レスベラトロールは近年、アンチエイジングの有効成分として注目を浴びています。その働きには賛否両論ありますが、今回はレスベラトロールがアンチエイジングに良いと言われているのは一体なぜなのか、その理由についてご紹介します。
成人には必要なアンチエイジング
アンチエイジングは「抗加齢」とも言われます。歳をとることは様々な経験をし学習していくことなので、必ずしも悪いことではありません。しかし問題になるのは体が加齢により体が思うように動かなくなったり、肌がたるみやシワが目立ってきたり、脳がうまく働かなくなるなど、見た目や生活に支障をきたしてしまうことです。
そのようにヒシヒシと自分の年齢を感じるのは中年期からの場合が多いので、成人したばかりの20代ではあまりアンチエイジングは自分に関係ないと思いがちです。しかし体の若々しさを保つ為に必要な成分の多くは、表面にこそ変化は表れにくいものの、20歳前後を境に減少しつつあります。ですから20代からアンチエイジングの対策をとるのは決して早すぎることはないのです。
今回紹介するレスベラトロールはアンチエイジングに効果を期待できるとして今注目されている成分の一つです。
レスベラトロールがアンチエイジングに良いと言われる理由
レスベラトロールがアンチエイジングに良いと注目される理由の一つは「サーチュイン遺伝子」と関係があります。サーチュイン遺伝子は私たちの体に存在していて、サーチュインというたんぱく質を作り出します。サーチュインには細胞の分裂が行われる時に短くなっていく染色体のテロメアを守ったり、細胞の分裂の速度をゆっくりにする働きがあると言われています。
私たちの体は何十兆個もの細胞からできています。その細胞が分裂することにより、新しい細胞が作られ人間は成長していきます。しかし細胞が分裂する回数には限りがあります。胎児の細胞を研究したところ50回までの細胞分裂で止まったと報告されています。細胞分裂が行われなくなった細胞は老化した細胞で、それが私たちの老化現象にもつながると言われています。
サーチュインの細胞分裂をゆっくりにする働きにより、細胞自体の寿命を延ばすことができると考えられており、ひいてはそれが細胞からできている私たちの老化防止につながると言われています。
サーチュイン遺伝子は摂取するカロリーを減らすことで活性化するとされていますが、つらいカロリー制限をしてまで長生きしなくてもいいと思う人がいるのも事実です。そんな中レスベラトロールは、カロリー制限をしなくても老化を遅らせるサーチュイン遺伝子を活性化できる成分だとして注目されているのです。
レスベラトロールはポリフェノールの一種
レスベラトロールは、植物が紫外線などから自分の身を守るために作り出した成分で、ポリフェノールの一種です。ポリフェノールには抗酸化作用があるとしてアンチエイジングでは欠かせない成分です。
車を走らせるためにガソリンが必要なのと同じように、人間の体を動かすためにはエネルギーが必要です。そのために私たちは食事をしますが、食事から摂った栄養をエネルギーとして使うためには、体の中で変換させることが必要です。その変換作業は呼吸により体の中に入ってきた酸素を酸化させることで行われます。
この時に酸化された酸素を活性酸素と言いますが、この活性酸素が私たちの体を老化させる原因の一つではないかと言われています。発生した活性酸素は、体に有害な細菌などをやっつけるという働きもするのですが、増加しすぎると健康な細胞も傷つけていきます。
その結果、シワやたるみなどといった現象が現れたり、血管がボロボロになったりといった老化現象に拍車をかけてしまうことにつながります。
レスベラトロールには体が酸化するのを防ぐ働きがあるので、アンチエイジングに良いと言われています。
そもそもポリフェノールとは?
最近耳にすることの多いポリフェノールですが、このポリフェノールとは
ほとんどすべての植物に含まれる、植物特有の色素や苦み・渋み成分
を総称したものです。その種類は5000を超えるともいわれています。
ポリフェノールにはこんなにもの種類が!⇒ポリフェノールの驚きの種類!
レスベラトロールの摂り方と注意点
ポリフェノールの一種であるレスベラトロールは、コケモモやブドウの皮などに含まれています。またピーナッツやアーモンドの薄皮の部分にも含まれています。薄皮には苦みがあるので取りたくなりますが、ピーナッツを食べるときは薄皮もつけたまま食べるほうが良いと言えます。
注意する点として、レスベラトロールには種類がいろいろあります。なかでもサーチュイン遺伝子を活性化させると言われているのは、トランスレスベラトロールという種類です。トランスレスベラトロールはブドウから作られる赤ワインなどに含まれています。
動物実験から割り出された計算によると、サーチュイン遺伝子を活性化させるためには、一日3.6g程のレスベラトロールを摂取することが必要になります。しかし、レスベラトロールは赤ワイン700mlに約1㎎しか含まれていません。
もしサーチュイン遺伝子を活性化させるほど飲もうとするのは逆に身体を壊してしまうので、難しいと言えます。サプリメントから摂ることもできますが、サーチュイン遺伝子に働くと言われるだけの量を摂るのは体にもよくありません。
そういう意味でもレスベラトロールは賛否両論をよんでいますが、ポリフェノールの一種であることには変わりないので、レスベラトロールを含むものを適量摂ることで、その抗酸化作用などをアンチエイジングに役立てることができます。
レスベラトロールはアンチエイジングの切り札!【注目のポリフェノール】のまとめ
レスベラトロールはサーチュイン遺伝子を活性化させる働きや、ポリフェノールとして体の酸化を防ぐ働きから、アンチエイジングに効果を期待できます。現在も研究が進んでいる成分なので、レスベラトロールをアンチエイジングに役立てるための更なる研究報告を期待できます。現在レスベラトロールを摂る場合は、赤ワインやサプリメントを活用できます。その場合、飲みすぎや摂りすぎは逆効果になるので注意しましょう。