ビタミンDはあまり聞きなじみはありませんが、とても優秀なビタミンです。カルシウムの吸収を助けることにより丈夫な骨や歯を形成することができます。しかしながら現代では慢性的なビタミンD不足になっている人が多いのです。ビタミンDの効果は様々あり主な働きとしては冬季うつの対策、そして骨折や骨粗しょう症の予防に効果があるカルシウムの吸収を助ける働きがあります。ビタミンD不足が招く健康被害はとても多いので一日一回日光浴をすることが健康の保険につながります。
ビタミンDの効果とは?
ビタミンDは食事だけでなく、太陽の紫外線を浴びることでも、体内で合成されます。
その効果は骨や筋肉を作るカルシウムと密接に関係があるのです。カルシウムはそのままでは体内に吸収されにくい成分です。ビタミンDにはそのカルシウムの吸収を助ける効果があるのです。
カルシウムの働きについてはこちら⇒カルシウムの効果は骨だけじゃない?
カルシウムは丈夫な骨や歯を作るために必要不可欠ですが、ビタミンDと組み合わさることにより、よち丈夫な骨や歯を作ることができるのです。
それにビタミンDは免疫力を強化する効果があるため、インフルエンザの予防や、風邪の予防に役立ちます。
また、ビタミンDは精神的な面にも良い影響を与える効果もあります。ビタミンDをきちんと補充することによって、うつ病の予防をすることができるのです。
ビタミンDが含まれる食べ物は?
ビタミンDは魚介類に多く含まれています。魚介類の中で一番ビタミンDを多く含んでいる食材としてはアンコウがあります。寒い日にはあんこう鍋がいいですよ。
居酒屋のメニューで人気のあるあんこうの肝にはとくに多くのビタミンDが含まれています。また、寿司ネタでもイクラやマグロのトロにも多くのビタミンDが含まれています。
日常的に値段的に食べやすく、ビタミンDを多く含む食材としては
- 鮭
- さんま
- ヒラメ
- 太刀魚
などがあります。カルシウムと組み合わせることによってより効果をあげるビタミンDですが、魚介類から摂取することで、効率良くビタミンDの効果を発揮させることができるようになります。サプリメントによる大量摂取の場合、身体に悪影響を与えることがあるので、食事からのビタミンD摂取がおすすめです。
不足した時にはどんな症状がでる?
ビタミンDが不足してしまうと、小さな子どもの場合は成長不良から「くる病」にかかりやすくなる危険性が高くなってしまいます。人間の成長にはカルシウムが欠かせません。カルシウムは骨や歯を作るだけでなく、筋肉を作る成分でもあります。しかし、ビタミンDが不足してしまうとカルシウムを効率よく摂取することができないため、子どもの場合は成長を阻害されてしまうのです。
それでは大人がビタミンDを不足させてしまうと、どうなるかというと、骨粗しょう症などの病気にかかりやすくなります。
ビタミンDが不足することによって、骨の形成が正常に行われなくなり。関節が変形してしまったり、骨がもろくなる危険性が高まってしまいます。高齢者の場合は躓いただけで骨が折れてしまうこともあります。
カルシウムと密接な関係
ビタミンDとカルシウムには密接な関係があります。カルシウムは単体で取ると身体の外に排出されやすいのですが、ビタミンDとカルシウムを一緒に摂取することで、カルシウムを効率よく身体に吸収されやすくなります。
食事で摂取したカルシウムは胃で消化されますが、そのままでは腸管で吸収されにくく体外に排出されてしまいます。しかし、カルシウムと一緒にビタミンDをとることによって、腸管で吸収されやすくなるのです。ビタミンDはカルシウムの再吸収を促し、体外にカルシウムを排泄されるのを抑えることができるのです。
また、カルシウム単独で摂取するよりも、ビタミンDとともに摂取することで骨代謝を促す効果があるためより強い骨や歯を作ることができるのです。
日光浴がポイント
ビタミンDは食事だけでなく日光浴をすることによって体の中で生成することができます。正しくは皮膚に紫外線を当てることによってビタミンDが作られるのです。
それではビタミンDを多く体内で生成するためにはより長く紫外線に皮膚をさらせばよいと思われがちですが、実はビタミンDは夏に多く生成され、冬に生成される量は少ないという季節変動を示します。
なので、夏場であれば外に出るだけで、多くのビタミンDを生成することができますが、冬場の場合はその効果が半減してしまいます。日射量が減少してしまうためです。また、日常生活に必要なビタミンDを生成するために、長い時間、紫外線にさらされる必要はないのです。よく晴れた日であれば、太陽の光を10分ほど浴びるだけで十分な量のビタミンDを生成することができます。
しかし現在では、紫外線対策をしたり、日差しを避けることが多いため慢性的なビタミンD不足が顕著になっている傾向があります。
これも冬季うつや骨に影響しています。
冬季うつの原因は?
