コレステロール

[監修済] コレステロール値を増やす役割のパルミチン酸

パルミチン酸の働きには、コレステロールの値を上昇させる効果があり、健康を維持していくには、知っておかなければならない成分のひとつと言えます。その作用は他にどのような働きがあるのかを調べます。

パルミチン酸とは

パルミチン酸は常温では白色の固形物で、飽和脂肪酸と呼ばれるものです。牛脂のヘットや豚脂のラードとなる成分ですが、植物にも含まれており植物脂質の木蝋にも多く含まれます。植物の木蝋で有名なものには、漆の木やハゼの木があり、これらの木の実を蒸してから油を圧搾する事で、木蝋を取り出しろうそくの原料にしたり、薬の軟膏や化粧品に混ぜたり界面活性剤にと、江戸時代などには藩政の立て直しなどの、副業にも利用されていた事も良く知られている事でしょう。

この木蝋の主成分は、中性脂肪のパルミチン酸であり、パルミチン酸は体内に入ると、ステアリン酸からオレイン酸などと変化を繰り返し、体温でも液体の状態を保つ事で、流動性を保ち続ける特性を持っているのです。このパルミチン酸は、「ヘキサデカン酸」とも呼ばれている飽和脂肪酸の一種で、同じ仲間にはステアリン酸やミリスチン酸にラウリン酸なども含まれています。これらの脂肪酸の役目は人間の体内において、コレステロール値を上げる役目を担っていると言うわけなのです。

コレステロールは悪者?

コレステロールと聞くと、現代人は悪いイメージでしかなく、健康被害の悪玉のようにされていますが、その実態は人間の生命維持には、欠かせない役割を行っているのです。体内に含まれるこれらの脂肪酸は、生体膜を安定させるために含まれており、ステロイドホルモンである性ホルモンや、副腎皮質ホルモンなどの原料にもなっているのです。また、ビタミンⅮの原料にもなっており、血管内では被膜として血流によるエロージョンを、保護する大事な役目を担っているのです。

エロージョンとは摩擦によるダメージの事で、血液は絶えず流れ続けていますので、こうした摩擦から血管内を保護する役目を行っているわけです。実はこのコレステロールは、食品中に含まれる脂質の5分の1ほどしか摂取できていません。その為、体内で残りの必要量を生成する為に体内で合成する事になります。この合成時に大量の活性酸素が出来てしまう事が問題なのです。つまり、コレステロールが悪いのではなく生成過程や、その後のコントロール機能の低下が多くの問題を起こしていたわけです。

パルミチン酸の働き

コレステロールには、悪玉と善玉の存在があります。悪玉と言われているものは、低密度リポ蛋白群として知られる「LDL」という数値によって表されます。これが増えると血管内に溜まり、固まる事で様々な悪さをし、多くの病気の原因となっているわけです。善玉は高密度リポ蛋白群と呼ばれるもので、「HDL」で表されます。このHDLは悪玉であるLDLを剥ぎ取ってくれる役割を担っていますので、HDLを増やす事で悪玉コレステロールであるLDLの量を、速やかに減らしてくれると言うわけです。

パルミチン酸は、抗酸化作用がありますので、善玉であるHDLを増やす役目があるのです。また、ビタミンAを安定化させるという作用もある事で、しわを減らしてくれる効果があり、過剰な皮脂の分泌を抑えてくれますので、ニキビ予防にも効果があると言えるでしょう。HDLを増やしてくれますので、動脈硬化の予防としても効果が期待できます。出来るだけ多く摂りたいものですが、過度な摂取は肥満になり易く、逆に生活習慣病を呼び込む恐れもありますので、注意が必要でしょう。

パルミチン酸の利用法

パルミチン酸は脂肪ですので、摂り過ぎによるきけんがあり、逆に控える事も大事ですが、吸収率を上げる事で、効果的に摂取する事が可能です。よく口にする食品としては、ラードやショートニングやバターなどが挙げられますが、ビタミンCビタミンDと一緒に摂る事でより効果が上がります。またお菓子などにも良く使われている、パーム油やココアバターにも多く含まれています。このパルミチン酸が含まれている石鹸なども販売されているのです。

美容に際してはこういった商品を利用する事で、ビタミンAや抗酸化作用などのアンチエイジング効果が望めるといったこともあり、しわ予防を始めニキビ予防など、より快適な美容効果が望めるでしょう。また肌以外にも髪の毛にも作用しますので、シャンプーなどにも利用できるでしょう。健康診断などでは、血液検査をしますので、ご自分のLDLの数値を把握する事が可能です。LDLの数値が高い場合には、善玉コレステロールを増やす努力をしなければなりません。ビタミンCやビタミンDのほか、食物繊維や抗酸化作用がある食品を同時に摂る事で、善玉を増やす事になります。

「コレステロール値を増やす役割のパルミチン酸」のまとめ

パルミチン酸は、悪玉コレステロールを減らす役目を果たしている事がわかりましたが、脂質に助まれているので容易く摂取できません。しかし、併用による効果的な成分を同時に摂る事で、意識的に増やせるのです。

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