グリコーゲンは血糖値に作用をもたらすということを知っている方はたくさんいるでしょうが、具体的には分からない人も多いことでしょう。そこで、今回はグリコーゲンの血糖値における作用について解説します。
グリコーゲンと血糖値の関係は?
グリコーゲンは筋肉や肝臓に含まれている成分です。ブドウ糖を体内に貯蔵しやすい形に変換したものと捉えると解りやすいかもしれません。食事などで摂取されたごはんやパンといった炭水化物やお菓子などの糖分は血液中に溶け込むことで全身に運ばれるようになりますが、そこからさらにインスリンの働きによって臓器が血糖を摂り込まれてエネルギーとして利用されるようになります。しかし、すべてのブドウ糖が消費できるわけではないので、余剰のブドウ糖はグリコーゲンタンクに一時保管されるようになります。このグリコーゲンタンクが先ほど記載した筋肉や肝臓に該当するのです。量でいうと筋肉内のグリコーゲンタンクはだいたい1000kcal、肝臓内のグリコーゲンタンクはだいたい350kcalとなっています。
ですが、このグリコーゲンタンクに貯蔵できないほどブドウ糖を摂取してしまうと中性脂肪に変換されるようになるので、脂肪細胞に蓄えられるようになってしまいます。そのため太るといった事態が発生するのです。そして、この肝臓内に蓄えられているグリコーゲンは血糖値が低下しないようにするために、頑張ってくれるところとなっているので肝臓がうまく機能している人は低血糖状態になり難いということになるでしょう。
グリコーゲンが作られると血糖値が下がるの?
グリコーゲンが肝臓に貯蓄されることで空腹による血糖値低下を避けられるのですが、グリコーゲンの合成が促進されると血糖値の急激な上昇を抑えられ下げやすくなります。膵臓から分泌されるインスリンは肝臓でブドウ糖からグリコーゲンを合成させるのですが、グリコーゲンはブドウ糖が複数くっついてできているものなので、グリコーゲンがあればあるほどブドウ糖は減ります。
つまり、血液中に流れている糖はグリコーゲンが作られれば作られるほど減っていくようになるので血糖値が下がりやすくなるということです。このことはダイエットにおいてもとっても大切なことになるので覚えておくといいでしょう。
グリコーゲンを増やして血糖値を下げるには?
グリコーゲンが多ければ多いほど血糖値をコントロールしやすくなるのは理解していただけたでしょう。そしてこのグリコーゲンが貯蔵してあるのは筋肉と肝臓です。この筋肉にあるグリコーゲンは運動の実行といった必要な時にどんどん分解されていくもので、あればあるほど運動で動ける時間が上昇します。
要するに、筋肉にあるグリコーゲンは筋肉があればあるほど増えるということなので、ムキムキな人はグリコーゲンを貯蔵しておける量が通常の人よりも圧倒的に多く、血糖値が上昇しにくいということになります。よく、筋肉が多い人は太りにくいとか痩せやすいというのはここからきているのです。もう少しかみ砕いて説明すると、筋肉が増える→グリコーゲンの貯蔵量が増える→グリコーゲンが増えることで体内に入ったブドウ糖がグリコーゲンに変換される量が増える→血糖値が下がりやすくなるという連鎖反応が働いているということです。
グリコーゲンを理解して血糖値をコントロールする
要するにグリコーゲンの働きを正しく理解しているのならば、ある程度血糖値がコントロールできるようになるということです。まず、ブドウ糖の使われる順番は血液中のブドウ糖が最初で、血液中のブドウ糖を使い切ると肝臓のグリコーゲンタンクからグリコーゲンを使うようになります。
しかし、実際に肝臓内のグリコーゲンを完全に使い切るのはだいたい13時間はかかると言われていますが、底をついた状態になると空腹感が出るのではなく食後4時間ぐらい経過すると、脳から糖が低下しているというシグナルが出るようになって、肝臓のグリコーゲンが減っているサインを出すようになるのです。ブドウ糖は赤血球と脳のエネルギーになるので、エネルギー源が無くなることを脳は避けるために警告を出しているということですね。
お腹が減ってきたというサインは肝臓にあるグリコーゲンに手を出し始めたというサインで、血糖値が下がり作用が出始めたということです。この状態で何らかの食べ物を食べた場合は肝臓にグリコーゲンとして蓄積されるようになります。
ここで逆に、満腹だと感じている状態で無理やり糖分を摂取すると筋肉にも肝臓にも蓄積できなくなるので、血糖値が上昇しやすくなって脂肪に変わる確率も非常に高まってしまうでしょう。
そのため、このような事態を下げる方法は可能な限り筋肉と肝臓にあるグリコーゲンを使い切ってから食事をするというやり方です。そうすれば血糖値が急激に上がることはなくなり、太りにくくなります。そのためにも、空腹感を感じるということは大切だということです。
「グリコーゲンと血糖値の関係は?」のまとめ
グリコーゲンの効果を正しく理解することで、血糖値をある程度コントロールできることは理解していただいたと思います。皆さんも、無理な食事は控えて、筋肉と肝臓に貯蓄できる程度に抑えましょう。