心地良い眠りを届けてくれるグリシンは、体内で合成できる非必須アミノ酸の一種です。不眠を改善する効果はもちろん、コラーゲンを構成する作用を持っている事から、肌のアンチエイジングとしても利用されています。脳幹や脊髄に存在している為、中枢神経で抑制系の神経伝達物質としても働くので、鬱の治療にも効果的という見方もされています。
グリシンについて
アミノ酸の中で最も小さなグリシンは、単純な構造でありながらもDNAやRNAといった核酸の合成に必要な成分です。また、筋肉収縮の為のエネルギーとなるクレアチン、全身に酵素を運搬するヘモグロビンの原料としても使用されています。脳幹や脊髄に多く存在している事から、中枢神経で抑制系の神経伝達物質として働いて鬱を改善したり、良質な睡眠を招いたりといった効果が期待できます。嬉しい事に、グリシンはコラーゲンを構成するアミノ酸でもある為、女性の美しさに欠かせない美肌や美髪を保ちます。更に、その抗酸化作用で生活習慣病を抑制したり、活性酵素の生成を抑制して老化を遅らせたり等、健康面はもちろん、美容面でも役立つのがグリシンです。近年では、グリシンにコレステロール値を下げる効果も認められ、高血圧や脳卒中の予防に役立てられています。それだけでなく、口内炎や皮膚炎、湿疹といった炎症に関する医薬品の原料としても親しまれています。
グリシンと睡眠効果の関係
人間の身体は、深い眠りに入る前に自然と体内の温度を下げます。グリシンにも同じ働きがある為、摂取すれば安眠を促す事ができると言われています。また、単に眠りやすくするだけでなく、睡眠の質を高めてくれるのも特徴の一つです。グリシンを摂取する事で、良質なノンレム睡眠に入り込み、最も深い眠りである「徐波睡眠」にまで到達する事が分かっています。グリシンで安眠を得る事で、成長過程で大事な身長の伸び、成長ホルモンの分泌も促されます。研究でも、グリシンを摂取するのとしない場合では、翌朝の疲労感や倦怠感、眠気が減少するという結果が出ました。そうなると、仕事や勉強の効率も上がる為、グリシンは一石二鳥の成分と言えます。また、抑制系の神経伝達物質として働く事によって、セロトニンを増加させる事も報告されています。セロトニンが脳内に増えると、鬱症状の予防、改善に繋がります。もちろん、しっかりと睡眠を取る事も鬱症状には効果的です。グリシンは、睡眠とセロトニンの二面から、鬱症状に効果的なアプローチを与えてくれます。
グリシンに副作用はある?
グリシンが枯渇する時、鬱症状や不眠症に陥ってしまう可能性があります。また、コラーゲンの合成が滞り、髪や肌が荒れたり、関節に痛みが出たり等、健康面や美容面で不都合が生じます。その為、グリシンが欠乏しない状態を作る事が大切です。ただし、動物実験の結果、過剰摂取により呼吸筋の麻痺が報告されました。人間が日常生活でグリシンを過剰摂取する可能性は極めて低いですが、既定の量以上に摂取するのは避けましょう。また、妊娠中や授乳中の母体や胎児への安全性は未だ不確定です。更に、統合失調症の治療をされている方に関しては、治療薬の力が弱くなってしまう事があるので、まずは医師に相談してから摂取しましょう。
グリシンを正しく摂取するポイント
グリシンは、牛、鶏、豚といった動物性のコラーゲンから摂取できます。特に、牛筋や軟骨、豚足は動物性のコラーゲンが豊富です。また、海老や蟹といった甲殻類も有効的です。アミノ酸の中でも食品の酸化を防ぐ効果が強い為、食品に含まれた大腸菌の酸化を防止したり、食品の日持ちを良くしたりする事も得意です。厚生労働大臣によって安全性が認められた指定添加物としても活用されており、調味料や保存料として幅広く活用されています。グリシンの味としては、甘味があり、匂いがありません。その為、食品の風味を損なわずに味つけできるメリットがあり為、旨味のある添加物としてコンビニ弁当等にも使用されています。グリシンは、添加物でありながらも安全面では信頼がおけると認められ、体内に貯め込まれる事がありません。1日3食コンビニ弁当を食べたとしても、人間が過剰摂取に陥る可能性はほぼないと言っても良いでしょう。こういった食品、調味料や保存料としてはもちろん、手軽にサプリメントからも摂取する事ができます。近年、不眠に悩む方にとって、グリシンは安眠を招く頼もしいサプリメントとして注目され続けています。
サプリメントとしてのグリシン
多くのグリシンサプリメントは、1日あたりの摂取量が3g程度に設定されています。コンビニ弁当の後にグリシンサプリメントを摂取したとしても、1日10gを超える事はありません。購入したグリシンサプリメントを全てその日のうちに飲むといったような事さえしなければ、過剰摂取の心配はありません。
「睡眠障害の方に有効的なグリシン!優れた睡眠効果とは」のまとめ
睡眠に問題を抱える人にとってグリシンは、安眠を得られる力強い味方です。食事といった生活習慣の見直し、自分なりのストレス発散を試した後、それでも不眠に悩む場合はグリシンに頼ってみてはどうでしょうか。