ビタミンDはカルシウムを一緒に摂取することによって、骨や歯を丈夫にすることができますが、実は精神を健全に保つためにも必要な栄養素であるということがわかりました。とくに冬季に日照時間が少なくことにより起こる「冬季うつ」はビタミンDが不足することによって起こるうつ症状です。
それではなぜ「うつ」がビタミンDの不足によって引き起こされるかと言うと、脳内にある伝達物質を受け取る器官であるレセプターがビタミンDを摂取することによって、幸福感やポジティブな反応を与えるホルモンを分泌するからだと考えられています。
ビタミンDが不足することで、脳内のホルモンバランスが崩れてしまい、うつ症状になってしまうのでは、と考えられているのです。
アレルギーについて
ビタミンDはアレルギーに対しても効果を発揮します。
なぜ、ビタミンDがアレルギーを予防させることができるかというと、ビタミンDを摂取することによって、免疫力を高めることができるからです。免疫力が高まるとアレルギーに対する抵抗力も増すため、アレルギを予防することができるのです。
喘息やアレルギー性鼻炎などの場合、ビタミンDを多く摂取して、血液中のビタミンD濃度を高めると呼吸機能が良くなるという報告があります。
また、ビタミンDには皮膚の殺菌効果を高め、皮膚のバリア機能を強くする効果があります。アトピー性皮膚炎の人がビタミンDを多く摂取したら、皮膚の殺菌効果が増加したという研究結果があります。
花粉症予防に!
ビタミンDはアレルギーに効果があるということですが、もちろん花粉症を予防する効果もあります。
花粉症は鼻の免疫が過剰に反応してしまうことで起きるアレルギー反応です。
ビタミンDを摂取することによって免疫力が高まりアレルギーを抑えることができるのですが、日本の研究機関での実験では花粉症患者にビタミンDを2000~4000IUを摂取させると、30分~1時間ほどで鼻の通りが改善したというデーターがあります。また、血液中のビタミンDの濃度が高いと、鼻の通りだけでなく呼吸機能が良くなるという研究データがあります。
不妊にも効果的なのか?
免疫力を高めたり、カルシウムの吸収をよくすることでもビタミンDは有名ですが、実は不妊とビタミンDが関係していることが最近の研究で分かってきました。
まず、男性の場合はビタミンD濃度が低いと正常に精子が作られていないことがあります。妊娠をするためには正常な精子の生成が欠かせません。ビタミンD濃度が高いほど男性の精子の質が高いことが言えるそうです。
また、女性にとってもビタミンDの不足は不妊の原因になります。妊娠しやすい身体を作るためには排卵率をあげることが必要不可欠です。しかし、ビタミンDが不足していると排卵障害になってしまうことがあります。それに、妊娠初期の段階で流産しないためにビタミンDを摂取して赤ちゃんの成長を促す必要があるのです。
ビタミンDは冬季うつ対策に効果アリ【カルシウムの吸収も助けて丈夫な骨!】のまとめ
ビタミンDは健康に様々な効果をもたらしてくれます。日光に浴びるだけで生成されるので、一日数分の日光浴で健康を手にいれることができると思うと楽ですね。