

まずパパインを多く含むパパイヤですが、通常のパパイヤはこのパパインを多く含んではいません。料理関連の本やブログでよく見かける、食後のデザートにパパイヤが有効であるというのは、ほとんど意味のない事です。またパパイヤを潰して肉に漬けこんでも、有効成分が少ないので柔らかくはなりません。また、ゼラチンは蛋白質ですので、パパイヤを入れると固まらないと書かれている事がありますが、そうしたことはなくゼラチンでもしっかりと固める事が可能です。

パパインを多く含んでいるのは、沖縄でも多く見かけ、沖縄料理に良く使われている青パパイヤの方です。青パパイヤはパパイヤの実完熟のもので、軽く表皮などを傷つけると粘りのある白い液体が流れだします。これがパパインであり、蛋白質分解酵素のシステインプロテアーゼの正体なのです。青パパイヤには多くのパパインが含まれており、食欲不振にも効果が期待できます。またこの青パパイヤは「野菜パパイヤ」と言われるもので、一般のフルーツパパイヤとは、違うものと理解しておきましょう。